「携帯サイトの退会画面で重要なこと」タイトル

2010年2月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆60時間目
「携帯サイトの退会画面で重要なこと」

皆さんこんにちは。飯野です。皆さんの携帯サイトには会員登録やメールマガジン登録など、何らかのユーザー登録機能があると思います。どのサイトでも、登録を促進するのと同時に、退会を食い止める工夫をしていると思いますが、今回はその退会画面について考えてみたいと思います。というのは、日頃色々なサイトを見ていると、退会しづらいサイト、しづらいばかりか不快になるようなサイトが結構あるからです。ユーザーにはいつでも気持ち良く使ってもらえるサイトでなければなりません。退会画面も同様です。もちろん、最初からユーザーを不快にするつもりでサイトを作っている運営者はいないと思いますが、退会を食い止めようとするあまり、そのことに気が付かない運営者もいるのではないかと思います。退会画面を通して、ここでもう一度、本当にユーザーのためになるサイト(=売上の上がるサイト)について考えてみたいと思います。



退会しようとするユーザーを引き止めない

まず、皆さんのサイトは、ユーザーが退会したいと思ったらすぐに退会できる作りになっていますか?退会画面で、ユーザーを無理に引き止めてはいけません。もし皆さんが一般のお店やデパートで、会員(証)を辞めたいのですが、と依頼したときに、引き止められたらどんな気持ちになるでしょうか。その気持ちをユーザーに決して与えてはいけないのです。快く退会を受け付けることが最も重要です。以下に、「退会画面でしてはいけないこと」を挙げてみます(※以下で言う「退会ボタン」とは、押すと退会できる最終的なボタンまたはリンクを指します)。

<退会画面でしてはいけないこと>
1.どこから退会できるのか分からない。
2.退会ボタンの前に余計なページを挟んでいる。
3.退会ボタンの前に、退会に関係のないリンクを置いてユーザーを惑わせようとしている。
4.退会画面から前の画面に戻すために、「やっぱりやめる」「やめるのをやめる」など、分かりにくい表現にしてリンクを押させようとしている。
5.実際に退会処理が行われる動作(退会ボタン)の前に、「ご利用ありがとうございました」などと既に退会したと錯覚させるような表現をしている。
6.退会のデメリットを必要以上に書き連ねる。
7.これまでサイトを使っていただいたことに対し、画面上でお礼を述べていない。
8.退会前にアンケートを「強制」している。

以上のようなことを平気でしているサイトがあることは、とても悲しいことです。ユーザーとしては、今後絶対にその企業のことを好きにはなってくれないでしょう。1のように、退会の仕方が分からないなどというのは問題外です。ちなみにキャリア公式サイトのルールでは、退会がトップページに明記されていること、簡単に退会できることが必須となっています。なぜなら、キャリアに寄せられるユーザーのクレームで最も多いものの一つが「退会できない」というものだからです。

2、3、4、5のように、退会ボタンの前に余計なページやリンクを置いてユーザーが簡単に退会できないようにするというのは、残念ながらよく見かける悪いやり方です。ユーザーの気を退会からそらすためにしているのだと思いますが、はっきり言ってなんの効果もありません。それどころか今までファンでいてくれた人、お客様に対して、これらはただの「騙し」です。よくこういうサイトが見られますが、もうそのユーザーは一生、再入会することはないでしょう、それどころか、友人知人にもこのことを伝えることになり、結果的には大勢の人に対して企業のイメージや信頼を下げてしまうことになります。要注意です。

また、「退会すると○○になってしまいますよ」「○○になってしまいますがよろしいですか?」という風に退会のデメリットを書き連ねるのも印象が悪いです。退会したら情報やポイントがなくなってしなうことはしっかり記載することが重要です。何パーセントかのユーザーはこれで思いとどまることもあると思います。しかし、必要なことはただそれだけです。デメリットをたくさん挙げる必要はありません。ユーザーはデメリットをほとんど分かっていて、それでも退会したいのです。この段階で、「損しますよ、損しますよ、本当にいいんですか」などと聞かれても、ただ単に「うざい」だけです。皆さんもそういった経験の1つや2つはあるでしょう。これをやってしまうと間違いなく、悪い印象しか残りません。何よりもユーザーの「うざい」という感情に敏感になってください。

また、退会の前に問合せ窓口へのリンクやよくある質問へのリンクを設置する際も、迷惑がられない程度に行ってください。ユーザーの心情は「今すぐ退会したい」のです。これで退会を止められると思わないでください。

プレゼントや丁寧な言葉で感謝を表す

退会を引き止めるよりも、これまで使ってくれたユーザーに対して心からの感謝を表現することが大切です。気持ち良く辞めてもらう方法として、退会の前に感謝を込めてデコメール素材をプレゼントするなど何かサプライズを用意すると、「また使ってもいいかな」とユーザーに思ってもらえると思います。お礼はできるだけ丁寧に本当に感謝の意味を込めて書くこと。ユーザーにはこういうところが伝わります。

一度辞めたいと思ったユーザーは、どうあがいても辞めてしまうものです。無理に引き止めるよりも、感謝の気持ちを込めて送り出した方が何倍も好印象を残すことができるでしょう。それが結果的に将来の売上に繋がることにもなると思います。

退会アンケートは利用目的を明確にする

退会していくユーザーが不満を抱えているなら、なるべく汲み取っておきたいものです。退会画面に簡単なアンケートを入れても良いでしょう。その際、一番大事なのは、せっかく手間のかかる退会の途中に書いていただくアンケートを、企業として、「何に使って、何に活かすか」できるだけ具体的にユーザーに分かっていただき、賛同いただき、その上で、屈託ない正直な意見を述べてもらうことがとても重要です。これを忘れているサイトが圧倒的ですので、とても残念です。なぜアンケートを書かなければいけないのか?なぜチェックボックスでアンケートを述べる必要があるのか?述べたところで、何の役に立つのか?このあたりを最後にユーザーに賛同してもらって、意見をいただけるととても強いサイトになっていきます。

1、2問だったらユーザーは答えてくれます。ポイントは、必須入力にしないこと。「アンケートに答えずに退会する」という選択支も必ず残しておいてください。決して強制せず、「よろしければ入力してください」という程度にし、入力後はお礼の言葉を表示するこが大切です。そうすればユーザーもストレス少なく退会してくれるはずです。退会理由の選択支は慎重に作成すること。今後のサイト運営でとても貴重なデータになりますから。選択肢のほか、フリーで書き込める欄は必ず設置してください。生のお客の声が聞ける最後のチャンスです。2000文字くらいは入れられるようにしてください。○○○語まで入力可能、ということも書いておくととても親切です。

メールアドレスだけは保持しておく方法

退会されると基本的に、そのユーザーの全ての会員情報を失うことになってしまいます。もうそのお客様との接点を失ってしまう訳ですから、大きな損失になってしまいます。その防止策として、「年1回だけお得なメールをお送りしたいのですが、いかがでしょうか」と控えめなメールを案内し、退会の前にチェックを入れてもらう方法があります。「年1回くらいならいいか」と承諾してくれるユーザーは結構多いものです。そうすればメールアドレスは保持できます。これはとても重要なことです。

通信販売業の企業であれば当たり前のことですが、顧客の住所がなくなったら終わりです。また名簿集めから始めなくてはなりませんから。携帯コマースではまさにこの「住所」が「メールアドレス」なのです。年に1回でも接点が持てるようにしておくことが重要です。ただし、言うまでもありませんがしつこいメールは絶対に止めましょう。 去っていくお客様を、最後まで丁寧に接客すること。携帯サイトで大事なことは、実際のお店でやっていることと同じなのです。



他の記事を見る


矢印 アイコンバックナンバー目次へ


飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



トップへ戻る アイコントップへ戻る

» モバイルコマース トップページ » 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー » 「携帯サイトの退会画面で重要なこと」