「それで本当に改善されるのか?サイト改善の前にチェックすべきこと」タイトル

2009年6月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆52時間目
「ユーザー視点でなければわからない、サイトの利便性を妨げるもの」

皆さんこんにちは、飯野です。常日頃、色々なケータイサイトを見ていると、凝った画像やFlashを駆使したメニューなど、格好良いと思えるサイトがたくさんあります。しかし、実際に使ってみると使いにくいサイトが多いのも事実です。ケータイサイトでデザイン以前に大事なのはユーザビリティです。お客様にいくらお店のデザインを気に入られても、買い物がしにくかったら意味がありません。ただデザインに力を入れただけの自己満足のサイトは、ユーザーが本当に使いやすいサイトとは程遠いものです。デザインのインパクトでごまかさず、誰にでも使いやすいサイトにするためのポイントを一緒に勉強していきましょう。



その画像、本当に必要?

サイト上で強調したいものがあるとき、画像は有効です。テキストだけのサイトではユーザーを飽きさせてしまいますし、製品詳細ページではできるだけたくさんの画像を使うことをこれまでお勧めしてきました。しかし、端末の容量が増えてデザインの表現の幅が広がってきた一方で、画像を多く使いすぎて利便性を妨げているサイトも残念ながら見かけるようになってきました。図1を見てください。このサイトでは、全ページの上部にサイトのロゴ画像を表示させています。PCサイトのヘッダーのようで見栄えは良いかもしれませんが、ケータイの小さい画面に毎回このロゴが表示されるとしつこい印象を与えます。また、画像が表示されるまでに時間がかかるため、ユーザーにストレスを感じさせてしまいます。ロゴ画像を使いたい場合は、トップページやコーナーのトップのみにしましょう。特にこのロゴのように、コーナー名などが入っておらず単にデザインとして使うのであれば、画像よりもテキストでコーナー名を表記したほうがユーザーにとってはわかりやすいです。どのページから来ても、そのページが何のページなのか分かるようにすることが大事です。

全ページの上部にサイトのロゴ画像を表示させています

画像の使い方でもう一つよく見かけるのが、図2のようなサイトです。一つの画面の中でコーナーを分ける際、コーナー名を画像にして表示しています。これは画像にする必要があるでしょうか?これだと1画面に何枚も画像を置いているので、表示に時間がかかります。例えば図3のように、絵文字やテキストを使い背景色を切り替えれば、十分インパクトを出すことができて表示速度もそれほどかかりません。また、テキストを使うことによってSEOにも効果があります。

一つの画面の中でコーナーを分ける際

サイトの顔であるトップページはデザインに凝りたいと思いますが、とにかくサクサク買わせたいと思うなら、第二階層以降はテキストや色の切り替えで代用できる部分はできるだけ画像を使わず、容量を軽くすることをお勧めします。一部の若者向けのファッションサイトでは「デザイン勝負」のような風潮がありますが、それらのサイトよりも幅広い年代のユーザーを持つ某大手通販サイトでは、「軽さ」を重視したシンプルなデザインに徹し、着実に売り上げを伸ばしているといいます。

ケータイには一瞬で理解できる表記を

ケータイサイトでは格好良さよりもどれだけスムーズに購入にたどり着かせるかが勝負

何を売っているのかユーザーが一瞬で理解できないサイトは、商品を買ってもらえません。ケータイは飽きたらすぐ、わからなかったらすぐ、画面を閉じられてしまうからです。図4と図5を見比べてみてください。ぱっと見て何のコーナーなのかが判断できるのはどちらのサイトでしょうか。一目瞭然ですね。ですが、図4のようなことを多くのサイトが行っています。英語表記のコーナー名やジャンル名から、一瞬で中味が想像できるでしょうか。製品名やブランド名でも同様です。英語表記は格好良いと思っている方がたまにいますが、ケータイサイトでは格好良さよりもどれだけスムーズに購入にたどり着かせるかが勝負です。また、英語で検索するユーザーは少ないので、SEOにも効果が望めないことも覚えておいてください。「GO」「OK」などの直感的に分かる言葉を除いては、日本語で分かりやすく表示するようにしましょう。日本語にすることに加え、ケータイではよりくだけた表現にすることもポイントです。

英語と同様、専門用語で表記するのもNGです。いつもその業界に携わっていると、気づかないうちに専門用語を使っていることがあるので注意してください。

SSLや自動ログインが上手く使えていますか?

サイトのデザインや画面遷移とは別に、ユーザビリティの妨げとなることがいくつかあります。

その一つがSSL(データを暗号化して送受信する技術)です。個人情報を入力するページで使われます。SSLがかかっているページではその都度、「SSL通信を開始します」、「通信中」、「SSL通信を終了します」という表示が現れます。その度に読み込みに時間がかかるため、繰り返されると若干のストレスを感じます。ところがたまに、個人情報を入力するページ以外でもやたらSSLをかけているサイトを見かけます。入力ボックスがあるからといって、個人情報を入力する訳ではないので検索ページにまでSSLをかける必要はありません。SSLは本当に必要な箇所にだけかけるようにしましょう。また、キャリアによってSSLの出方が違うので、あるキャリアでは何も表示されなくても、他のキャリアでは何度もSSLが表示されるということもあります。注意して開発と検証を行ってください。

同様に、必要以上のログイン要求もサイトからの離脱につながります。そもそもケータイサイトは個々で使うもの。他人が使うことはまずありません。そう考えると、個人情報が表示されるような画面を除き、例えばカートや閲覧履歴など直接の個人情報でない情報は、ログインしなくても使えたほうがユーザーにとって自然ですし、よりスムーズに購入に繋げることができます。


他の記事を見る


矢印 アイコンバックナンバー目次へ


飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



トップへ戻る アイコントップへ戻る

» モバイルコマース トップページ » 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー » 「ユーザー視点でなければわからない、サイトの利便性を妨げるもの」