「リアル店舗でそんなことしますか?売上の上がらない理由に気付こう」タイトル

2012年1月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆83時間目
「リアル店舗でそんなことしますか?売上の上がらない理由に気付こう」

皆さん、明けましておめでとうございます。飯野です。今回は2012年の最初ということで、携帯サイトの基本に立ち返ることから始めたいと思います。



「実際のお店と違う所」がサイトのネック

携帯ECサイトの作り方は「実際のお店と同じ買い方ができること」が大前提です。例えば実際のお店では、入店したお客様は自由に退店しても構わないし行きたい売り場に自由に行けば良いのです。ところが携帯サイトの場合、お客様は目的の売り場に行くまでに様々なページを経由させられてしまうことがあります。また、「購入経路」、つまり実際のお店で言えば「レジ」の複雑なサイトのなんと多いことか。このように実際のお店に当てはめて考えると、改善点は自ずと見えてきます。
多くのサイトでは会計をする際に、「会員登録」、「クレジット入力」、「配送先の登録」などの手順を踏まなければならない状態になっています。しかし、実際のお店で「会員登録しないと購入いただけません」や「住所を書いてもらわないと困ります」などと店員がお客様に言うことはあり得ませんね。このようなサイトでは、実際のお店と同じ買い物が成り立たないということに気付かなければならないのです。「会員登録」や「住所入力」などをレジの前でお客様に入力させるということはお客様の負担になり、「嫌だ」と思ったお客様は離脱していくことになります。つまり売上が上がらないサイトになります。ではこうした問題をどうすべきなのでしょうか。例えば次のような解決方法が考えられます。
・「会員登録」をしなくても買い物ができるようにする。まず買っていただくことが先決。「会員登録」は購入後に促す。
・住所入力を極力簡単、短時間でできるように改善を行う。
・メールアドレスの確認項目(「もう一度入力してください」)を無くす。
特に止めてほしいのは、購入完了の前にアンケートを必須としているようなサイトです。これも実際のお店ではあり得ないことです。買い物をする時にいちいち「性別は?」、「職業は?」、「既婚ですか?」などと聞く店員がいるでしょうか。アンケートは会計が済んだ後のメルマガで取ってしまえば済むことです。日頃から買い物をしているVIP顧客ならば喜んで回答してくれるでしょう。他にも注意すべき点がいくつかあります。
・退会は自由にできなければならない。
・メルマガを出しすぎてはいけない(実際のお店が大量にDMを送ってクレームになるのと同じ)。
・「お問い合わせ」は分かりやすい所になければならない(実際のお店ではすぐ店員に聞くことができる)。
などです。とはいえ、実際のお店と完全に同じとはいかないのが携帯サイト。このようにお客様の負荷を極力減らしていくようにすれば、少なくとも「入力するのが嫌!」から「仕方ないから入力しよう」にはなっていくでしょう。

商品名だけではNG。一目で分かるサムネイルを

皆さんのサイトでは、コンビニのように、商品名だけで何だか分かるような物ばかりを取り扱っている訳ではないと思います。むしろ逆で、商品名だけでは違いが分からないような、何かのジャンルに特化した商品を扱っているサイトがほとんどだと思います。そのようなサイトで、商品名だけでなく商品の表示が「商品名」だけになっているページはないでしょうか?
サイトには商品名だけでなく、「サムネイル写真」や「商品の説明文」など、商品が分かるための情報を必ず載せるようにしてください。一体何の商品なのかが分からなければ、お客様はリンクを押してくれません。つまり商品名だけを載せてもほとんど意味はありません。特に商品の検索結果ページや商品一覧ページでは、このような状態になりがちです。
まず有効なのは、お客様が一瞬で何かを理解できる商品画像です。検索結果や一覧ページでは、大きい画像だと画面をスクロールするのに時間がかかるので、サムネイルを載せましょう。
1ページに表示させるサムネイルの数は、10個程度を目安と考えてください。1ページ100KBが携帯サイトの容量の限界だと覚えておきましょう。これよりも容量が大きいとページの途中で切れてしまったり、画像が「×」と表示されてしまったりすることがあります。ただし、容量が100KB一杯で表示スピードが若干(0.5秒程度)遅く表示 されても 気にしてはいけません。情報が少なく表示が早くてサクサク動くサイトよりも、情報がたくさんあって分かりやすいサイトの方が今はお客様に支持されるのです。

使い手を想像した説明文を載せる

また、写真だけでは商品の違いがわからない事もありますので、その場合は写真だけにこだわらず、お客様が商品を判別できる「説明文」が重用になってきます。例えばベビーカーであれば「幌が取れるかどうか」「何歳まで使えるのか」「どのくらいの体重まで使えるのか」など、見た目(写真)では判断できない情報を分かりやすく記載することが必要です。文章だけでなくアイコンなどで表示するとさらに分かりやすくなります。
文字で表現する時に注意してほしいのが、「一瞬で意味が分からない言葉は使ってはいけない」ということです。よくあるのが、押していいのかどうか分からないボタンです。安易に使いがちな「次へ」などは要注意です。サイトの一言一句、画像、ボタンの一つ一つが、パッと見た時にお客様が理解できるようなものでなければ駄目なのです。
サムネイルや文章、アイコンがうまく使われていて参考になるのは、dwango.jpやmusic.jpなどの大手着うたサイトです。サムネイル使用数が多く、どんなアーティストの着うたなのかがアイコンで分かりやすく表示されています。容量(100KB)以内で、どの程度のサイトのデザインに出来るのかの指針にもなるでしょう。売上を伸ばしているサイトを見ていると必ず発見があります。EC以外のサイトに意外なヒントが隠されていることがあるので、普段から色々なサイトを使ってみましょう。

スマホのCVRが低いサイトは間違っている

最後にスマートフォンについて。スマートフォンも基本的な考え方は携帯サイトと同じですが、まず「PCサイトが表示できているからいいだろう」という考えは捨ててください。今や、従来型の携帯ECサイトとスマートフォンECサイトでは、スマートフォンのCVRのほうが高くなっています。スマートフォンのほうが従来型携帯と比べて「画面が大きい」、「写真が綺麗」、「文字が読みやすい」、「操作がしやすい」などの利便性が高いからです。ただしこれは、きちんとスマートフォンに合わせてチューニングをかけたサイトに限った話です。PCサイトや携帯サイトをそのままスマートフォンに表示しているだけのサイトでは上記に挙げた利便性が確保できないため、CVRは低いままです。そのため「スマートフォンサイトはCVRが低い」と勘違いしている企業も中には存在します。「チューニングをかけた」サイトのPCサイトと携帯サイト、スマートフォンサイトを見れば、その違いは一目両全です(図1)。
2015年にはスマートフォンの数が従来型携帯を上回ると予想されています。今年はこの連載でも、よりスマートフォンにスポットを当てて行きたいと思います。
図1)PCサイトをスマートフォンで表示・スマートフォンサイト・携帯サイト


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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