「売上の上がらないスマホサイトはどこが悪いのか?文字・画像編」タイトル

2012年2月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆84時間目
「売上の上がらないスマホサイトはどこが悪いのか?文字・画像編」

皆さんこんにちは、飯野です。手がかじかむ季節になってきましたが、最近よく見かけるのが、手袋を着けたままiPhoneなどを操作できる「タッチパネル対応手袋」です。手袋ですらスマートフォン対応しているのですから、まだ対応していない企業は焦りましょう。前回、「スマートフォンのコンバージョンがガラケーよりも低いサイトは間違っている」と書きました。今回は、そのようなサイトは具体的にどこが間違っているのか?を見ていきたいと思います。



スマホの文字は大きめに、行間は十分空ける

図1)文字の大きさが選べるサイト

スマートフォンに対応しているサイトを使っていて、ユーザーが使いにくいと感じる原因のほとんどは、文字と画像にあります。ガラケーサイトをそのまま表示させるのではなく、スマートフォン向けに作りこみが必要だと覚えてください。まず文字が小さいのはNGです。最低でも「拡大しないで読める大きさ」が必要です。スマートフォンは、ガラケーのように文字を小さくしたり半角にしたりして表示容量を節約(パケット代を節約)する必要はありません。
また、スマートフォンで半角カタカナを表示しているサイトを時々見かけます。恐らくガラケーからスマートフォンへ自動変換をかけているのだと思いますが、いかにも「ガラケーを変換しました」という感じの見た目はどうしてもチープな印象を与えてしまいますので、できるだけ全角に直すようにしましょう。参考までにですが、一歩進んだサイトの例が図1です。文字の大小が選べるようになっていて便利です。
行間にも注意してください。ガラケーでは行間が空いていないサイトが多いですが、スマートフォンでは行間をゆったり取りましょう。特にリンクテキストの行間は十分に空けることが重要です。リンクとリンクの間が狭くて押し間違えてしまうサイトがけっこうあります。これはユーザーにかなりのストレスを与えますので、細部まで注意する必要があります。

指より小さいボタンはNG!

図2)ボタンの大きさ、行間の違い

文字と同様に、ボタンの大きさも使いやすさを左右する大きなポイントです。「買い物かごへ」、「購入する」などのボタンは、ガラケーではどのサイトでも同じようなデザインでしたが、スマートフォンではデザインの幅が広がりますので、押しやすいボタン、押しにくいボタンがはっきり分かれます。ユーザーは少しでも使いにくいと「このサイトで買わなくてもいいか」と思って別のサイトに行ってしまいますので、デザインはガラケー以上に重要です。
図2を見てください。どちらもショッピングサイトの検索機能です。サイトAではボタンが大きく、プルダウンメニューやテキストボックスとも幅が揃っており、指で押すのに十分なサイズになっています。また、行間も広めに取られているので押し間違いが少ないはずです。
一方、サイトBのボタンは小さく、大きさも揃っていません。ボタンが指の幅よりも狭いので押しにくく感じます。ボタンの中の文字も、大きさ自体はサイトAと変わらないのですが、カタカナが半角のためチープに見えます。サイトBはこの時点でコンバージョンが相当落ちていると想像できます。

拡大に対応できる、高解像度の画像を用意

画像の拡大は、スマートフォンだからできる便利な機能ですが、ショッピングサイトで画像を載せているのに拡大できないサイトがあります。画像の上で親指と人差し指を動かしても画像がいっこうに拡大されない、そんなストレスを皆さんも感じたことがあると思います。
スマートフォンで拡大画像を見せるには、ガラケー用の画像をそのまま使うと粗く表示されてしまいますので、PCと同じくらいの高解像度の画像が必要です。この高解像度の用意がなかなか難しいとは思いますが、スマートフォンで商品画像を見るとき、拡大したい願望がユーザーには必ずあります。なんとかここでひと手間かけて、売上アップを目指したいところです。

複数画像は横スクロールで見やすく

図3)複数画像は横スクロールで表示

スマートフォンで複数の画像を表示する場合は、図3のように横スクロール機能を活用すると、使いやすくデザイン性の高い画面になります。図3のサイトでは、左右の矢印で隣の画像に移動できます。また、画像の下のドットの表示により、今自分が横スクロールのどこを見ているかを把握することができます。直感的に操作でき非常にスムーズです。ガラケーのように、複数の画像を別ページにリンクで表示させると、そのページが表示されるまでの待ち時間が発生します。それを横スクロールにより短縮することでコンバージョンが上がるという訳です。

スマホ最適化は最初から100%でなくても良い

これまでいくつかの企業のスマートフォン対応をお手伝いさせていただいてきて感じたことは、最初から全てのページを100%最適化させる必要はないということです。今回紹介したような文字や画像の最適化は、商品ページや購入導線などの主要ページから行い、会社概要や過去のコンテンツなどは、順次フェーズを分けて対応していけば良いと思います。商品がしっかり見られて探せて、購入が出来ることが第一です。Yahoo!や楽天などの大手でも、最初は一部のページはPC版で表示されていたと記憶しています。
スマートフォン成長期の今、細部に時間をかけていては、確実に競合他社に遅れをとってしまうでしょう。それよりも今は、今回紹介したようなポイントを押さえつつ、スピードを優先するべきです。私がとにかく言いたいのは、早くスマートフォンに対応しましょう、ということです。今マスコミはスマートフォンを褒めちぎり、セミナーへ行けば大企業がスマートフォンサイトの実例を講演していますが、実際は「ごく一部の大企業しかスマートフォン対応していない」という状況です。12月号で書きましたが、ドコモのガラケー公式ショッピングサイトですら、半分以下しかスマートフォンに対応していない状態です。何故このような状況かというと、ガラケーはiモードが始まってから既に12年が経過しているためサイトを作れる開発者が余るほどいますが、スマートフォンはまだ2年ほどしか経っておらず、サイトを作れる人材が少ないためです。それでも、まずは手探りでもスタートして経験を積んでいったサイトが、数年後のスマートフォン全盛期に勝ち組になるのだと思います。


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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