「今すぐ使えるサイト運営のコツ~企業の最新成功事例~」タイトル

2009年8月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆54時間目
「今すぐ使えるサイト運営のコツ~企業の最新成功事例~」

皆さんこんにちは、飯野です。ケータイは日々進化するものだということはこの業界にいて常に実感していることですが、実際に現場の声を聞かないと、有益な情報はなかなか得られないものです。そんなことから、私はよくセミナーに足を運ぶようにしています。今回は6月30日に行われた「日経ネットマーケティングフォーラム2009」の講演内容の中から、これは使える!と思ったことを紹介していきます。使えそうなところはどんどん真似をして、売上を伸ばしていきましょう!



ネットで売れないものはない⇒ケータイでは?

楽天の講演では、中小企業でもこだわりを持って努力すればネットで利益があげられるのだということを感じました。読者の皆さんの中には予算がなくてケータイサイトが作れない、ケータイサイトの必要性を上層部が理解してくれなくて作りたくても作れない、という企業はたくさんあると思います。ですが、誰もがケータイサイトで物を買うことが当たり前になる時代は必ず来ます。「ネットで売れないものはない」と三木谷社長も言っていました。

例えば通販企業なら、カタログの中身をそのままサイトにするのではなく、インターネット上でいかにインパクトを出せるかが勝負です。三木谷社長が言うには、同じ商品でも商品にまつわるストーリー次第で売上が左右されるそうです。まだ楽天が今ほど大きくなかった頃、ある小さな農園が卵をネットで売りたいと言ってきたそうです。最初は三木谷社長も卵だけでネットで商売がやっていけるのか疑問だったそうですが、この卵屋さんの店長は「うちの卵はスーパーで売っている卵とは全然違う。鶏の餌や育て方からこだわっている。これをネットでお客さんに伝えれば絶対に売れる」と言い切ったそうです。卵は割れるのではないか?という問いに対しては「割れたらまた送ればいい」と。そして今、本当に卵だけで想像以上の利益を上げているといいます。実際にサイトを見ると、店長のこだわりがしつこいほどに文章と写真で表現されています。要点をまとめたカタログのような文章とはまったく違います。スーパーでは多くの人が値段しか見ませんが、ネットに訪れるユーザーは多くの情報を必要としているため、このように「こだわり」を持った商品ほど売れるのです。もちろん、卵はスーパーでは1パック100円余りで買えますがこのネットで売っている卵はもっとずっと高額です。それでも売れているのです。

これはケータイでも言えることです。野村総合研究所の市場予測によると、2013年度にはEC市場全体の25%(約2兆5000億円)をモバイルECが占めるようになると予測されています。ケータイはPCの歴史の5年後を行く、というのが私の持論です。まさに今、「ケータイで売れないものはない」時代になろうとしていると感じます。

10代にはPCよりもモバイル。これが常識

日本ロレアルの講演では、若年層へのアピールにモバイルがどれほど有効かということが強調されていました。日本ロレアルでは先日、10代をターゲットにした化粧品のPCサイトとモバイルサイトで同時にキャンペーンを実施しました。PCとモバイルからユーザーの投票を募るものだったのですが、開始してみたところモバイルの投票数が圧倒的に多く、社内でモバイルの重要性が認められる大きなきっかけとなったそうです。

総務省の発表によると、モバイルでのインターネット利用がPCを上回ったのが2006年。それ以降、モバイルからのみインターネットを利用する層は増加し続けています。中でも特に10代や女性は、PCよりもモバイルに注力している傾向が強くなっています。いまや女子高生や女子中学生にとっては、インターネットといえばケータイなのです。今メディアはユーザーが選択する時代。その選択支に企業がケータイサイトを用意していないのは、非常にもったいないと思いませんか?

最も効果のあるメルマガとは?

メルマガの配信頻度は少なすぎても多すぎても駄目。一体どのくらいの頻度で送ればいいのか?という疑問は多くの企業が抱えていることだと思います。HMVジャパンでは、回数を単純に増やすのは危険だと判断し、配信頻度を「毎日送ってもいいユーザー」、「月に○回のユーザー」と独自のロジックで振り分けを行って配信しているそうです。ロジックは購入履歴やお気に入りに登録している商品の傾向などから決定し、メルマガにはストーリー感を持たせることを大事にしているそうです。これは前項で紹介した、商品にストーリー性を持たせることと共通していますね。

さらにこの企業の実績によると、メルマガの中で開封率、来店率、客単価のすべてにおいて最も効果が高いというのが「バースデーメール」だといいます。出していない企業は今すぐ出すようにしましょう。誕生日当日は難しくても、その月に誕生日のユーザーにまとめて出せば、より少ない手間で出来るはずです。

アクセス解析は現場担当者が行う

何事にも仮説検証が大切なことは皆さんお分かりだと思いますが、ケータイサイトも同じです。ケータイサイトの仮説検証に欠かせないのがアクセス解析です。今これを読んでいるあなたの企業でもアクセス解析の業務があるかもしれません。ところがよくあるのが、アクセス解析はIT担当者に任せて、現場(サイト運用)のスタッフがアクセス解析を行っていない企業。アクセス解析が単なる報告会で終わってしまい、それがサイトに活かされていないパターンです。

アクセス解析の方法を見直したことによって業績を伸ばしたというのが、ゴルフダイジェスト・オンラインです。アクセス解析が優れている企業は、何も複雑なデータを解析している訳ではありません。多くの企業と同じように、ページビューやユニークユーザ数などのごく基本的な指標を見ているのです。違うのは、「解析を現場に落としている」という点です。アクセス解析はよく、データにしろ、グラフにしろ、などと上層部に言われやすいことから、分析自体が目的になってしまっている企業が多くあります。そうではなくて大事なのは、どう現場に落とすかなのです。そのためにはまず、現場の担当者が自ら分析を行うことが基本です。例えば分析担当者が見るとつまらないデータでも、メルマガ配信担当者が見たら非常に重要なデータだったりします。とある企業では、昔はIT担当部署にアクセス解析を任せていましたが、今では現場担当者の7割くらいが日常的にアクセス解析ツールを使うようにし、仮説検証をスピーディーに行うようにしたら業績が伸びているそうです。

ユーザーに応じて表示を切り替えCVRアップ

インターネットがカタログやCMよりも有利なのは、アクセスしてきたユーザーを瞬時に判別し、コンテンツを出し分けて訴求することが可能である点です。この点を上手く利用してCVRをアップさせた事例を紹介していたのが、オルビスです。

オルビスでは、サイトの目玉が低価格のお試しサンプルなのですが、初めはどのユーザーに対しても大きく表示していました。ところが、お試しサンプルは一度しか利用できないにもかかわらず、一度利用したユーザーにも何度も表示され目障りに感じられていました。そこで、一度申し込んだユーザーにはお試しサンプルを非表示にするようにしたそうです。また、会員登録の際にメルマガの受信可否を選べるようにしてあるのですが、受信拒否にするユーザーが多いのが悩みでした。そこで、受信を拒否したユーザーがサイトにアクセスした際、「メルマガ登録で300ポイントゲット!」といった文言を表示されるようにしたそうです。また男女別にも表示切り替えを活かしており、女性がアクセスしたときには女性向けのバナーを出したらCVRが数倍になったこともあるそうです。このようにピンポイントでユーザーに合った見せ方をすることがCVRのアップに繋がります。 モバイルでも、ユーザー情報を取得したユーザーに対しては出し分けが可能です。出し分けだけでなく、ユーザーが自ら画面をカスタマイズできるサイトも見られるようになって来ました。こういった個人判別機能は、モバイルにこそ必要だと思います。PCは一家に一台のことが多いですが、モバイルは完全に一人一台。これからのモバイルは全ユーザーに同じ情報を与えるのではなく、一人一人に合わせたマーケティングが必要になってくると思います。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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