「携帯サイトで売上を伸ばす5つのアイデア」タイトル

2010年9月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆67時間目
「携帯サイトで売上を伸ばす5つのアイデア」

皆さんこんにちは。飯野です。先日、某セミナーで大手通販企業様の講演を聞いてきました。講演では携帯サイトの様々な施策が紹介されていたのですが、やはり売れているサイトは違う!と感じました。今回はその中でも特に使えそうなアイデアを皆さんに紹介していきたいと思います。



「お客様の声」からサイト改善のヒントを得る

「お客様の声」はこうして集める。

どのサイトでもお客様の声を受け付ける窓口はあると思いますが、ほとんどは、お問い合わせ欄の最後に「ご意見をご自由にお書きください」という空白ボックスを入れているくらいだと思います。しかし、この通販サイトでは、この「お客様の声」の活用度が並外れているのです。

図1を見てください。これがその「お客様の声」を最大限活用しているページです。このサイトでは、サイトや商品に対する「質問」の窓口とは別に、「意見」の専用窓口を設け、その「意見」を基にサイト改善をしていく取り組みを行っています。さらにページの下の方を見ていくと、「取り組み報告」があり、「携帯でもクチコミの投稿ができるようになった」「履歴で商品画像が見られるようになった」「検索で新たな絞り込みが可能になった」などと、かなり重要な機能がこの取り組みから生まれていることがわかります。ユーザーにはもちろん携帯の専門的な知識はありませんが、だからこそ率直な意見が生まれるのです。

投書方法は、ユーザーから意見を引き出しやすいよう、投書内容を「機能に関して」「メールマガジンに関して」などとジャンル別に細かく分かれています。投書例や受け付けられない例についても詳しく説明しています。また、気づいたらどのページからも投書できるよう、あらゆるページのフッターに意見箱へのリンクを表示しています。

このサイトでは、この取り組みによるサイト改善を始めてからさらに売上が伸びたと言います。これまでは、ユーザーからの意見をまずカスタマーセンターで受けて、どの部署へ回せばいいのかを調べ、調べた後にようやくサイト担当者へ回ってきていました。それがこの投書機能によって、ユーザーの意見をサイト担当者が直接受信できるようになり、収集スピードが上がり、より具体的な意見を収集できるようになったそうです。

ただし、意見箱の運用は非常に大変だそうです。意見箱のページでは「改修予定」という項目があり、ユーザーに今後の改修予定を知らせています。やらなかったり実施が遅れたりすれば、逆に信用を失うことになりかねないでしょう。次から次へと送られてくる投書の確認や、どれを実施するか決定するのにも時間を要するでしょう。効果を上げるには、それなりの覚悟とスピーディーに対応できる運用体制は必須と言えます。もしこれを読んで、やってみようと思った方は、まずは期間限定で実施してみてはいかがでしょうか。

商品番号をメールするだけでクチコミのURLが届く

現在、ドコモでパケット定額制に入っているユーザーはおよそ半分です。誰もが意見を投書できるほど携帯サイトを使いこなしている訳ではありません。残りの半分はむしろ、携帯サイトを使うことに抵抗があるユーザーだと思っていいでしょう。そんなユーザーでも、携帯でメールを使うことには比較的抵抗がないそうです。それを利用したのが、「カタログの商品番号をメールで送ると、その商品のクチコミのページのURLが届く」という機能です。送られてくるメールにはクチコミのページURLが載っているだけなので結局そこから携帯サイトへ接続する訳ですが、これなら最初からサイトへアクセスするよりも気軽に利用できます。携帯サイトを使い慣れているユーザーにとっても、トップページから入らなくても直接クチコミページに行けるというメリットがあります。この機能を応用すると、商品番号をメールしただけで注文できるとか、お気に入りに登録できるとか、色々なことが考えられると思います。

カートを保存、アラートで通知し買い忘れ防止

皆さんは、以前カートに入れたけれど買わなかった商品を、やはり買いたくなってサイトの中をもう一度探したという経験はないでしょうか。その時に商品を見つけられなかったら、購入を諦めますよね。このように、せっかく買う気になったユーザーを取り逃がしてしまうのはもったいないことです。この通販サイトでは、そのようなことを防ぐ仕組みがあります。カートに入れた商品を最大7日間保存し、カートに入れてから3日後にメールで通知するというアラートサービスです。このメールは会員登録すると設定することができるので、会員登録の促進にも繋がります。

同じ商品を若者向けに再撮影

このサイトでは以前から主婦層がメインターゲットとなっていましたが、携帯のコアユーザーである20代前半の若年層の獲得が課題となっていました。そこで新たに若年層向けのコンテンツを立ち上げました。このコンテンツでは洋服を販売していますが、驚いたのは「新たに作った洋服はない」ということです。全て、既に販売している20代後半向けの洋服を、若年層向けにスタイリングを変えて再撮影しただけだそうです。そうすれば元々ある商品なのですぐに販売が可能で、在庫過多になることもありません。結果、既存のコンテンツと食い合いになることなく、低コストで新たな若年層の獲得に成功したといいます。これは、多くのショッピングサイトで参考にできることだと思います。

1,600万人が必ず見る情報配信ツールとは

サイト内での施策のほかに、携帯ならではの効果を発揮できる広告ツールを紹介します。ドコモの情報配信サービス「iチャネル」です(図2)。ユーザーが申し込めば携帯の待受け画面に自動的に表示されるサービスで、現在約1,600万人が契約しています。このサービスのすごいところは、メールマガジンのように遅延や受信拒否がありませんので、1,600万人に確実に届くということです。製作にはかなりの技術を要しますが、長期的に考えると、ある程度規模のあるサイトであれば導入する価値があるでしょう。

提供者はドコモ公式サイトに限られますので、現在公式サイトを持っている企業は検討してみてはいかがでしょうか。

iチャンネルが表示されたドコモ端末の待受画面



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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