「飯野クリニック」<ケース(6)>:「hhstyle.com」(インターオフィス)タイトル

2007年12月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆34時間目
「飯野クリニック」<ケース(6)>:「hhstyle.com」(インターオフィス)

皆さんこんにちは、飯野です。「飯野クリニック」第6弾は、デザイナーズ家具の正規品をネットと店舗で販売する「hhstyle.com」(インターオフィス)です。関口百合子Web課係長にお話を伺ってきました。



企業・サイトの特徴
男性が7割、客単価は4~5万円

2000年にPCサイト、02年に携帯サイトで販売を開始したhhstyle.com。よくある実店舗の情報サイト的なものではなく、最初から「もう1つの店舗」として事業化しました。開始当時は、実物を見ないで家具を買ってもらえるのか?と疑問の声も上がったそうですが、今では実店舗とPCの売り上げがほぼ1:1と伸び、会員数はメルマガ登録者だけで4~5万人を獲得しています。会員属性は男女比が7:3。背景やストーリー性がある商品を好む方は男性に多いそうです。年齢層は25~45歳が中心で、コアは30代前半。居住地域では首都圏をはじめ関西圏、北海道、愛知、京都など、流行に敏感な人は都市部に多いようです。ネットだから実店舗よりも大物や高額商品は売れないと思うのは間違いで、1番人気はイームズのチェア。客単価は約4~5万円です。携帯は05年にau公式サイトとして始めています。それ以前よりauのデザインケータイのデザイナーの商品が同サイトで買えると、auの特集で紹介されて以来、サイトが認知されるようになったとのことです。ショッピングモールへの出店依頼もよくあるそうですが、既に自社でシステムを持っている同社としては、モール出店となるとシステムを移行する必要があるため、モールには入らない方針です。カタログは不定期で発行していて、ネット通販も行っていましたが、FAXで注文するお客が多かったのも事実でした。しかし最近はFAX受注が減少し、お客からはカタログに対して、注文ツールとしてよりも「見て楽しみたい」、「とっておきたい」、という要望が多くなってきたため、昨年にコンセプトを一新。デザイン性を前面に出した作りにしました。購入や検索が目的ならばネットの方が楽になっている今、ユーザーのカタログ使用法が変化してきたといえます。

モバイルの課題は新規顧客の獲得

携帯の悩みは「外から顧客を取り込むのが難しい」こと。同社はauでは公式サイトですが、auの場合、自社のショッピングモールを優先した作りになっているため、モールに入らず公式サイトだけの通販サイトは、他キャリアに比べ新規顧客獲得が難しいのが現状です。現在、同サイトで携帯を利用しているユーザーは、PCや実店舗でサイトを知って入ってきた人なので、それらをまったく知らないユーザーを取り込んでいければ次の展開が期待できると考えています。同サイトを運営するWebチームは5人編成で、企画から撮影、サイト構築、アフィリエイトまで全て内制で行っています。これだけの業務を少数で内制されているのは大変ご立派といえるでしょう。コマース企業全般に言えるのですが、PCに比べて売り上げの低い携帯は、多忙な業務の中で手薄になりがちです。予算も限られる中、公式化や大規模な開発は簡単にはいかないでしょう。そこで次のサイト診断の内容を1つずつ解消して、売り上げアップにつなげていただきたいと思います。

サイト診断
ポイント:何度も使ってユーザビリティを確認

「hhstyle.com」トップページ

(1)トップに商品画像を載せる
02年当初の作りから変わっていないということですが、当初からこのような画面を作っていたことに大変驚きました。ただ、最近の軸で比較してしまいますと、通販サイトにしては若干シンプルな印象を受けました。新規ユーザーがサイトに訪れたとき、そのサイトで買うかどうかはトップ画面で決まります。さて、トップのテキストを見ていくと、デザイナーの名前を知っている人には分かるかもしれませんが、知らない人には扱っている商品内容が分かりにくい印象です。「今週の売れ筋」「おすすめアイテム」「新着商品」など何かしら画像を載せると分かりやすく、華やかになります。ただし画像を載せすぎると表示速度が遅くなるので、画像は1、2個が良いでしょう。

(2)ログインしたら表示を変える
現在のサイトでは、ログイン後も「ログイン・メンバー登録」の文字が出ています。ログイン済みのユーザーには不要なので非表示にしましょう。不要な表示があるとサイトが間延びして見えてしまいます。

(3)最短で買えるリンクを
トップの「デザイナー辞典」の下にリンクでデザイナー名が表示してありますが、リンク先がデザイナー辞典のコーナートップになっているので、これを各デザイナーのページへ直接リンクするようにしてください。デザイナー辞典のトップへは、「デザイナー辞典」の文字にリンクを貼り、購入までのページ数をなるべく短くします。デザイナー名のリンクは、その時々によって人気のデザイナーに変えると良いでしょう。

(4)郵便番号入力で住所は自動表示に
登録画面で、郵便番号から住所まで手動入力になっています。郵便番号を入力したら住所が自動的に表示される方がユーザーにとっては便利ですね。

(5)商品説明はたくさん入れる
商品詳細ページでは、利用イメージなど画像が複数あって充実していますね。逆にその分、テキストの説明が若干物足りないような印象です。商品説明はあればあるほどお客は安心します。携帯でもPCに載せている量と同程度あって構いません。ただ、長い文章で単色だと飽きてしまうので、強調したい文字の色を変えたり絵文字を使うなどして、にぎやかにすることをお勧めします。

(6)アイテム一覧にサムネイル表示を
商品一覧ページに、テキストだけでなく商品のサムネイルを表示すると商品が選びやすくなります。デフォルトは非表示にして、表示/非表示をユーザーが切り替えられるようにするのがベスト。小さい画像でも一覧ページの時点でイメージが分かれば、格段に使いやすくなります。

(7)フリーワード検索を導入
これだけ豊富な品ぞろえで有名デザイナーをラインアップしたサイトですから、ボックスにキーワードを入力して一発で検索できる「フリーワード検索」の導入をお勧めします。検索ボックスはトップページ上部に表示。デザイナー名、アイテム名などで簡単に検索できれば、ユーザーは欲しい商品にすぐたどり着くことができて購入しやすくなります。

(8)絞り込み、並べ替えでさらに便利に
カテゴリーから商品一覧ページを表示すると、何の順で並んでいるのか分かりにくいので、価格順や新着順など購入の目安となる表示を出すようにするとより買いやすくなるでしょう。安い順、高い順などで並べ替えまでできるのがベスト。また、価格帯やブランドで絞込みができるとさらに使いやすさアップです。

今後はPCを持たず携帯だけですべてを完結させる若いユーザーが増えてきます。携帯のユーザビリティは特殊なので、実際に使う立場になって、他社と比べながら何度もサイトをチェックすることが大事です。



他の記事を見る


矢印 アイコンバックナンバー目次へ


飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



トップへ戻る アイコントップへ戻る

» モバイルコマース トップページ » 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー » 「飯野クリニック」<ケース(6)>:「hhstyle.com」(インターオフィス)