「ガラケーで出来なかったことを、スマホでいかに実現していくか」タイトル

2012年5月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆87時間目
「ガラケーで出来なかったことを、スマホでいかに実現していくか」

皆さんこんにちは、飯野です。4月は年度の変わり目ということで、公式サイトの登録数が増える時期です。ドコモとauでは昨年の後半からスマートフォン向けメニューリストが展開されていますが、キャリア担当者によると、サイト数はこの春にぐっと増えたそうです。また、サイトに対するキャリアからの要求も以前よりもシビアになってきています。例えば、「スマートフォンで見た時に行間が狭すぎる」、「○○のページが最適化されていない」など、スマートフォンサイト提供当初は何も言われなかったことも、最近は指摘されるようになりました。今のキャリアの判断では、スマートフォンサイトはガラケーと同じように使えるだけでは不合格だということです。2011年までは、「スマートフォンに対応すること」でOKでした。しかし2012年は、「ガラケーでは出来なかったことをいかに実現するか」が重要なテーマになってきていると感じます。具体的にはどのようなことなのか、実現できているサイトを見ながら勉強していきたいと思います。



スマホなら多機能でもすっきりと表示

図1)多機能のヘッダー、フッター

フッターは全ページに共通するものなので、サイト全体の使い勝手を左右する重要な部分であり、また、スマートフォンとガラケーで大きな違いが出る部分でもあります。ここ数年はガラケーでも、端末の進歩により1ページに表示できる容量が増えたため、フッターに色々なコンテンツを盛り込んだサイトをよく見かけるようになりました。しかしガラケーでフッターを充実させようとすると、どうしても、だらだらと長くなってしまうのが悩みでした。それが、スマートフォンでは一気に解消されます。図1のサイトAを見てください。このサイトはフッターのみならずヘッダーも充実しているので例としました。まずフッターから見てみましょう。
SNSやアプリへのアイコンが配置されています。アイコンだとこのようにすっきりと表示でき、ガラケーでのリンク表示のように場所を取ることがありません。アイコンだけで表示する際に注意しなければならないのは、ひと目で見て分かるものをアイコンにするということです。このようにFacebookやTwitterであれば、スマートフォンユーザーは誰でも分かるので問題ありません。

PCサイトへのリンクを表示

また、フッターのアイコンの下には、よく使われるリンクが表示されており、スマートフォンらしくタップしやすいデザインになっています。その中には「PCサイト」という表示があります。このPCサイトへの動線は、サイトBのフッターにもあります。私自身がそうなのですが、携帯サイトで買い物をする際、PCサイトの情報も見られるのであれば見たいと思い、時間があれば拡大してじっくり見たりもします。また、スマートフォンだけでなくiPadでも表示する場合があるので、iPadの画面の大きさで表示されることを考慮して、PCサイトも見られるようにしておいたほうが、より多くのユーザーの購入モチベーションを失わずに済むのではないでしょうか。最近はほとんどの大手ショッピングサイトには、PCへのリンクが付いています。

検索窓は全ページに設置

次に、サイトAのヘッダーに注目してみましょう。サイトAではヘッダーに検索窓があるので、一度トップページへ戻ってから検索窓に行くという手間が省けます。これもガラケーでは、全ページに表示させるとなるとページ容量が重くなり読み込みが遅くなるなどの課題があり、実現は難しかった機能です。また、ヘッダーでもよく使われるコーナーのリンクがアイコンで表示されています。アイコンといい検索窓といい、PCで言うと常に表示されているツールバーのような感覚で使えるので、この点はガラケーよりもPCサイトの感覚に近いと言えるでしょう。スマートフォンへの最適化は、これまでのガラケーの形式にこだわらず、PCとガラケーの「いいとこどり」、もしくは全く新しいスマートフォンならではの発想が必要なのだと思います。

スマホではSNSへの共有ボタンは必須

サイトA、B両方に共通するもう一つの点が、SNSへのボタンです。SNSへの動線はスマートフォンには必須です。現在、SNS(特にFacebookとTwitter)はスマートフォンによって急激に普及しています。mixiやGREEも一部のユーザーには使われているようですが、大手ギャル系ファッション通販サイトの調査によると、まだ高校生や専門学校生はmixiを使っているが、彼らが社会人になればFacebookに移行していくだろうという見解でした。それは、今の10代はまだガラケーを使っているが、急激にスマホに移行しているということでもあります。これからSNS機能を付けるのであれば、FacebookとTwitterを押さえれば他はほとんど不要だと思います。

商品詳細ページは画像中心で構成

図2)画像を多用した商品詳細

スマートフォンでは、ガラケーにはできなかった、画像をふんだんに使うということができます。これを商品詳細ページに活用しましょう。図2を見てください。これはA、B、Cとも1つの商品詳細ページの一部です。実際の商品詳細ページはこの4倍くらいの情報量で構成されています。画像が多用されており、特にAの商品画像については、スピーディーに見たいときには横スクロール、じっくり見たいときには、その下のサムネイルをタップすると拡大できる画像が表示され、細部やサイズ表をチェックすることができます。ここまでくるとガラケーよりもPCサイトの情報量に近いです。ユーザーは情報(画像)が多ければ多いほど納得して買うことができます。
また、Cの在庫一覧では、サイズがプルダウンで選べるようになっており、サイズを固定した時点でページが自動更新されるようになっています。ガラケーであれば「プルダウンでサイズを指定」⇒「決定ボタン」という2ステップを踏むところを、スマホでは1ステップで出来ているという訳です。


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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