「コマース企業が得するためのキャリアの活用法」タイトル

2009年9月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆55時間目
「コマース企業が得するためのキャリアの活用法」

皆さんこんにちは、飯野です。前回は企業側のケータイサイトの施策を紹介させていただきました。今回は、キャリアの最新動向をお伝えしていきたいと思います。サイトの施策を考える際に、キャリアの動向を知っておくことは非常に重要です。キャリアを上手く利用できるかどうかで、売上が変わることがあるのです。

今回お伝えする情報は主に、7月に行われた「ワイヤレスジャパン2009」での各キャリアコンテンツ担当のトップの講演内容を基にしています。これからケータイサイトを立ち上げる企業も、次は公式化を狙う企業も、きっと参考になることと思います。



集客するなら旬のサイトを使う

ショッピング専門のサイトでも、集客のために他業種のサイトへリンクを貼ったりキャンペーンを行ったりすることはよくあることです。そういった施策を行う際、どうせやるなら確実に、質の高いユーザーを集客できるサイトを使いたいものです。そのためには、今どんなサイトが人気なのかを知っておく必要があります。その中から、ターゲットが自社と近いサイトを選んで施策を実施することをお勧めします。

現在、シェアの半分を占めるキャリアであるドコモの状況を見ていきましょう。ドコモの講演によると、現在、公式サイトで好調のジャンルは、コミュニティ、レシピ、動画、メロディコール、きせかえツール、恋愛シミュレーションゲームだそうです。

いかがでしょう。貴社のユーザーが使っていそうなサイトは思い浮かびますか?コミュニティなら10代~20代、レシピなら主婦…と想像がつくと思います。メロディコールやきせかえツールなどは主に最新機種ユーザーをターゲットにしているので、最新機種の利用者が少ない年配の方をターゲットにしているサイトがキャンペーンを行うには不向きといえるでしょう。最近盛り上がってきているジャンルの中で面白いのが、恋愛シミュレーションゲームです。少し前までゲームといえば男性向けという印象が強かったと思いますが、最近ではこういった女性向けのゲーム市場が拡大しています。恋愛シミュレーションゲームの多くは、ゲームというよりストーリーを読むような感覚で楽しめる、操作が簡単なところが魅力です。最近では企業とタイアップしたゲームも登場し、ますます広がりを見せています。女性向けのショッピングサイトをお持ちの企業は、一度目を向けてみる価値があると思います。

パケット定額制非利用者も考慮したサイト作りを

先日、3キャリアとも月額390円のパケット定額プランを打ち出しましたので、今後ますますパケット定額制のユーザーが増えていくことは間違いありません。しかし、実際のところパケット定額制はどの程度使われているのでしょうか。ワイヤレスジャパンでの講演によると、ドコモではiモード契約者のうち約40%、KDDIでは全体の50%~60%がパケット定額制に加入しているそうです。ちなみにソフトバンクの契約者は、インターネットではなく通話のみの利用者が多いということで、パケット定額制の利用者は他の2キャリアよりもだいぶ少ないと思われます。

このように、パケット定額制はまだ完全には普及していません。ここでコマースサイトとしてやるべきことは、パケット定額制に加入していないユーザーも想定したサイト運営を行うことです。ターゲットが10代や20代であればコミュニティサイトなどで日常的にパケット接続していると考えられますが、30代以上のユーザーになると、パケット定額に加入していないユーザーもまだまだ多いといえます。そのようなユーザーにとっては、容量の重いページを表示することや一方的なデコメール配信は負担になります。対策として、商品一覧では画像のON/OFFを切り替えたり、メールマガジンはテキストメールかデコメールかを選べるようにするなど、少しでもユーザーの負担を減らすことが大事です。これまで何度も言っていますが、本当に使われるのはリッチでかっこいいサイトではなく、使いやすいサイトだということを忘れないでください。

公式サイトはこれからも有利

公式サイトの重要なメリットの一つが「検索」です。ドコモの調査によると、ユーザーがサイトを探すとき、公式メニューから探すユーザーが40%、検索から探すユーザーが60%となっているそうです。ここで注目したいのが、公式サイトは検索結果で上位に表示されるということです。ドコモもKDDIも、この点で公式サイトは有利だと断言していました。

また、公式サイトに関して新しい方向性を打ち出していたのがドコモです。ドコモでは今後、公式サイトの「ニッチ化」「地域化」を進めて行くといいます。ドコモの公式サイトのジャンルは今でも頻繁に分離や統合が行われていますが、今後はさらにユーザーのニーズに合った細分化が進むと予測されます。

公式進出のもう一つの方法…「企業・ブランド」カテゴリ

「企業・ブランド」

最後に、これは講演の内容ではありませんが、公式サイトになるには、ショッピングカテゴリ以外にも掲載方法があることを紹介しておきます。それは、「企業・ブランド」カテゴリへ参入するという方法です。このカテゴリは2008年4月にドコモで設置され、続いて2009年7月にソフトバンクでも設置されました。左の表を見ていただくと分かるように、このカテゴリでは基本的に大手企業が掲載対象となっていますが、ドコモでは地域ごとのカテゴリもあるので、地方企業にも十分チャンスがあります。

掲載されているサイトの内容は、ショッピングサイトと同じサイト内容の企業もあれば、企業情報だけの別サイトを作って掲載している企業もあります。また、サイト内からショッピングサイトへリンクを貼っているサイトもあります。サイト内容や企業によってキャリアの審査基準が異なると思われるので、参入を考える際には出来ればキャリアや私の会社のようなモバイル専門会社へお問い合わせいただくことをお勧めします。

企業情報だけのサイトであれば、本格的なショッピングサイトを作るよりも費用が少なくてすみます。また既に公式ショッピングサイトを持っている企業は、次は「企業・ブランド」カテゴリにももう1サイト掲載して、集客の窓口を広げるという方法もあります。

依然として公式サイトの敷居が高いことは事実ですが、このように色々な利用方法があることを覚えておくと良いと思います。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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