「離脱率を下げる

2009年3月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆49時間目
「離脱率を下げる"プラスアルファ機能"(3)」

皆さんこんにちは、飯野です。今回は“プラスアルファ機能”の第3弾をお送りします。これまでこの連載で色々なテーマを扱ってきましたが、こういったユーザビリティに関するテーマが一番、反響をいただいております。それだけ多くの皆さんが、携帯サイトのユーザビリティが売上に影響する、ということを実感されている証拠でしょう。今回は、ファーストビューとプルダウン/ラジオボタンについて勉強していきます。



最初のリンクは押したくなるリンク?

皆さんは携帯サイトを作るとき、「ファーストビュー」を気にしていますか? ファーストビューとは、サイトへアクセスして最初に見える画面、スクロールしなくても表示される範囲のことです。PCサイトではよく大事だと言われている言葉ですが、携帯サイトでも同様です。携帯サイトのユーザーは、サイトにアクセスして3秒で、そのサイトで買うか買わないかを決めます。ファーストビューが命なのです。それでは、どうすれば買いたくさせるファーストビューが出来るのでしょうか。下の図をご覧ください。どちらも携帯サイトのファーストビューですが、だいぶ印象が違うと思います。

どうすれば買いたくさせるファーストビューが出来るのでしょうか

例1のサイトは、アクセスして最初にリンクされるテキストが「初めての方へ」です。オークションなど利用方法の理解が重要なサイトは別として、通常のショッピングサイトであればこのリンクを最初にクリックする人はそう多くはないはずです。それよりもセールや特集やランキングなど、もっと華やかなコンテンツに惹かれるはずです。例1のサイトでは、そういったコンテンツにアクセスするまでに少なくとも2回以上クリックしなければなりません。目的までのクリック数が多ければ多いほど、購入へのモチベーションは下がります。一方、例2のサイトでは、最初にリンクされるテキストは「数量限定 ワンピ福袋3,000円」です。「初めての方へ」よりもずっとインパクトがありますね。その下には「一人暮らし応援 家電特集」と、売り出したい商品のリンクが続きます。まずはこういった魅力的な言葉にリンクし、新規ユーザーも常連ユーザーも惹きつけることが大事です。携帯はPCと違い、カーソルを合わせる操作なしに勝手にリンクになるので、その勝手にリンクになる最初の言葉は非常に重要です。

ページ内リンクとアクセスキーで使いやすさアップ

次にファーストビューに入れたい要素として、ページ内リンクとアクセスキーがあります。ページ内リンクは、最近ではほとんどの携帯サイトで使われています。ページ内リンクに設定することにより、スクロールしなくても目的のメニューにすぐアクセスできるようになります。よく使われるメニュー(カタログ注文、検索など)や、使わせたいメニュー(会員登録、メルマガ登録など)を設定してください。当たり前のことですがページ内リンクはサイトの上部にないと意味がありませんので、ページ内リンクの上に別のリンクを貼る場合(例2では「数量限定~」など)は、リンクが多くなりすぎてページ内リンクがあまり下にならないようにしましょう。ページ内リンクの順番にも気を使ってください。ただ並べるのではなく、アクセスさせたい項目を前に置き、少しでも目的画面までのクリック数を減らすようにしましょう。

ページ内リンクと同様に、使いやすさを格段にアップさせるのがアクセスキーです。携帯のアクセスキーとは、割り当てられた数字ボタンを押して、設定されたページへリンクするものです。例2をご覧ください。ページ内リンクの中にある「マイページ」に、アクセスキーの「1」を割り当てています。このトップページの場合はマイページにだけ割り当てていますが、他の機能を「2」「3」「4」と割り当てることも可能です。Yahoo!オークションやアマゾンなど、代表的なショッピングサイトでも至る所で使われているので参考にしてみてください。

ファーストビューに商品画像は必須

商品画像はファーストビューに必ず入るようにしてください。そのサイトでどんな商品を扱っているのか、最初の3秒でそれを伝えなければならないので、ファーストビューに画像がないと、テキストだけではイメージできないからです。ファーストビューで商品画像を見せる方法に、サイトのロゴとなるトップ画像を大きめにし、商品やモデルの画像を使う方法があります。トップ画像は頻繁に更新することが望ましいです。最初に見える大きめの画像が常に同じだと飽きられるからです。

もう一つの効果的な方法は、頻繁に変えられる画像として、ランキングや新商品、一押し商品などの画像をファーストビューに入れることです。その際なるべく多くの画像を表示させるため、できれば例1のように縦ではなく例2のように横に並べるようにしましょう。例2のように横に並べればスペースができるので、図のようなバナーリンクなど、さらにインパクトのあるコンテンツもファーストビューに入れることができます。

プルダウンとボタン、どちらが適切か見極める

次に、よくあるユーザビリティで迷う所として、プルダウンにするべきかラジオボタンにするべきか、ということがあります。プルダウンもラジオボタンも良い面と悪い面があるので、場合に応じて使い分けることが大切です。

プルダウンにするべきかラジオボタンにするべきか

例3がプルダウンです。プルダウンは、同じページ内に選択項目が多数ある場合、ページの幅を取らずに済むので、スクロールの手間が短縮されます。選択項目が10個以内程度ならプルダウンが使いやすいでしょう。しかし項目が何十個もある場合は、予測がつく都道府県などは別にして、どこまで下に続くのか予測のつかない項目数だとユーザーにとってストレスになります。また、プルダウンの「▼」を押してみないと中にどんな項目があるのかわからないので、携帯サイトのプルダウンを使い慣れていない年配のユーザーなどは戸惑う可能性もあります。このあたりはサイトのユーザー層の見極めが大事になります。

一方、例4はプルダウンではなく全項目を表示し、ラジオボタンにした例です。こちらは一目で分るのでプルダウンのように選択を誤ることが少なくなります。例えばキャリアの料金設定や迷惑メール設定などの絶対に間違えられない画面では、ラジオボタンかリンクでの設定になっていることが多いです。ただし、通常のサイトのカテゴリ検索などで複数の項目から絞り込んだり、都道府県のように予測のつく項目で選択支が長くなる場合、ラジオボタンだとスクロールするごとにボタンに止まるのが煩わしく感じることがあります。

どちらにするか迷う場合は、実際に両方試してみて離脱率を検証してみるのが理想です。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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