「ユーザーが使う場面を想定してサイトを作る」タイトル

2010年10月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆68時間目
「ユーザーが使う場面を想定してサイトを作る」

皆さんこんにちは。飯野です。最近iPhone 4を使い始めました。PCサイトも見られるので便利だとは思うのですが、小さな画面や片手での操作感はやはり、PCよりも携帯に近いと感じます。これからはiPhoneに対応したショッピングサイトが増えてくると思いますが、今はまだ一部の大手サイトに限られている状態です。我々はiPhone対応も進めつつ、今ある携帯サイトを最善の状態にして、未来の顧客獲得に繋げていくことが大事だと思います。まずは一歩一歩、今のサイトを良くしていくことから始めましょう。今月は「ユーザーが使う場面を想定してサイトを作る」ということをテーマに、携帯サイトのユーザビリティを一緒に勉強していきましょう。



すぐ買いたい人には「在庫あり」商品だけを見せる

詳細検索画面

携帯サイトで買い物をするとき、ユーザーは基本的に「今すぐ買いたい」と思っています。「PCを開くのが面倒だからケータイで買う」、「電車の中で暇だからケータイで買う」のです。よって携帯を使うとき、検索や商品の表示に時間がかかるとイライラします。さらに、これだと思った商品を見つけて商品詳細ページを見たときに「売り切れ」などと表示されると「それなら最初から載せないで欲しい」と思ってしまうのです。

そのようなユーザーの不満は、検索機能を工夫すれば解消することができます。図1を見てください。検索画面の絞り込みに「在庫有りのみ/在庫無し含む」という項目を設けています。これで在庫がある商品だけを表示させることができるようになり、ユーザーのストレスを減らすことができます。特に、商品が頻繁に入れ替わるサイトはこのような機能を付けると良いでしょう。

「入荷お知らせメール」で購入機会を逃がさない

売り切れてしまった商品でも、入荷予定がある場合は、入荷予定をメールで知らせる機能を付けましょう。商品が売り切れたら、購入ボタンの代わりに「入荷お知らせメール」への登録リンクを表示させるのです。そこでメールアドレスを登録してもらい、商品入荷時には真っ先にお知らせするようにするのです。このとき、あくまでもメールアドレスのみを気軽に登録できるようにしてください。ここで会員登録やメールアドレス以外の情報を取ろうとしてはいけません。

またその際、特定のメールアドレスの受信拒否やドメイン指定をしているユーザーに対して、自社のメールアドレスを受信できるように設定していただくよう、注釈をつけましょう。PCサイトでは気にしないところですが携帯では重要です。ある調査によると、携帯では約半数の人が何らかの迷惑メール対策を行っています。さらに細かいところまで気を配るなら、「入荷お知らせメール」を登録してくれたユーザーには、一般ユーザーよりも早くその入荷情報を伝えましょう。一般ユーザー向けに一斉に入荷情報を公開して、「入荷お知らせメール」を登録してくれたユーザーが買う前に万一売り切れになったら、期待を裏切ってしまうことになります。

情報はなるべく1ページにまとめる

商品詳細画面

商品画像に関しては、なるべくたくさんの種類を表示しましょう、ということはこれまでもお伝えしてきました。さすがに最近は、商品画像が一つしかないとか小さくて見えない、というサイトは少なくなってきたように思います。使いにくいサイトはどんどん淘汰されてきているということでしょう。しかし、画像が増えてきた最近、気になるのは、画像をわざわざ複数のページにわたって掲載しているサイトです。

図2を見てください。パターンAでは、一つの画面に「画像1を見る」「画像2を見る」…というようにリンクをたくさん置いています。他の画像を見るには、次のページを表示するためのクリック動作と待ち時間が発生します。一方、パターンBでは1ページに画像を6枚表示しています。どちらが見やすくてすぐに購入したくなるかは一目瞭然です。繰り返しますが携帯が使われるのは基本的に空き時間、隙間時間です。その時間に買ってもらおうとするならば、自ずとパターンBのように「いかに少ない動作でたくさんの情報を提供できるか」というところが勝負になってきます。

5年前だったら、パターンAが良かったかもしれません。1ページで表示できる容量は今よりも少なく、表示スピードも遅く、1ページにたくさんの画像を表示させることにユーザーが慣れていなかったからです。しかし今は、1ページで見せられる容量が増えてきましたし、1ページにたくさんの画像を表示することにユーザーが慣れてきて、多少表示時間がかかっても(限度はありますが)、遷移数が少ない方が良いと感じるユーザーのほうが多いのです。また、パターンBでは画像の他にもサイズや素材の情報を全て同じ1ページに表示しています。一方、パターンAではサイズや素材の情報も「商品詳細を見る」として別ページにしています。

パターンAのようなサイトは、サイト立ち上げ時にに導入したASPなどをそのまま使い続けている会社に多いです。そろそろカスタマイズして今のユーザーに最適化する時期ではないでしょうか。

送料無料金額まで買ってもらうために

客単価を上げるために、「○○円以上なら送料無料」としているサイトは多いでしょう。しかし、携帯で買おうとするユーザーの大半は、最初から欲しいものが決まっているものです。欲しいものだけをカートに入れて送料無料金額に届かなかったとき、少しだけ探して、欲しいものが無かったら無理に買わず、500円程度の送料であれば「まあいいか」と思って払う人が多いです。

そんなユーザーに送料無料金額まで買わせるには、「1,000円以下コーナー」「ワンコインコーナー」などの低額商品をまとめたコーナーを作ることです。そうすれば「ついで買い」で送料無料金額まで到達、もしくはそれ以上に買ってもらえる可能性が出てきます。金額別で検索をすれば良いじゃないか、と思う方もいるかもしれませんが、大抵のユーザーはそこまで思いつきません。携帯ではユーザーに「いかに頭を使わせないか」が大事なのです。頭を使わせた時点、疑問を生じさせた時点で購入モチベーションは止まってしまうからです。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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