「スマートフォン導入時のポイントと、導入済みサイトの最新動向」タイトル

2011年4月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆74時間目
「スマートフォン導入時のポイントと、導入済みサイトの最新動向」

皆さんこんにちは。飯野です。2011年春のスマートフォン最新モデルが各キャリアから続々と登場してきています。スマートフォンの新モデルは昨年冬、そしてこの春と、各社とも1シーズンあたり3機種前後を投入しており、スマートフォン向け料金プランの値下げを発表するなど、キャリアは確実に従来型ケータイよりもスマートフォンを押し出してきています。前回このコーナーでは、1年後、2年後にはどうなっているかという話もしましたが、1年2年ではなく1ヶ月経っただけでも、周りにスマートフォンユーザーが急増しているという実感があります。前回はスマートフォン市場が今どのくらいの規模であるかを勉強してきました。今回は、スマートフォンサービスを導入する際に注意したい点や、実際に導入したサイトでどのような実績が出ているかを見ていきたいと思います。



スマートフォンは何台でテストすればいい?

スマートフォンといえばiPhone、と思っている人が未だにいます。確かにiPhoneはスマートフォン市場の先駆者であり日本のスマートフォンユーザーの中では今のところ一番使われていますが、週間の売上げ台数で見ると、2月13日時点でauのREGZA PhoneやドコモのGARAXY Sに抜かれています(GfK Japan調べ)。もはやスマートフォンサイトを作るならiPhoneだけを中心に考えていては駄目なのです。

スマートフォンに対応させるにあたり、実際に色々な機種のスマートフォンでサイトが使えるかどうか、テストを行う必要があります。その際、何種類のスマートフォンでテストを行えば良いのでしょうか。現在、日本のスマートフォンは約30機種前後発売されていますが、全機種でテストをすることは時間もお金もかかるため、大抵の場合は機種を絞ってのテストを考えると思います。ここでは何を基準に機種を絞るかが重要ですが、弊社ではブラウザとOSのバージョンによって機種を分け、最低4機種でテストを行うことを基本としています。表示させたいコンテンツの内容や重要度によって、最低4機種から10機種前後でテストを行っています。最低限の4機種は、iPhone 1機 種、Android 1.6、Android 2.1、Android 2.2です。

開発者側の感覚としては、iPhoneとAndroidは全く別物です。一方のブラウザでは正常に表示されているページが、一方ではエラーで全く表示されなかったり、ボタンやリンクを押したときの動作も全く違ったりすることがあります。従来型ケータイ向けサイトの開発では、キャリアによってテスト機種を分けるのが普通ですが、スマートフォンではキャリアではなく、上記のようにブラウザの種類で分けて見る必要があります。

スマートフォンサイトへ強制転送していい?

スマートフォン向けのサイトを作ったら、それを適切な端末に適切に見せるための設定を行います。例えば、スマートフォン用サイトのURLに、スマートフォンからアクセスされた場合は問題ありませんが、ケータイやPCからアクセスされた場合、それぞれの端末に合ったURL(PCサイト、ケータイサイト)に転送する必要があります。また逆に、スマートフォンからPCサイトやケータイサイトのURLにアクセスされた場合、スマートフォン向けのサイトに転送する必要があります。

図1)デバイス別転送設定の例

それぞれの転送パターンは多数存在しますので、図1のように整理して設定しておくのが良いでしょう。

また、ここで出てくる一つの疑問として、「スマートフォンには強制的にスマートフォン向けサイトを表示させて良いのか?」というのがあります。ご存じのとおり、スマートフォンではPCサイトを見ることができ、それがスマートフォンのスマートフォンたる所以でもあります。そこへ、スマートフォン用サイトができたからと言って、スマートフォンからのアクセスは全てスマートフォン用サイトへ強制的に転送しても良いのでしょうか?

図2)「スマートフォン専用サイトはこちら」表示

答えは、その企業の戦略によります。スマートフォンサイトがPCサイト並みに充実しており、ユーザーが同様の情報を得られる場合。また、戦略的にスマートフォンサイトへ誘導したい場合は、スマートフォンへ転送しても良いと思います。しかし、そうではない場合は、PCサイトを見るかスマートフォンサイトを見るか、ユーザーが選択できるようにするのがベストだと思います。よくあるのが図2のように、最初はPCサイトを見せて「スマートフォン専用サイトはこちら」というアナウンスを表示するやり方です。逆に最初はスマートフォン専用サイトを見せて、下の方に「PCサイトはこちら」とするパターンもあります。こうすればユーザーにわかりやすくなります。また、同じユーザーが2回目以降にアクセスした場合は前回選択されたサイトを見せるようにすれば、毎回選択する手間がなくなります。

スマートフォンサイトを見せるかPCサイトを見せるか、サイトへの入り口は大変重要です。それによって最終的なコンバージョンも変わってきます。

また、転送設定はメルマガの本文からクリックされるURLに対しても同様に考慮しておく必要があります現在、メールアドレスを見ただけではスマートフォンなのか従来型ケータイなのか判断できないようになっています。例えばiPhoneのメールアドレスのドメインは少し前までは「@i.softbank.jp」でしたが、今では「softbank.ne.jp」も混在しています。メールアドレスだけでは端末が判断できなくなっていますので、一斉送信しているサイトでは、URLにどの端末からアクセスされてもいいように、転送設定で対応しておく必要があります。

スマートフォン向けでないメニューは消す

ケータイサイトを基にしてスマートフォンサイトを作る場合、ケータイでは利用できてもスマートフォンでは利用できない機能を削除、変更する必要があります。代表的なところだと、公式サイトの「マイメニュー登録」、ケータイ向けの「FLASH待受」や「デコメール」などのダウンロードコンテンツがあります。また、ケータイサイトでは長年のパケット通信節約という文化があるため、片仮名 を半角で表示しているところが多いと思いますが、スマートフォンサイトでは片仮名は全角で表示するのが普通です。これを変えるだけでテキストが見やすくなります。このように、ケータイサイトでは表示させるがスマートフォンでは表示させないコンテンツがある場合、スマートフォン変換ツールを使うという手もあります。変換ツールによっては、簡単に表示分けができるものもあります。

スマートフォン対応サイトのその後

最後に、実際にスマートフォンに対応したサイトの状況を少しだけ報告します。前回紹介した自動変換ツールを使った某スマートフォンサイトでは、スマートフォンからのアクセスは通常5%前後、スマートフォン向けの広告を出した際は10%前後まで伸びました。また他の某サイトでは、それまでPCサイトを見ていたスマートフォンユーザーに、スマートフォン専用サイトを提供したところ(この場合は強制転送)、1訪問あたりのPVが倍に伸びたという結果もあります。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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