「売上の上がらないスマホサイトはどこが悪いのか?検索編」タイトル

2012年4月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆86時間目
「売上の上がらないスマホサイトはどこが悪いのか?検索編」

皆さんこんにちは、飯野です。スマートフォンの販売台数が2012年3月末で2,000万台を超えると言われています。これは携帯を持っている約3人に1人がスマートフォンの状態です。もはや、スマートフォン対応をガラケーの片手間でやっている場合ではありません。とはいえ、スマートフォンサイトのどこから手を付けてよいのか分からない、という方も多いと思いますので、まずは主要部分から改善していきましょう。今回は、「検索」について考えていきたいと思います。



ガラケーと同じでは使いにくい

検索結果を「安い順」、「高い順」、「新着順」などに「並び替え」をする機能ですが、スマートフォンではサイトによって様々な見せ方がされています。
図1を見てください。まずサイトAですが、「並び替え」の項目はテキストリンクになっており、ガラケーをそのまま変換していると思われます。これまでガラケーサイトを使ってきたユーザーであれば、使えないということはないと思いますが、今後はスマートフォンから使い出すユーザーも増えていきます。そのような新規ユーザー定着させていくことは、このままでは難しいでしょう。1年前ならガラケーと同様に使えていればOKでしたが、スマートフォンに最適化されたサイトがどんどん出てきている今、ガラケーをそのまま表示しただけのサイトでは、いずれ競争に勝てなくなってきます。
サイトBでは、「並び替え」はプルダウンになっています。プルダウンはスマートフォンでは大きく表示されるので、ガラケーのように文字数を気にする必要がなくて良いのですが、このように項目が短くて3つしかない場合、プルダウンにする必要はないでしょう。サイトCのように、ボタンにしたほうが早く選べて使いやすいと思います。ただし、サイトCのボタンは、指に合わせてもう少し大きめにしたほうが良いと思います。

図1)各社スマートフォンサイトの検索結果「並び替え」画面

ポップアップ、開閉式メニューで快適に

次に、サイトDを見てください。「並び替え」はボタンになっており、押すとポップアップが表示されます。ポップアップなので画面を読み込む時間も気になりません。項目はボタンで画面いっぱいに表示され、ボタンの大きさや間隔も丁度良く、明らかに指で押しやすいサイズを考えて作られています。ガラケーそのままの表示とは全く違いますね。これが、スマートフォンに最適化されたページです。サイトEも、スマートフォンならではの開閉式メニューで「並び替え」を表現しています。これも読み込み時間がかかりませんし、不要なときは閉じたままなので場所も取りません。
ポータルサイト最大手である某企業の調査では、ユーザーの9割が「スマートフォンに最適化されたページの存在を知っている」という結果が出たそうです。また、別の調査では「スマートフォンECサイト利用者の半数はモバイルからの購入経験が無い」という結果も出ています(IMJモバイル)。このことからも、今後はガラケーと同じように使えることよりも、いかにスマートフォンで最適化されているかが重要になってくると思います。

ニーズに応えつつも、作りこみ過ぎに注意

一方、サイトFでは「並び替え」ではなく「表示方法の変更」というボタンになっており、詳細な指定ができるようになっています。通常のショッピングサイトならここまで細かい機能は必要ありませんが、サイトFのように、カラーや商品タイプが検索の重要なポイントとなる場合は、親切な機能だと思います。なお、サイトFでは本来の並び替え機能として、この「表示方法の変更」画面の最後に「表示順」の項目があります。本当に並び替えだけをしたいユーザーのために、この項目だけを別にして、検索結果画面にボタンを付けてもいいかもしれません。このようにヘヴィーユーザーのニーズに答えつつも、シンプルな方法も残しておくという方法もあります。どの層に最もアプローチしたいかによって、この辺りは変わってくると思います。

その工夫は本当にユーザーのためになるか?

図2)アパレルサイトの「ブランドから探す」画面

アパレルサイトなどでよくある「ブランドで探す」という検索方法ですが、これも、スマートフォンでは色々な表示方法が可能なので、サイトによって色々と工夫がなされています。ただし、その「工夫」がユーザーにとって本当に役立っているのかを考える必要があります。 図2を見てください。サイトGでは、「MEN’Sブランドから探す」というボタンを押したらこの画面が出てきました。私はブランドをよく知らないので、突然「アイウエオ…」が表示されても、どうしたらいいのか分かりませんでした。「アイウエオ…」がボタンになっているのは非常にスマートフォンらしい表現だとは思いますが、ブランド名を最初から正確に知っている人にしか使いこなせない気がします。 その点、サイトHはブランド名をアルファベットとカタカナの両方で全て表示しています。使ってみると、とても楽です。洋服のブランド名というのは、うろ覚えだったり、ブランド名を見て初めて「聞いたことあるけど、どんなブランドだったっけ?」と思ってチェックしたりすることが多いものですが、このサイトはそんな風にぼんやりしながらでも使うことができます。この「ぼんやりと使える」ことが、ガラケー時代から変わらないケータイサイトの重要ポイントです。ユーザーは基本的にいつでもケータイから離れられる状態なのですから、迷わせたり頭を使わせたら即、離脱されると思ってください。


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
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