「今できるモバイルサイトのスマートフォン対応」タイトル

2011年3月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆73時間目
「今できるモバイルサイトのスマートフォン対応」

皆さんこんにちは。飯野です。最近、電車に乗ると、スマートフォンをいじっている乗客が本当に増えたと思いませんか?女性誌「an・an」2011年1月号では「女子にやさしいスマートフォンは?」という特集が約40ページも組まれていました。数年前までは「新し物好き」の玩具だったスマートフォンはいまや完全に一般層にまで普及し、ネット通販企業もスマートフォンを避けては通れない時代がやってきたと言えます。今回は、ネット通販企業がまず知っておくべきスマートフォンの現状と、サイトをスマートフォンに対応させる方法を勉強していきたいと思います。



今いちばん売れているのはスマートフォン

図1:国内スマートフォンの契約数推移予測

実際、スマートフォンは今どのくらい、どのような人に使われているのでしょうか。図1を見てください。2010年のスマートフォンの販売台数は、前年比77%増の386万台となっています。スマートフォンの販売台数今後5年で7倍以上に拡大し、2015年には従来型携帯電話の販売台数を逆転すると予測されています(MM総研調べ)。 スマートフォンの利用率は2009年が4%だったのに対し2010年は9%に倍増、20~40代の利用機種ではiPhoneが1位になっています(インプレスR&D調べ)。10代のスマートフォン利用はまだ少ないようですが、就職活動にスマートフォンを活用しているという話も良く聞きます。全体の傾向から見ても、10代にもスマートフォンが普及し始めるのは時間の問題でしょう。

図2:利用者の意識

次に図2を見てください。少し前までスマートフォンは携帯電話を2台持ちする人のサブ端末という感覚がありましたが、今ではスマートフォンがメインで2台持ちはしないのが普通です(インターネットコム調べ)。また、スマートフォン利用者の7割は「買い替え時もスマートフォンにする」と答えており、満足度の高さもうかがえます。スマートフォンを利用していない人のスマートフォンに対する意向の調査では、2010年度から2012年度までに利用したいという回答が8.8%、「時期未定だが、利用したい」という回答は40%に達しています(インプレスR&D調べ)。全国の家電量販店の販売ランキングでも、2010年の後半からずっと、上位10機種中7~8機種はスマートフォンが占めています(GfK Japan調べ)。

スマートフォン向けのサイトが必要な理由

2010年の後半頃から、弊社にもスマートフォンに関する問い合わせが激増しています。その内容は、「スマートフォン市場は今どうなっているのか」、「他社は対応しているか」という調査レベルのものから、中には「今すぐ対応したいが可能か」といった緊急度の高いものまでありますが、ここで少しお答えできればと思います。

まず皆さんに知っておいていただきたいのですが、ここで言う「スマートフォン対応」というのは、「PCサイトとも携帯サイトとも違う、スマートフォン向けのサイトを用意する」という意味です。スマートフォンのインターネットブラウザには携帯サイトをそのまま表示することはできませんが、PCサイトを表示させることはできます。弊社にお問合せ下さる企業からはよく、「PCサイトを見せれば良いのではないか?」と聞かれます。答えは、ノーです。

スマートフォンにはスマートフォン向けのサイトを用意すべきです。スマートフォン向けに作られたサイトと、PCサイトをスマートフォンで表示させて使い比べてみると、その差は歴然です。PCサイトをスマートフォンで使おうとすると、大きなPC画面の一部しかスマートフォンの小さな画面には映らないため、何度も移動したり拡大したりしなければなりません。また、ボタンやリンクも小さくて押しにくく、押し間違いが多発します。スマートフォン向けには、PCサイトの1ページの情報量は多すぎるのです。そういった面ではPCよりも携帯サイトのほうが、感覚的にはスマートフォンに近いでしょう。また、FlashがiPhoneでは表示されません。よってTOP画面から全く表示できないPCサイトもあります。

完璧でなくて良い。大事なのは今から始めること

このように、スマートフォン向けのサイトが使いやすいことは確かですが、スマートフォン対応を始めた企業のほとんどがまだ開発途中、もしくはサイトの一部だけ対応を行って様子を見ている最中であり、完璧に対応しているサイトはごく僅かです。某大手ショッピングモールのサイトでも、主要ページは対応していますが全ページはまだ対応できておらず、PCサイトへ飛ばしているようです。それで良いのです。大事なのは今から始めることです。今からスマートフォンに対応し、手探りながらも改修を繰り返してノウハウを蓄積していけば、1年後、今対応しなかったその他多くの企業が焦って動き始める頃には、蓄積したノウハウを活かして的確なサイト運営ができているはずです。

現時点でスマートフォン対応を行うと、スマートフォンからのアクセス数は携帯サイトのアクセス数の5%程が見込まれます。これは今後のスマートフォン普及拡大に伴い、確実に増えていくでしょう。

手っ取り早くスマートフォン対応できる方法

実際にサイトをスマートフォンに対応させる方法は2種類あります。1つは普通に、「新しくスマートフォン向けサイトを開発する」方法です。スマートフォンでは、本のページをめくるように画面を遷移させたり、指を使って画面を拡大したり、指を擦った方向に画面を移動させたりするなど、モバイルサイトとは全く違う動作でサイトを使うことができます。ただし、「そうできるようにサイトを開発すれば」です。もちろんその開発は容易ではありません。多くの企業はこのようなスマートフォン独自の操作を最初から搭載した大規模開発を想像して、導入を躊躇しているのではないでしょうか。

しかし、そのような面倒な開発を行わずにスピーディーにスマートフォンに対応することもできます。それが2つ目の方法、「変換ASP」を使うことです。既存のサイトを、スマートフォン向けに自動変換できるASPです。変換サービスは何社か出ており、ほとんどが初期費用のかかる買い取り型ですが、お勧めは初期投資を抑えられるASP型です。元々の携帯サイトがあれば数週間で出来、料金も安価です。この段階ではスマートフォン独自の、めくったり擦ったりする動作は表現できませんが、それは後からカスタマイズしていけば良いのです。まずはサイトをスマートフォンで表示させましょう。弊社でも既にASPで、数十社のスマートフォン対応のお手伝いをさせていただきました。従来型携帯からスマートフォンに機種変更するユーザーを逃がさないために、全てのネット通販企業にスマートフォン対応は急務です。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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