携帯サイト開発 20の鉄則 タイトル

携帯サイト開発 20の鉄則について


携帯サイト開発 20の鉄則

基礎知識編

携帯サイトのマネージャーが携帯向けにサイトを立ち上げるときに、失敗しないために知っておくべき鉄則があります。 この鉄則を知っておくことで携帯サイト立ち上げで陥りがちな失敗を回避出来ます。 携帯サイト立ち上げの責任者の方は必読です!

鉄則01 携帯サイトはPCサイトと全く別物であることを認識すること!
鉄則02 携帯サイトはキャリアの資料をもとに開発すること!
鉄則03 目標/予定規模/投資額に合わせて最適な方法を選ぶこと!
鉄則04 携帯サイトの特徴を知ること!
鉄則05 携帯サイトの制約を知ること!
鉄則06 まずは画面設計をすること!
鉄則07 未経験の開発者には1.5倍の時間を与えること
鉄則08 テストは携帯電話を使って実施すること!
鉄則09 検索エンジン向けに最低限の対応をすること!
鉄則10 Flashの導入は慎重に検討すること


開発実践編

鉄則11 HTMLは最小限に!(3キャリアワンソースで開発しましょう)
鉄則12 携帯のページサイズはこう考える!
鉄則13 携帯の対応機種はこう考える!
鉄則14 キャリアや機種の切り分けはこうする!
鉄則15 携帯特有の制約はこう対応する!
鉄則16 携帯特有の機能はこう実現する!
鉄則17 自分で作るかASPを利用するか、その判断基準はこうする!
鉄則18 サーバーはこう選ぶ!
鉄則19 テストはこうする!
鉄則20 公式化対応はこうする!

※技術的な内容が多く含まれます。


基礎知識編

基礎知識編の鉄則は弊社の歴史の中で、お客様が陥りがちな誤解と、弊社が携帯サイトを開発したときに実際に経験した失敗や問題から携帯サイト開発で誰もが通る道を示しています。

鉄則01 携帯サイトはPCサイトと全く別物であることを認識すること!

まず、何よりも最初にお伝えしたいのは、「携帯サイト」と「PCサイト」では全くの別物だということです。
この認識がないと、携帯サイトを開発しても、「携帯で何か見えるだけのサイト」を作ってしまうことになるからです。

携帯サイトはPCサイトの機能縮小版。PCサイトのコンテンツや機能をそのまま移植して少し携帯向けに調整すれば出来るだろう。こんな考えを持って携帯サイトを立ち上げようとする方がいますが、全くの誤解です。
こんな誤解に基づいて開発をすると、最初に十分な期間と予算を取っていないために、まとも動かなかったり、一部のキャリアや機種でしか表示出来ない品質の悪い携帯サイトを作ってしまったり、作った意味がないくらい貧弱なサイトになってしまったりします。

携帯サイトの新規立ち上げは、携帯向けにサイトを一つ作ることです。
PCサイトを何もないところから立ち上げるのと同じか、制約が多い分、携帯サイトの立ち上げの方が時間も労力もかかる、ということを覚えておきましょう。

キャリアや機種の切り分けはこうする!

鉄則02 携帯サイトはキャリアの資料をもとに開発すること!

キャリアや機種の切り分けはこうする!

携帯電話のキャリアである、docomo、KDDI、SoftBankでは、携帯サイトの作成を推奨しています。
そのため、各キャリアのホームページでは携帯サイトを作るための資料を十分に用意しています。
また、検証のためのシミュレータの提供もしています。
思ったように表示されない、などの場合はGoogleで調べるよりも、まずはキャリアが公式に提供している情報を調べるくせをつけましょう。

各キャリアの技術ページを以下に紹介します。

1.docomo
作ろうi-modeコンテンツ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/index.html

2.KDDI
EzFactory 技術情報
http://www.au.kddi.com/ezfactory/tec/index.html

3.SoftBank
Mobile Creation(無料会員登録必須)
http://creation.mb.softbank.jp/

鉄則03 目標/予定規模/投資額に合わせて最適な方法を選ぶこと!

携帯サイトを作成する際には、まずどの程度の規模でサイトを構築するかを検討します。
大きく分けて以下のパターンがあります。
※コストなどはイメージしてもらうための想定ですので、実際の場合と異なる場合があります。

1.携帯サイトは独自の機能を利用したい、または、将来拡張したいと考えおり、アクセス数は多い、または多くすることが目標である

⇒ 携帯サイトは独自で開発し、必要な機器も自前で調達する、完全に自社のサイトにすることが良いでしょう。

■必要コスト
サイト開発費:数10万~数1000万 機器費:数10万~ 機器運用費:10万円~

2.携帯サイトの機能は出来あいのものでいいが、アクセス数は多い、または多くすることが目標である

⇒ 会員登録サイトだけ、店舗紹介サイトだけ、など機能は一般的でもいい場合は、他社が提供しているサイトのサービスを利用することも検討に値します。サービスによってアクセス数の制限があったり月々の使用料が変わる場合があります。
まずは「携帯 ASP ○○」(○○は実現したい機能)などで検索し、比較してみましょう。
※巻末の参考資料も合わせてご参照ください。

■必要コスト
サイト開発費:数万円~ 機器費:なし 機器運用費:なし 月額サービス利用料:数万円~

3.携帯サイトの機能、コンテンツはある程度自由にしたいが、アクセス数は多くない

⇒  作りたい携帯サイトに合う、ASPがなかったり、将来は拡張したいが、スモールスタートしたい場合などは、サイトは自前で開発し、必要な機器はレンタルすることが良いでしょう。レンタル機器は自社で専有出来るパターンと他社と共有するパターンがあります。共有するパターンは出来ることが制限されていることも多いので、自社のサービスと比較検討が必要です。
自社で専有する場合はサイトの機能はほとんど制限はありません。

■必要コスト
サイト開発費:数10万円~ 機器費:なし 機器運用費:専有の場合は必要 数万円~ 月額サービス利用料:数千円~
※サービスのよって初期費が数千円~必要

4.まずは携帯サイトというものがあれば良く、アクセス数も多くない

⇒  自社の情報の提供のみを目的としている場合など、機能は必要ない場合に最適です。
アクセス数も少ない見込みであれば、廉価なサービスを選んで最小のコストで携帯サイトをスタート出来ます。

■必要コスト
サイト開発費:数万円~ 機器費:なし 機器運用費:なし 月額サービス利用料:数千円~

キャリアや機種の切り分けはこうする!

鉄則04 携帯サイトの特徴を知ること!

携帯サイト特有機能を紹介します。自社サイトを作る前にこんなことが出来ることを知っておきましょう。

その機能を利用すると、PCサイトにはない携帯サイトの便利さや楽しさを伝えることになり、ユーザーが携帯サイトを利用するモチベーションになります。携帯だけで提供される代表的な機能は以下の機能です。

1.GPS

自分自身の位置情報に基づいて店舗の検索や地図の提供が可能です。
これは「携帯」出来る端末だからこそ提供出来る機能ですし、送客にも非常に有効です。
GPS機能はユーザーの携帯電話がGPS対応端末であれば、公式サイト・一般サイト問わず利用可能です。
今、位置情報を利用したスタンプラリーなどエンターテイメント機能としても活発に利用されています。

待ち受け、着うた、きせかえなどのコンテンツ

2.待ち受け、着うた、きせかえなどのコンテンツ

携帯電話自体で利用出来る、「待ち受け画像」や「着うた」、「動画」、「きせかえ」、「デコメール」などのコンテンツ(エンタメ系コンテンツ)は携帯電話でのみ利用可能です。
これらのコンテンツを提供し、定期的に更新することでユーザーを定着させる効果があります。
これらのコンテンツは配信するための記述方法が各キャリアでルールがあり、キャリア判別や機種判別が必要な場合もあります。
また、配信する場合はコンテンツの制作費も考慮が必要です。「待受画像」、「デコメール」は数万円~、「着うた」・「きせかえコンテンツ」では数10万円~数100万円程度が相場です。

電話をかける機能

3.電話をかける機能

携帯電話はサイト上から電話をすることが出来ます。注文電話番号や店舗電話番号など電話をかけてほしい場合にはかならず電話をかけられるように記述をしましょう。この記述は3キャリア共通で利用可能です。
<a href="tel:0120123123">0120-123-123</a>  と書くと、携帯サイトから「0120-123-123」に電話することが可能です。

4.空メール

携帯電話で文字を入力することは非常に手間がかかります。また、携帯メールアドレスは長い傾向があります。
(自身の携帯メールアドレスを覚えていない人も多くありますよね。)
そのため、ユーザーからメールアドレスを取得するときに、ユーザーに入力をさせると、非常に手間がかかったり、誤りが多くなってしまいます。
そこで、それを回避するためにユーザーがメールアドレスを入力する代わりに空メールを送ってもらう方法があります。
ユーザーが送った空メールに返信メールが来て、そこに記載されているURLを選ぶと、メールアドレスが入力された登録画面に移動する、という流れが一般的に利用されています。

鉄則05 携帯サイトの制約を知ること!

携帯サイトを作る際に、PCサイトでは出来ることで、携帯サイトでは出来ないことが多くあります。

1.ページを表示するためのHTMLの書き方で使用可能な書き方と使用出来ない書き方がある。

2.PCで利用出来るJavaScriptが利用出来ない。

JavaScriptが使えないと実現出来ない機能は以下のような機能です。
(1) 商品一覧ページなどで選択を選んだだけ絞り込むような、高速の絞り込み
(2) Google Mapのような操作に応じてデータを取得すること
(3) 登録ページなどで登録ボタンを画像にすること
(4) ショッピングサイトでカートの数量を変更したときの自動計算

3.携帯電話の持つ処理能力がPCと比べて低いため、ページで表示出来る量に制限がある。

現在の携帯電話の処理能力は非常に高くなってきていますが、携帯電話の買い替えサイクルが長くなっていることもあり、旧型の携帯電話の比率も無視出来ません。
大体多くのPCサイトのTOPページの10分の1以下にする必要があります。

携帯サイトの制約を知ること!

4.通信回線がPCに比べて細いため動画など容量の大きいコンテンツの配信に制限がある。

携帯電話の現在良く利用されている機種の通信速度はPCで利用されているフレッツ光などの通信速度に比べて100分の1以下です。ちょうど2000年以前のADSLが普及する前のPCでのインターネットより少し早い程度です。
最新の端末では最も通信状態がいいときで、ADSLの初期のスピードと同じくらいです。
たいていのページは快適に表示出来ますが、動画などでは制限があるレベルです。

現在研究開発中の次世代携帯ではフレッツ光なみの速度になります。この通信速度では映画なども快適に見ることが出来るようになるでしょう。ただし、ある程度の範囲まで行き渡るには、まだまだ時間が必要だと思われます。

現時点でPCサイトと上記のような差がありますので、配信出来る内容には限界があります。

5.カート機能やお気に入り機能を利用するのに特別な設定が必要になる。

携帯電話でページを表示するときは、前回表示したページからの続きなのか、新規に呼び出したページなのかを判断するために特別な機能が必要です。
PCサイトではこのようなときに、「Cookie」と呼ばれる仕組みを使っていますが、携帯では利用出来ません。
そのため、開発に着手する前にカート機能などを実現する方法を設計しておくことが重要です。

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鉄則06 まずは画面設計をすること!

PCサイトを作るときには1ページに表示出来る量や操作性などを意識しなくても良いため、ラフなスケッチからサイトを開発することが可能です。
携帯サイトでは、一つのページで表示出来る量が少ないため、きちんと設計をしていない、ラフから開発をすると、ページが表示出来なかったり、機種によって想定しない動きになってしまうなど、品質の悪いサイトになってしまいます。
また、PCサイトに比べて、操作の幅がせまいため、「使いやすい」サイトにするためには、綿密な設計をすることが第一です。
これは、楽天やYahoo!ショッピングなどを利用し、自社で開発しない場合でも必要です。

まずは画面設計をすること!

鉄則07 未経験の開発者には1.5倍の時間を与えること

携帯サイトを作る場合には、多くの制約や思わぬ問題が立ち上がります。
弊社でも携帯サイトをいくつも開発してきましたが、時に新しい問題に出会うことがあります。
ですので、初めて携帯サイトを開発する開発者には、余裕を持ったスケジュールを与えることが必要です。
開発者はスケジュールが足りなくなったとき、機能の開発を優先して、検証の時間を減らすことになります。
その結果、携帯電話でアクセスすると思った通りの表示が出来ないサイトが出来上がります。
弊社の経験則では、携帯サイトの開発経験のない開発者には、開発者がこの期間で出来る、と言った期間の1.5倍程度かかっているようです。
他の方法としては、チームの携帯サイトの開発経験者を入れたり、携帯サイトの開発経験のある会社に依頼することも検討しましょう。

未経験の開発者には1.5倍の時間を与えること

鉄則08 テストは携帯電話を使って実施すること!

携帯サイトを携帯電話で表示するときには、必ず携帯キャリアのデータセンターを経由することになります。
一般のPCサイトでは、PCサイトとPCは直接接続しています。
そのため、実際に携帯電話でアクセスすると、PCからアクセスする場合に比べて色々と問題が起こることがあります。
ですので、携帯サイトを立ち上げる際には必ず携帯電話を使ったテストをして、実際に表示されることを確認することが重要です。

また、実際の携帯電話でページをどのように表示するかは携帯電話の機種によって異なります。
発売された時期が出来るだけ異なっている携帯電話でテストをして、表示が変わることを確認しましょう。

テストは携帯電話を使って実施すること!

鉄則09 検索エンジン向けに最低限の対応をすること!

最近では携帯電話でも検索してページを探すことが一般的になってきました。
PCサイトでは、もはや検索結果に表示されないサイトは、存在しないことと同じ、という状態ですが、携帯でも同様になってくると予想されます。
そのため、GoogleやYahoo!の検索結果に表示されるとは、サイトにとって非常に重要です。
検索結果に表示させるには、GoogleやYahoo!がページを収集する「検索クローラー」というツールにページを読み込ませる必要があります。携帯サイトでは、PCなどからサイトを見られないようにするために、携帯電話以外のアクセスを遮断することがあります。
そのような対応をした場合、「検索クローラー」からのアクセスも遮断してしまい、GoogleやYahoo!にページを読み込んでもらえず、結果として検索結果に表示されない、という問題があります。
検索結果の順位を上げることは、後で対応をすれば可能ですが、まずはページを収集してもらえないことには、お話になりませんので、「検索クローラー」はサイトを見られるように作成しましょう。

検索エンジン向けに最低限の対応をすること!

鉄則10 Flashの導入は慎重に検討すること

Flashの導入は慎重に検討すること

最近の携帯電話ではTOPページのメニュー画面でFlashを利用することも多くなってきました。
Flashは見た目もきれいですし、サイトに取り入れたいと思うことも多いと思います。
ですが、メリットの他にデメリットも多数あります。そのため、Flashページを導入する際には、本当に必要か慎重に検討する必要があります。

Flashページの主なメリットは二つあります。
1.見た目が良い
2.1ページで表示出来る情報が多い

主なデメリットとしては、以下のものがあげられます。
1.簡単なページの更新でも容易に出来ない
2.使いやすいFlashのページを作成することが難しい
3.制作費が高い

ブランドなどを訴求したくて、使い勝手よりも見た目重視なサイトでは良いかもしれませんし、ECサイトやコミュニティサイトなど機能を優先すべきサイトでは導入すべきではありません。

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開発実践編

これらのポイントは初めて開発する開発者がつまづくポイントです。あらかじめこのポイントを理解しておけば携帯サイトの開発はスムーズに進めることが出来るでしょう。

鉄則11 HTMLは最小限に!(3キャリアワンソースで開発しましょう)

3キャリア対応の携帯サイトでは、各キャリア向けにページを表示する必要があります。
その時に3キャリア分ページを作成する方法は非効率ですし、世代管理や運用も大変です。
そこで、出来るだけ1ファイルで表示出来るようにする必要があります。
現在、3キャリアの3G端末では3キャリアで概ね共通の記述が出来るXHTMLが利用可能です。
3Gのみ対応の場合はXHTMLで必要な個所のみキャリアで表示分けする方法で1画面1ファイルで開発しましょう。
その際、docomoはスタイルシートはインラインスタイルシートのみ対応ですので、docomoに合わせてスタイルシートはインラインスタイルシートで記載します。
キャリアごとで表示分けする必要のある主な項目は以下の項目です。

(1) 絵文字
(2) DocTypeなどHTMLヘッダー
(3) フォント小の記述
(4) エンタメコンテンツ向けの記述
(5) GPSの記述
(6) MailToの記述
(7) 入力用テキストボックスの書式設定

これら以外は基本的に一つの記述で対応可能ですので、XHTMLで書くことをおすすめします。
また、下位機種をサポートする場合には、ファイルを分けて作成した方が後々の拡張性を確保出来ますので、推奨しています。

HTMLは最小限に!(3キャリアワンソースで開発しましょう)

鉄則12 携帯のページサイズはこう考える!

携帯サイトで問題になるのは、やはりページの容量です。対応機種によって異なりますが、基準としては以下の通りです。

携帯のページサイズはこう考える!

(1)100KBまで
docomo 3G以降、au W3x以降、SoftBank 3G以降(一部除く)

(2)50KB
au Win1x~3x、A5000系

(3)30KBまで
SoftBank 一部3G端末

(4)20KB
docomo 505i以降

(5)10KBまで
docomo 504i以降

(6)6KBまで
全端末対応可能

という分け方で考えます。
リッチな表現をしたいなら(1)まで、対応してユーザー数と機能と表現を両立したいなら(2)、(3)まで、幅広く対応したいなら(4)、(5)、(6)までを対応するようにしましょう。
※弊社では(2)、(3)の場合が多いです。

鉄則13 携帯の対応機種はこう考える!

携帯の対応機種はこう考える!

どの端末まで対応させるかは悩みどころです。
もちろんビジネス上の要件がある場合にはそれに従うべきですが、出来るだけ多くのユーザーにリーチ出来て、コストがそれほどかからないような対応端末を選びたい、という要望が最も多いと思います。

ここでは、開発者の目からみて、切り分けることによるコスト(工数)の違いを説明します。

3G端末と2G端末を両方対応する場合、ページの容量は2G端末に合わせることになります。
2G端末のサイズでは10件程度の一覧を写真付きで表示することが出来ません。
その結果、2Gと3Gでは単純にページを分ける方法を取ることが多いのですが、2G向けページでは表示出来る量に制限があるため、ページングを追加する必要があったり、一度書いたソースコードをコピーして少しの修正でそのまま使うことが出来るとは限りません。
また、経験上2G向けと3G向けページでは、結果的にほとんどのページを作り分ける必要があります。
今後、2G端末は終了していくことや、将来のメンテナンスにかかるコストも考えると、出来る限り3G向けにサイトを作った方が良いと思います。
特に更新に必要な費用が倍になる点は見逃しがちですので、注意が必要です。

鉄則14 キャリアや機種の切り分けはこうする!

携帯サイトでは、どのキャリアの、どの機種からアクセスされたか取得する必要があります。
キャリアや機種はHTTPのUSER-AGENTヘッダー情報から正規表現で切り分けします。
下記の例では、USER-AGENTからキャリアと機種名を取得するPHPのサンプルです。

//DoCoMo判定
if (eregi("^DoCoMo", $agent)){
	//機種名判定
	$devtmp = preg_split ("/[\/\s\(\)]+/", $agent );
	$dev_id = $devtmp[2];
	$dev_ca = 'DoCoMo';
}else if (eregi(“^KDDI-”, $agent) or ereg(“^UP\.Browser”, $agent) ){ //KDDI判定
	//機種名判定
	$devtmp = preg_split ("/[\s-]+/", $agent );
	$dev_id = $devtmp[1];
	$dev_ca = 'au';
}else if (eregi(“^(J-PHONE|Vodafone|SoftBank|MOT)+”,$agent)){ //SoftBank判定
	//機種名判定
	if(eregi("^MOT+",$agent)){
		$devtmp = preg_split ("/[\/-]+/", $agent );
		$dev_id = $devtmp[1];
	}else{
		$devtmp = preg_split ("/[\/]+/", $agent );
		$dev_id = $devtmp[2];
	}
	$dev_ca = 'SoftBank';
}

上記の例にように、あらかじめキャリア名と機種名を取得します。
データベースなどにキャリア名と機種名から機能やページの対応/非対応などの情報を入れておき、表示分けをします。

キャリアや機種の切り分けはこうする!

鉄則15 携帯特有の制約はこう対応する!

携帯サイト開発でよく立ちはだかる問題とその解決策を説明します。

(1)セッション維持について

携帯サイトではCookieを利用出来ません。対応している端末もありますが、SSLページと共有出来ないなど、実用することは望めません。そのため、セッションの維持にはURLのパラメータにセッションIDを付ける方式を利用しましょう。
PHP、Java、.NETではアプリケーションサーバーの設定でパラメータにセッションIDを付与してくれますので、それを利用と簡単に実現可能です。
ただし、検索エンジンからのアクセスでURLにパラメータを付与してしまうと、別のURLと認識されますので、注意が必要です。

(2)カートやお気に入りなどの情報の永続化について

カートの中身やお気に入りなどを利用する場合にセッションを超えてデータを永続化する必要があります。
PCならCookieで対応出来ますが、携帯サイトでは端末の識別子を利用してデータベースに登録する方法を利用します。
docomoならguid=on、またはuid=NULLGWDOCOMO(公式サイトのみ対応)からパラメータで、au、SoftBankではHTTPヘッダーからIDを取得します。au、SoftBankではIDを送るかどうかユーザーが選ぶことが出来ますので、IDが送られてこない場合の対応も検討しておきましょう。

携帯特有の制約はこう対応する!

(3)ロードバランシングについて

ある程度アクセスがある場合にはロードバランサーによって負荷分散する方法を取る場合があるかと思います。
その際の振り分けロジックですが、IPアドレスによる振り分けやCookieによる振り分けをすると、携帯電話は接続ごとにIPアドレスが変わるため、セッションが維持されない場合があります。
携帯サイトではどのサーバーに振り分けられてもいいような設定をするか、振り分け先を固定するなどしましょう。

(4)JavaScript利用不可について

携帯サイトではJavaScriptを利用出来ません。
そのため、画面上のデータを保存するにはSUBMITボタンにより遷移し、セッション上にデータを保存するか、POST(GET)で渡されたデータを次の画面のINPUTに保存するか、する必要があります。
画像やリンクによりデータを受け渡しすることは出来ませんので注意しましょう。

(5)回線速度について

携帯電話の回線速度ではキャリア公表の速度より大きく遅いことが現状です。
ですので、ページ表示が遅い場合のチューニングですが、ネットワークボトルネックも頭に入れておきましょう。
PCサイトでは、いまどき、と思うかもしれませんが、弊社の経験でもネットワークボトルネックを解消したら速度が倍になったこともあります。

(6)「戻る」ボタンについて

携帯では1ページ前に戻る際に携帯の戻るボタンを使うことが一般的です。
不特定多数向けのPCサイトでブラウザバックを意識しておくことが必要なのと同様に携帯でも戻るボタンからページを移動してくることを意識しておく必要があります。
また、「前へ戻る」リンクを付ける場合、携帯ではリファラーが取れない(docomoの場合)ので、仕組みを考える必要があります。
弊社でも一度、全ページに「戻る」リンクを付けようと挑戦しましたが、実現は難しかったです。

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鉄則16 携帯特有の機能はこう実現する!

携帯特有の機能はこう実現する!

携帯サイト特有の機能は有効に利用したいものです。
ここでは各機能の実現方法を記載します。

(1)GPSについて

GPSでは、位置情報を取得することが出来ます。
各キャリアで下記の通り記載方法や制限が異なります。
主な注意点としては、auではパラメータ情報が引き継がれないことです。前の画面の情報を残したい場合はURLを rewriteするなど、考慮して下さい。

GPSについて

(2)待受け

待受けはページを表示しておき、端末の機能でダウンロードさせます。
Flashの待受けの記載方法は3キャリア共通のobjectタグで記載可能です。

(3)デコメテンプレート

デコメテンプレートは3キャリアで別々の素材が必要です。
ダウンロードさせ方としては、docomo、SoftBankでは素材ファイルに直接リンクすれば可能です。
auは以下のようにobjectタグで記載します。
<object data=“xxx” type=“application/x-kddi-htmlmail” copyright=“no” standby=“xxxx”><param name=“disposition” value=“dev1htm” valuetype=“data” /></object>」※xxxはそれぞれの値が入ります

(4)きせかえ

きせかえは3キャリア別、かつ、機種別の素材が必要です。
機種名からどのファイルをダウンロードさせるか、を考える必要があります。
記載方法は各キャリアによって異なります。

(5)空メール

空メールは携帯から送信されたメールに返信する機能です。
メールサーバーの設定を出来る場合はメールサーバーの機能で着信に対して返信する機能がリアルタイムに返信 でき、問題も少ないためお勧めです。
メールサーバーの設定を出来ない場合は、定期的にPOPサーバーにメールを受信するプログラムを作りましょう。 この方法では、プログラムを設置するサーバーさえ用意出来れば実現可能です。ですが、メールの受信では接続 エラーなどが頻繁に発生しますので、コマンド送信時には必ずエラー処理を入れましょう。

(6)入力補助

携帯サイトでは入力項目で文字を入力する際に、あらかじめ文字モードを選ばせておくことが出来ます。
適切な入力モードが設定されているか、いないかはユーザビリティに大きな差を生みます。
必ず設定するようにしましょう。
docomo : -wap-input-format:
au:format(istyleも利用可能)
SoftBank:MODE

(7)アクセスキーを利用する

携帯サイトでは携帯電話の数字キーをクリックするとダイレクトにリンクをクリック出来る機能があります。
これは携帯を使いなれたユーザーにとっては非常に便利です。
出来るだけ利用するようにしましょう。特に共通フッターのTOPページへにのリンクなどに利用すると、
ユーザーはいつでも起点に戻れて便利です。

アクセスキーの記述は3キャリア共通で可能です。

<a href=“xxxx” accesskey=“x”>xxxx
※「x」には0~9の数字

鉄則17 自分で作るかASPを利用するか、その判断基準はこうする!

携帯はキャリアや機種によってスペックが異なります。
ページやコンテンツを作る際に対象の端末の一番低い性能に合わせる必要があります。
各端末に向け全て最適化することはコスト的に見合いません。
そのため、携帯向けのサービスが多数ASPで提供されています。
ここでは各サービスのASPを利用するか、サービスの最適化をしないか、または自社で開発するかを切り分ける判断基準を述べたいと思います。

(1)ページ変換

■概要
ページ変換サービスASPはdocomo向けに記述したHTMLを各キャリア、各機種に応じて表示するサービスです。

■利用基準
比較的複雑なページを使っており、かつ下位端末まで対応することが求められる場合に有効です。
また、多キャリアにより発生する開発初期を抑えたい場合に利用を検討します。合わせて画像の容量変換も実施してくれることもありますので、PCと共通の画像で運用したい、などの要件がある場合には合致します。
逆に携帯サイトのみ開発し、対応端末が3G端末のみであれば自社で開発する方が有利です。

■想定コスト
初期10万円~30万円
月10万円~

ページ変換

(2)地図

■概要
携帯サイト向けに地図を提供してくれるサービスです。
アクセス数に応じて課金される場合が多く、制限があって無料のものから、ルート検索や駅検索などもでき、高価なサービスもあります。

■利用基準
動的な地図ページは自社で開発することは現実的ではありません。地図を表示したい対象の地図画像が全て揃っているという条件でのみ、全て自社で対応することも可能です。
また、地図を表示したい対象の持っているデータの種類も何を利用するか検討するポイントです。
無料ではGoogleが提供するGoogle Static Maps APIというAPIで指定した緯度/経度に基づいた画像を取得することが可能です。このサービスは2つの制約があります。まず、一つ目は一つのIPアドレスからのアクセス数に制限があります。
もう一つは取得するためには世界測地系の緯度/経度が必要になりますので、地図を表示したい地点の緯度/経度を取得出来ることが条件になります。
アクセス数の上限は1000アクセスですが、携帯の場合、一つのIPアドレスを複数で共用しますので、意図せず表示出来ないことがありますので、あらかじめ許容出来るか検討が必要です。
その他有料の地図ASPサービスがありますが、いずれもアクセス数と追加機能で値段が変わってきます。
動的に地図上にルート表示がしたい、などの要件がある場合は有料サービスを利用する必要があります。
注意点としては、地図ASPで利用する測地系が日本測地系であることも多く、GPS検索で利用される世界測地系と座標が異なることあります。緯度/経度の情報が日本測地系の場合、GPSで取得した世界測地系の座標から正しく距離を取得出来ません。世界測地系と日本測地系の変換は非常に複雑なため、座標変換が必要な場合、思わぬ工数が発生してしまいますので、注意が必要です。

■想定コスト
初期費:無料~
月額:3万円~20万円

(3)動画変換

■概要
携帯サイトで表示可能な動画の容量は限られています。また、少し古い端末と最新の端末では表示可能な容量が大きく違います。それを最適化して表示してくれるサービスが動画変換ASPです。

 

■利用基準 動画がコンテンツのメインである場合や、動画の精度がコンテンツの肝である場合は導入を検討します。
古い機種に合わせると、少々粗い動画で15秒程度、かなり粗い画像で30秒程度が限界です。
製品のCMコンテンツが多少粗くても構わないのであれば、必要ありません。
逆に動画がサイトの価値となるようなケースで、配信している動画数が多い場合は変換サービスは一考に値します。

■想定コスト
初期費:10万円~
月額:10万円~

動画変換

(4)画像変換

■概要
携帯サイトで表示可能な画像の容量は限られています。また、少し古い端末と最新の端末では表示可能な容量が大きく違います。それを最適化して表示してくれるサービスが画像変換ASPです。

■利用基準
画像を多く利用し、最大の解像度で表現したいサイトであったり、画像をPCと共有していて、携帯向けの画像を用意することが困難な場合には導入を検討します。
また、ページ変換ASPを利用している場合には、画像変換もセットで導入されていることもあります。

■想定コスト
初期費:数万円~
月額:数万円~

画像変換

(5)メール配信ASP

■概要
携帯電話向けにメールを送信する場合には、送信数が多い場合にキャリアブロックなど、PCではない問題が発生します。
配信数が多い場合にアドレスなしエラーなどが一定数を超えるとキャリアブロックを受けます。
キャリアブロックを受けた場合には、SMTPサーバーが自動リトライを繰り返し、メールの到着が遅延します。
※携帯メールは深夜に着信したりすると、クレームの原因になりますので、注意して下さい。
エラーメールの処理やキャリア別送信数の設定など、携帯メール配信を提供してくれるのがメール配信ASPです。

■利用基準
弊社の経験則では、10000通を超える配信になると、自社サイトからの配信で不都合が多くなってきます。
また、エラーメールの処理は何通でも必須ですので、エラーステータスの処理が出来ない場合には、ASPの利用を前提にしても良いと思います。
メール配信の分野では、大手サイトでもASPの利用が盛んですし、メール作成管理画面などもASPでは充実していますので、メールを定期的に送る予定であれば、ASPの利用は一考に値します。

■想定コスト
初期費:数万円~
月額:数万円~

メール配信ASP

鉄則18 サーバーはこう選ぶ!

携帯サイトを開発する際に、本番公開するためのサーバーをどうするか、考える必要があります。
自社で開発したサイトを公開する際に以下の3パターンがあります。

(1)共有レンタル

静的なファイルが多く、小規模なサイトで利用します。
DBなども共用になり、多くの部分で機能が制限されます。サーバーとやり取りするプロトコルはFTPのみの場合が多いです。

(2)専有サーバーレンタル

自由な機能を使いたい中規模サイトに適しています。
1台専有ですので、ほぼ自由に機能を開発することが出来ます。SSHなどでログイン出来、リモートで作業することがほとんどです。

(3)データセンター区画利用

大規模なサイトで利用します。データセンター内でラックを借りてサーバーを設置します。
サーバーの選定、設置から実施します。冗長化やロードバランシングをする場合には、この構成が必須になります。

サーバーはこう選ぶ!

鉄則19 テストはこうする!

携帯サイトでは実機テストは避けて通れません。このとき、どの端末でテストするかは非常に重要です。
キャリア、世代、メーカーでばらけさせ、最低でも1キャリアにつき3機種はテストします。
各キャリアで仕様が変わるところは以下のタイミングです。最低でもこの区切りでは別々に試す必要があります。

■docomo
i-modeブラウザ1.0とi-modeブラウザ2.0

■au
KCP+以前とKCP+以降

■SoftBank
SoftBank以前(Vodafone)とSoftBank

テストはこうする!

社内で携帯端末があればいいですが、たいていの場合、検証出来る端末がそろっていることは多くありません。
その場合に以下の方法で対応します。

1)外部のテスト会社に依頼する。

外部のテスト会社に依頼する方法です。基本的にテストは開発した本人以外が実施することが望ましいので、この方法はお勧めです。
外部のテスト会社であれば、携帯端末も保有していますので、指定した機種でテスト出来るでしょう。
この場合は自社で正確なテスト項目を用意しておくことが肝心です。
何を試せばいいか、などコミュニケーションの面でオーバーヘッドが発生することもありますので、頭に入れておきましょう。

2)キャリアの検証センターに出向いてテストする

もし、あなたの会社がキャリアの公式CPであるなら、キャリアのコンテンツ検証センターが利用可能です。
都内限定ですが、全ての機種で無料でテスト可能です。
1回に予約出来る時間が限られていますので、あらかじめ何をやるかを決めていくようにしましょう。

3)携帯端末貸し出しサービスを受ける

携帯電話の貸し出しサービスというものがあります。
郵送のサービスなどもあり、どうしてもその端末でテストしたい場合には有効です。
ただし、1日あたりの貸出料が基本料1万円前後~+1日1万円程度かかりますので、高価です。

どうしても端末が集められない場合でも、最低でも前ページの区切り程度のテストをしておく必要があります。
弊社でもauのKCP+以降の端末だけで出るエラーやi-modeブラウザ1.0でのみ出るエラーなどの経験があります。

鉄則20 公式化対応はこうする!

携帯サイトで集客するために、サイトを公式化することがあります。
その際に最低限必要な修正と対応は以下の通りです。

公式化により機能を追加しない場合でも必要な作業になりますので、公式化を考えている場合には予定しておきましょう。

(1)対応端末の明確化

公式サイトでは対応端末の明確化が必須です。非対応端末には非対応端末ページを用意する必要があります。
対応端末に指定した端末は例外なくアクセスし、サービスが利用可能であることを求められます。
サイトサービス開始前のキャリアからのサイトチェックで指摘を受けることが多いのもこの部分です。
また、旧端末でテストしていなくて非対応ページが表示されないことも起こりがちですので、必ず旧端末を使ったテストをしましょう。

(2)商標に関わる修正

各キャリアが商標を持っているサービス名がサイトにある場合はキャリア別に表示分けする必要があります。
例えば「デコメール」という表記をau端末で出してしまうとキャリアチェックでNGとなりサイトオープンすることが出来なくなります。
※auでは「デコレーションメール」
その他でも各キャリアでレギュレーションが違う部分はキャリア別に修正をする必要がありますので、公式化の申請担当者によく確認して下さい。

(3)マイメニュー登録

docomoの場合、マイメニュー登録のメニューを作成する必要があります。
マイメニュー登録の機能自体はキャリアの仕様書に沿って作成すれば問題ありませんが、事前にテストサイトの申請をしておかないとテストすることが出来ません。
忘れずにテストサイト登録をし、マイメニュー登録などの検証を実施しておきましょう。

公式化対応はこうする!

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