「携帯キャリアがスマートフォン向けポータルサイトを開始。どうなるECサイト」タイトル

2011年12月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆82時間目
「携帯キャリアがスマートフォン向けポータルサイトを開始。どうなるECサイト」

皆さんこんにちは。飯野です。先日、この冬春の携帯電話の新商品が各社から発表されましたが、半分以上がスマートフォンでした。都内で通勤電車に乗ると、周りの9割ぐらいがスマートフォンです。しかし都内から一歩出て千葉あたりまで行くと、こちらはまだ従来型ケータイの率が高い。EC企業にとっては、スマートフォンも従来型ケータイもカバーしなくてはならないという今が一番大変な時期かもしれません。
さて、皆さんもご存知のとおり、従来型ケータイには各キャリアのポータルサイトがあり、そこに各企業の公式サイトが掲載され優遇されてきましが、今秋からはついに、スマートフォンでも同様のポータルサイトが登場しました。KDDI(au)が10月、ドコモが11月より開始となっています(ソフトバンクは未定)。従来型ケータイでは11年前のiモードの登場が携帯インターネットの全ての始まりだったのに対し、スマートフォンでは既にユーザーがインターネットを使いこなしている事を考えると、このタイミングでの「スマートフォン向けポータルサイト」の登場は遅すぎたようにも感じます。
キャリアの目的は何なのでしょうか。また、従来型ケータイでキャリア公式サイトだったEC企業のスマートフォン対応状況は、どのようになっているのでしょうか。現状を見ていきたいと思います。



ドコモは「iメニュー」が「dメニュー」に

図1)ドコモのスマートフォンポータルサイト

ドコモのスマートフォン向けポータルサイト(図1)の名称は「dメニュー」といい、名前も構成も従来型ケータイの「iメニュー」と似ています。この「dメニュー」のアイコンは、今年の冬モデルのドコモのスマートフォンのブラウザ起動画面に最初から搭載されます。
「dメニュー」に入るとまず目に付くのが「マイメニュー」と「メニューリスト」です。ここから、ドコモがスマートフォンでも公式サイトを優遇していこうとする姿勢が見て取れます。この原稿を書いている時点ではまだドコモのポータルサイトはオープンしていないのですが、この「メニューリスト」には約700社による3,600サイトが掲載される予定です。現在の「iメニュー」が約24,000サイトあるので、単純計算で「iメニュー」の約15%のサイトが「dメニュー」にも展開していくと考えられます。

KDDIスマホ公式サイト数はドコモの7分の1

図2)KDDIのスマートフォンポータルサイト

KDDIのスマートフォン向けポータルサイトも、ドコモと同様にブラウザの起動画面にアイコンが最初から表示されます(一部端末を除く)。名称は「au one」。KDDIはPCでも従来型ケータイでもこの名称で統一していますが、見た目は従来型ケータイの「au one」とは異なり、アイコンとボタンのシンプルなデザインとなっています(図2)。
KDDIは10月にオープンしているので実際にサイト数を数えてみたところ、スマートフォン向けメニューリストに掲載されていたのは555サイトでした。従来型ケータイの公式サイト数は約12,000サイトなので、単純な割合で言うと約4%に当たりますが、実際にサイトを見てみると、従来型ケータイでは公式サイトになっていないサイトが、スマートフォン向け公式サイトとして掲載されているものもあり、必ずしも従来型ケータイからスマートフォンへシフトしたサイトばかりではないようです。
上記の数値で見ると、KDDIのスマートフォンの公式サイト数は、ドコモの約7分の1です。ドコモのほうがスマートフォンメニューに載りやすい訳では決してありませんので、キャリアがスマートフォンポータルサイトにコンテンツプロバイダを呼び込む力の入れ方の差が、ここに表れていると思います。

スマホポータル化、キャリア最大の目的とは

このように、キャリアはスマートフォンでも従来型ケータイのように「キャリア公式の土地」=「スマートフォン向けポータルサイト」を持ち始め、そこにEC企業を集めようとしています。そして、キャリア最大の目的は次の二つだと私は考えています。
1.スマートフォンでのキャリア決済利用による手数料収入
2.スマートフォン向け広告商品の販売
キャリア決済については、キャリアによってはまだスマートフォンや物販に対応していない所もあります。しかし近い将来、必ず全キャリア対応するようになります。
広告メニューについては既に従来型ケータイと同様、ドコモはディーツー コミュニケーションズ社、KDDIはメディーバ社から商品が出ており、この2社がほぼ独占市場状態です。また、スマートフォン向けポータルサイトは端末のブラウザ起動画面に最初からアイコンが搭載されており、これは従来型ケータイに「i」ボタンや「EZ」ボタンが付いているのと同じことで、ブラウザからの直接の導線として効果的にユーザーを集客できるという訳です。
ちなみにこのスマートフォンポータルサイトに載る方法ですが、従来型ケータイと同様、キャリアの審査を通す必要があります。従来型ケータイで既にキャリア公式サイトになっていれば、いくつかの書類を提出するだけで済みますが、そうではない場合、従来型ケータイでの公式申請と同等の企画書、サイト設計書の作成や申請手続きが必要になります。

大手ECサイトのスマートフォン対応状況

図3)ドコモ公式ショッピングサイト(従来型ケータイ)のスマートフォン対応状況

実際、どれだけのEC企業がスマートフォンに対応しているのでしょうか。皆さんも気になる所だと思うので、調べてみました(図3)。従来型ケータイのドコモ公式ショッピングサイト、26サイトのURLにスマートフォンからアクセスした所、スマートフォン向けサイトが存在したのは26サイト中11サイト、その中でスムーズにスマートフォンサイトに繋がったのは8サイトでした。皆さんのサイトはどうでしょうか?


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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