「目指すのは“脱・ガラケー”スマホサイト設計は柔軟な頭で」タイトル

2012年6月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆88時間目
「目指すのは“脱・ガラケー”スマホサイト設計は柔軟な頭で」

皆さんこんにちは、飯野です。先日、電車の中吊り広告で、中高生に人気のアイドルグループを使ったゲームの宣伝を見かけたのですが、そこには「ケータイでも、スマホでも。」の文字がありました。つい1年ほど前までは、中高生はまだガラケーでスマートフォンは浸透していない、というのが我々の感覚でした。しかし、2012年1月の電通の調査によると、この1年間にスマートフォンの利用率が最も伸びたのが10代だそうです。今は広告でも、「ケータイに対応しています」だけでは振り向いてもらえない時代になってきていると感じます。
さて今回は、最近のスマートフォンに最適化されたショッピングサイトを例に、スマートフォンならこれだけ使いやすくできる、というガラケーとの違いに着目していきたいと思います。



ガラケーでは2クリック、スマホなら1クリック

図1)多機能のヘッダー、フッター

図1を見てください。これは詳細検索画面ですが、左の画面で「すべてのカテゴリ」のプルダウンを変更すると、右の画面のように自動的に次の項目が現れます。これはガラケーでは出来ない技術です。ガラケーでは、プルダウンで項目を選択した後、「決定」等のボタンを押して別のページに遷移するというステップを踏まないと、別の項目が現れることはありません。そのためスマートフォンよりも余分に1クリック必要になる訳です。 スマートフォンではこのように、画面を増やすことなく操作することが出来るため、ユーザーが待ち時間でストレスを感じることが少なくて済みます。検索だけでなく様々な箇所でこのような操作の短縮が出来れば、最終的に購入完了するまでの時間はかなり縮まるはずです。もちろん、ガラケーをそのまま変換しているだけでは、こうはいきませんので、やはりスマートフォン向けの「最適化」が必須だと言えます。
また、最適化する際には誰にでも分かるようにすることがルールです。ガラケーと違って色々なことが出来る分、逆に分かりにくくならないよう、誰が見ても分かるようにシンプルに作りましょう。図1のサイトは、スマートフォンの操作性を上手く活かせている例だと思います。ただ、プルダウンやチェックボックスの大きさが指サイズよりも小さくて押しにくいのが惜しい点です。この辺りは、まだガラケーの感覚が抜け切れていないように感じます。このプルダウン、チェックボックスを大きく表示させるだけで、コンバージョンが上がるのではないでしょうか。

ポップアップで素早く表示、ストレス減

図2)現在の画面の上に検索画面が現れる。

図2を見てください。図1のサイトもそうですが、「検索」を押すとページが変わるのではなく、既に表示している画面の上に重なって、上から伸びてくるようなポップアップで表示されます。ポップアップは、読み込み時間を軽減できる、PCやスマートフォンならではの機能です。使いやすく感じるスマートフォンのサイトは大抵このポップアップが活用されています。
また、検索は常に使われる機能ですので、ユーザーが分かりやすい所に置いておく必要があります。このように商品画面のヘッダーに常に検索ボタンを表示させておき、すぐ使えるようにするのが良いでしょう。 このように、ガラケーでは端末仕様や容量制限のために実現が難しい機能も、スマートフォンでは実現できます。これまでガラケーサイトを作ってきた担当者がスマートフォンサイトを作ろうとすると、スマートフォンの特性を活かしきれていないチープなサイトになりがちです。本当に使いやすいスマートフォンサイトにするためには、ガラケーにとらわれない柔軟な頭で、PCサイトや他社のスマートフォンサイトをたくさん見て参考にしたほうが良いと思います。

スマホの検索は「1ページで完結」が基本

図3)アイテムの複数選択が可能

図3のサイトは、検索が1ページで完結しています。こちらも図1のサイトのように、一つの項目を選ぶと、選んだ項目によって次の項目が現れるという方式ですが、ブランドやアイテムまでも1ページの中で選択できるようになっています。検索を1ページで完結させるのは、もはやスマートフォンサイトの基本と言って良いでしょう。 また、図3のサイトはさらに一歩進んで、ブランドを複数選択できるようになっています。似たようなテイストのブランドを比較したい場合、一つのブランドしか選べない状態だと、ブランド毎に何度も検索に戻って操作しなければなりません。複数選択にすれば一度で済み、購入までの手間が少なくなります。また、このサイトはブランドだけでなく、アイテムの選択でも「コート」や「ワンピース」などを同時に選択することができるようになっています。1ページで検索できるサイトは出てきていますが、複数選択まで便利に考えられているサイトは、まだあまりないと思います。

文字入力はできるだけさせないこと

図4)価格帯の入力

最後に、ガラケーとスマートフォンの違いではなく、ガラケーで面倒なことはスマートフォンでも面倒である、という例を挙げたいと思います。色々なショッピングサイトを見ていて、検索で価格帯を指定する項目で、図4の左のサイトのように、○円~○円と金額を手入力させているサイトがいくつか見受けられました。ここでユーザーには、①自分で金額を考える、②手入力する、という2つのストレスが発生します。一方、右のサイトは価格帯がプルダウンで予め入っているので、どちらのストレスもありません。さらに詳細に価格を指定したい場合はプルダウンの下に手入力で金額が設定できる欄があり、必要であれば入力してもらう形になっています。 ガラケーからスマートフォンに機種変更をした直後の、文字入力のしづらさを思い出してみてください。スマートフォンでも、文字入力はできるだけさせないことが基本です。スマートフォンの高機能な面を追うことも大事ですが、このような点にも気を使っていきましょう。


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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