「それで本当に改善されるのか?サイト改善の前にチェックすべきこと」タイトル

2010年6月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆64時間目
「それで本当に"改善"されるのか?サイト改善の前にチェックすべきこと」

皆さんこんにちは。飯野です。皆さんは以前使っていた携帯サイトに久しぶりにアクセスしたとき、サイトが変わっていて戸惑ったことはありませんか?使いやすく変わっていれば良いのですが、メニューの位置が変わっていてどこにあるのか分からない、新しい機能が追加されていても使い方がわからない、といった経験はないでしょうか。多くのサイトではオープンしてある程度経つとサイトを見直し、「改善」を行うと思いますが、制作者側は改善したつもりでも、ユーザーにとっては逆に改悪になってしまっている場合があります。そのようなことを避けるためには、どんな点に注意したら良いのでしょうか。一緒に見ていきましょう。



画像を増やすよりも先に考えることがある

皆さんも経験があると思いますが、携帯を使っていて最もストレスに感じるのが、「表示の待ち時間」だと思います。サイトの「改善」によってページ容量が増加し、表示速度が異常に遅くなっていませんか?それまではテキスト中心で簡素な作りだったサイトが、画像をたくさん表示させてリッチ化しようとしたときに陥りやすいパターンです。酷いサイトだと、画像が表示できずに「×」になっていたりします。

携帯サイトに適した1ページの容量は、基本的に100KB以内です。これを超えると画像が「×」となったりページの後半が表示できなかったりします。そこまでは行かなくとも、100KBに近づけば表示に数秒~十数秒程の時間がかかります。携帯の機能は日々進化していますが、表示容量はそれほど進化していません。最新端末でも100KBを越えて楽に表示できるものはほとんどないという状態です。

表示時間を短くするためには、一つ一つの画像の容量を落とすという方法がありますが、それよりも本当に必要な画像のみを表示させるように調整してみましょう。あれもこれもと画像を載せてもどれが重要なのか分からず、訴求力が落ちてしまうからです。

意外と盲点なのがトップページに画像を3個並べるパターン。中でも、人気商品をランダムに表示しているサイトは要注意です。確認した時点では正常に表示されていても、ランダム表示のときに画像の組み合わせによっては容量がオーバーする場合がありますので、気をつけるようにしましょう。

シンプルにすべきか、派手にすべきか

このように画像の多用には注意が必要ですが、一方で、若い女性向けのファッションやコスメ通販サイトでは、画像や派手な背景色を使うのが当たり前となっています。弊社の若い女性スタッフに聞いても、地味なサイトは使う気がしないと言います。それでは、簡素ながらも使いやすいサイトが良いのでしょうか。それとも派手なデザインで若者受けする方が良いのでしょうか。

判断基準の一つとなるのが、そのサイトの「役割」です。もし、携帯サイト以前にカタログや雑誌広告のほうがユーザーに浸透しているとしたら、携帯サイトは第一に「受注ツール」としての役割を果たすべきです。それまでカタログや広告を見てハガキや電話で注文していたユーザーが、今度は携帯で注文できるようにするのです。それがスムーズに行えるようにすることを第一に考えるなら、自ずとサイトはシンプルになってくると思います。受注ツールとして携帯サイトが使われる場合、ほとんどのユーザーは最初から買うものが決まっています。そのようなユーザーに対して、派手なトップ画面やいくつものお勧め商品画像は必要ないのです。必要なのは、スムーズに注文してもらうための使いやすさです。ただ注文がしたくて、商品画像も既に見て知っているのに、サイトにアクセスして画像の表示速度が遅かったらユーザーは苛立ってしまいます。余計な画像のデザインにお金をかけるよりも、購入までの導線改善にお金をかけたほうが、よほど費用対効果が上がります。

画像の容量、よく使うメニューの位置に注意

逆に、カタログや雑誌広告を出しておらず、携帯サイトから通販を始める、もしくはPCサイトのみ持っていてこれから携帯に進出するという企業は、派手路線で行くことをお勧めします。先ほども書いたように、初めて見るサイト(知名度の低いサイト)は、地味だと使ってもらえません。ページ容量に注意しながら、出来るだけ作り込んだデザインにしていきましょう。同業他社に比べて見劣りしていたらその時点でアウトだと思ってください。もちろん、導線の設計も抜かりなく。

最初はシンプルだったサイトが適度に画像を取り入れてリッチ化する場合は、リッチな画面を見せると共に、シンプル版の画面も残しておくのがベストです。両方の管理に手間がかかるという理由でやらない企業が多いのが現状ですが、サイトの一部だけ、例えば商品一覧ページなどは画像の表示/非表示を切り替えられる用にすると良いでしょう。パケット代を節約したいユーザーにも親切な機能です。

重要メニューはいつも目立つところに出す

サイトのリニューアルと共に、メニューを追加する場合があると思います。見せたいメニューを目立つところに置くのは構いませんが、それまで表示されていてユーザーに良く使われていたメニューが、新しいメニューによって隠されてしまっていませんか?よく使われていたメニューの位置は変えないようにしましょう。例えば「ログイン」です。毎日管理ツールを使ってサイトを更新している制作者側には分からないかもしれませんが、ユーザーがサイトへ来ていつも最初にするのがログインだったら、ログインの位置を変えるべきではありません。ログインのリンクはサイトの下の方だけにおいてしまいがちです。ユーザーがサイトへ訪れて最初にすることは何なのかを想像して「改善」するように努めましょう。

フリーフォームと選択肢を使い分ける

サイトを改善するために、アンケートでユーザーに意見を求めることがあると思います。「どんなことでもいいのでご意見を聞かせてください」という風に謳っているサイトに多いのが、意見の入力を単にフリーフォームにしているところです。メールが起動して送るだけのところもあります。どんなことでもいいと言われても、いきなり空白欄を突きつけられたら大半のユーザーは躊躇してしまいます。モチベーションの高いユーザーだったら何か書いてくれるかもしれませんが、大抵のユーザーにはそこまでのモチベーションはありません。ましてや何のプレゼントも特典もないアンケートだったらなおさらです。そのようなユーザーからも意見をもらうには、ある程度こちらから選択肢を用意する必要があります。携帯は、面倒だと思ったらすぐに操作を止めることのできる道具です。面倒がられないように、なるべく頭を使わせないことが大事です。アンケート項目は多くても10項目くらいとし、選択肢は誰にでも分かる表現にするようにしましょう。たまに選択肢の中に専門用語を使っているサイトがありますが、ユーザーには意味が分からないので止めましょう。

口コミ投稿を会員制にしない

ショッピングサイトで後から導入しようとする企業が多いのが、口コミ(レコメンド)機能です。口コミというくらいですから、なるべく気軽に入力できるほど良いです。口コミ入力でログインや会員登録を求めるのは止めましょう。こちらも前項同様、企業側の都合で分析に利用したいために会員制にしようとするサイトが多いですが、それでは投稿が集まりません。Twitterなどの気軽に発言できるメディアが台頭してきている今、発言するのにいちいち登録が必要なサイトは時代に逆行しています。口コミを盛り上げるには数が勝負。まずは誰でも簡単に投稿できるようにしましょう。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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