「飯野クリニック」<ケース(5)>:「島村楽器」モバイルストア(島村楽器)タイトル

2007年11月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆33時間目
「飯野クリニック」<ケース(5)>:「島村楽器」モバイルストア(島村楽器)

皆さんこんにちは、飯野です。「飯野クリニック」第5弾は楽器販売の大手、「島村楽器」です。現在はPCの自社サイトとモール店舗、携帯はモール店舗を展開中です。今回はオンラインストア責任者の寒河江幹雄氏と、モバイル担当の斉藤奈津子氏にお話を伺ってきました。



企業・サイトの特徴
全国100店舗展開。ネット本格化から1年

ショッピングセンターなどを中心に、全国100店舗を展開している島村楽器がネット通販に本格的に参入したのは昨年9月。今年の春にはモールに出店し、携帯でも通販を開始しました。担当者の方もお話ししていましたが、ネットの分野では同業他社に比べてかなり後発。「とにかく追いつきたい」と試行錯誤しながらも、少しずつ業績を伸ばしている最中です。

客層は20歳前後の男性が圧倒的

若者からファミリー層まで幅広い層に親しまれている島村楽器ですが、携帯サイトの利用者は圧倒的に20歳前後の男性が多いそうです。そのため、ショッピングサイトのオープン当初は女性向けのデザインで作っていましたが、最近は男性向けにがらっと変えています。携帯は10代や高校生の男性ユーザーも多く、特に売れるのが2万円程のギター入門セットだそう。これは携帯ならではの売れ方といえます。実店舗にはない十数点セットなども携帯には存在し、よく売れているそうです。実店舗ならあれもこれもとカゴに商品を入れることができますが、携帯では1商品ずつカゴに入れるのは手間のかかる動作になります。よって、買い物が楽なセット商品が売れるということになります。

自社サイトとモールの制約と悩み

PCの自社サイトでは、最初は会員だけが購入できる会員制を採っていたものを会員登録しなくても購入できるよう非会員制にすることにより、売り上げを伸ばしてきました。得られる顧客情報が少なくなるというデメリットはありますが、それ以上にコンバージョンを伸ばすためには必要だったといいます。これは携帯にも言えること。会員になるために余計な手間かかることでコンバージョンが落ちます。一方、モールでは会員登録は必須です。それも情報は自社ではなくモール運営会社に帰属します。運営が楽な分、こういった制限もあるので注意が必要です。島村楽器では現在、携帯サイトはモールのみで自社サイトはありませんが、今後は自社サイトを立ち上げたいと考えています。というのも、モールでは、あるナショナルブランドの商品を探そうとすると、同じ商品を扱っている他のサイトも出てくるため、自社を選んでもらうのは難しくなってしまいます。PCでは店舗名を知っている人は先に自社サイトに来てくれることが多いそうですが、携帯は自社サイトがないため、モールのたくさんの店舗の中で埋もれがちという悩みもあります。その点でも早く自社サイトを立ち上げたいそうです。モールのフォーマットが限られている中で、自社をどうアピールしていくかは大きな課題です。島村楽器でもモールの店舗ではいろいろなご苦労があるようでした。

ネットと店舗の連携の難しさ

楽器という商材の特性として、日用品のように簡単に売れるものではなく、店の方から需要を創造しなければなかなか売れないという難しさがあります。実店舗の場合はイベントや教室を開くことによって購入を促すことができますが、ネットではそれができないため、知恵を絞っていく必要があります。また、これまで実店舗との連携にも取り組んできました。ネットで購入した商品を実店舗で受け取るサービス。

サイト診断
ポイント:モールの中でも工夫できる!

「島村楽器」トップページ

(1)画像はなるべくたくさん載せる
現在のサイトは基本的に画像が1種類だけのものが多いので、画像はたくさん使うようにしてください。画像のイメージはとても伝わりやすくなっています。例えば若い女性向けのギターであればバックにハートマークを入れるなど、ターゲットを考えた造りになっていると思います。せっかくなので、細部の特徴や拡大写真の画像も入れるようにしてみてください。公式サイトでは、画像を改善してコンバージョンを上げているサイトがいくつもあります。

(2)商品の紹介文は多めに
商品紹介のテキストが少ないのが気になります。長すぎて読まれないということはありません。PCと同じ量を入れていただいてOKです。詳しい説明があればあるほどお客は納得して購入できます。実際に触れられない、試せない携帯は、画像とテキストが勝負です。より強いセールストークで訴えかけることを意識してみてください。

(3)文字の色・大きさを変えてみる
現在の商品紹介の画面では文字の大きさがほとんど同じになっているため、メリハリがなく、大事なところを読み飛ばされてしまう恐れがあります。紹介文の中で、価格や特徴で強調したいところは文字を大きくしたり矢印を使うと、目に留まりやすくなります。特に若いユーザーが多いのであれば、派手なほど受けます。数多い商品の説明文を、文字の色や絵文字の1つ1つまで考えるのは手間がかかる作業だと思いますが、デコメールなどが主流になりつつある今、ユーザーは手間をかけられた画面を見るのに慣れています。ぜひ、もう一手間かけてみてください。

(4)集客したいユーザーに合わせたコーナー作りを
今は若い男性ユーザーがとても多いため男性向けのトップデザインにしたということですが、実店舗の方はもともとファミリー向けということもあり、女性ユーザーをもっと増やしたいというお話でした。トップをよく見てみると、「かわいい女の子ギター」という女性向けのコーナーがありますが、男性向けのコーナーに囲まれて一見分かりにくくなっています。ハートマークを増やしてみたり、「【女の子】」と括弧を使うなどして目立たせてみてはいかがでしょうか。

モールという限られた形式の中で見せ方の工夫をしていくのは難しい面もあるかと思いますが、それでもモールの店舗を見ていると、目を引く店舗はいくつかあります。工夫次第でもっと目立たせることは可能です。どれも地道な作業だと思いますが、ぜひチャレンジして売り上げを伸ばしていただきたいと思います。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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