「飯野クリニック」<ケース(4)>:花とグルメのオンラインギフトショップ「ウェルネス」タイトル

2007年10月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆32時間目
「飯野クリニック」<ケース(4)>:花とグルメのオンラインギフトショップ「ウェルネス」

皆さんこんにちは、飯野です。貴社の携帯サイトを診断する「飯野クリニック」第4弾はバラの花束で有名な、花とグルメのオンラインギフトショップ「ウェルネス」(PCとKDDI公式サイトを運営中)。商品部の山本秋芳EC推進担当リーダーと土屋美涼氏にお話を伺いました。



企業・サイトの特徴
バラの花束だけで年商2.5億円

ウェルネスは、もともとバラの花束の通販から始まりました。高所得の男性をターゲットにして男性誌や電車内に広告を出し、バラの花束だけで年商2億5,000万円まで売り上げを伸ばした会社です。それから徐々に商品の幅を広げて花とグルメのサイトになり、今では花とグルメを合わせて年商7億円。協力会社は企業から個人の農家まで、グルメだけで約200社になります。今でも一番売れるのは花だそうですが、グルメも追いつけ追い越せで売り上げを伸ばしています。最も売れるのは母の日の花束。次が父の日のグルメ商品で、年末のおせちもかなりの額が売れています。PCサイトでの購入単価は5,000~6,000円。季節によっても変わりますが、同社の特長である花とグルメのセット商品を出すと単価がアップ。また、おせちの時期には単価がかなり上がり、平均2万円くらいの商品がどんどん売れるそうです。

自社サイトは7割がリピーター

そんなウェルネスの一番の強みは、顧客へのサービスだといいます。リピーターが7割を占めるという状況からも、サービスの良さが感じられます。同社は自社サイトの他にYahooと楽天でも展開していますが、自社サイトは大部分をリピーターが占めるのに対し、Yahooと楽天ではリピーターは半分以下。これらショッピングモール下の店舗では自分たちのメルマガが自由に送れなかったり、顧客情報がもらえずモールのものになってしまうなどの制限があることで、自社サイトよりもリピーターの獲得が難しくなっています。これはKDDIのauショッピングモールにも同じことがいえます。auショッピングモールはKDDI公式のショッピングカテゴリよりも前面に出されていますが、モールでは自社のメルマガではなくモールのメルマガとして配信されるなどの制限があります。ショッピングモールは手軽で便利な面がある一方、大企業にとってはその統一されたシステムが売り上げの障害になる場合もあるということです。

サイト診断
ポイント:お客さまの視点=携帯で見られる視点

「ウェルネス」トップページ

(1)PCと同じ長さの説明文を入れてよし
携帯サイトを作るときの悩みでよくあるのが、商品の説明文の長さはどのくらいが適切なのか?PCと同じでは長すぎないか?というものです。そこで断言します。PCで説明分が3ページあるなら、携帯にもその3ページ分をどーん!と入れてください。「次へ」ボタンも20ページくらいになっても構いません。躊躇する必要はありません。今、携帯は「読まれて」いるのです。昔は携帯画面の文字はどれも大きくて表示数も限られていましたが、今はかなりの量が表示可能になり、携帯で長文を読み、作ることに慣れたユーザーが増えているのです。携帯は横でなく“縦に行く”文化。ページが「次へ」で切れる部分でユーザーのモチベーションも途切れてしまいます。それよりは“下へ下へ”と読ませてください。もちろん、縦がいいからといって3,000行続けていいわけではなく、やはりどこかのタイミングで切らないといけません。文章もPCのコピーペーストでいいかというと、それも違います。注意すべき点は、次の (2)(3) で。

(2)ページの区切り方に工夫を
「次のページでは○○の秘密を紹介!」などと、ページが切り替わるときに次ページの要約版を置きましょう。ユーザーがモチベーションを保ったまま次のページへ進めます。また、ページの途中に「上へ戻る」を入れて戻りやすくしたり、「購入」ボタンを入れてその時点で購入ページへ誘導するのも効果的。

(3)携帯で読まれることを意識する
ウェルネスではPCの文章をそのまま転用するのではなく、1つ1つ商品を見てコピーも全部直し、携帯用の文章にして載せているそうです。こういう工夫が大切ですね。欲を言うと、もっとおちゃらけた文章でもいいです。絵文字も色ももっと使い、文章量はPCを要約・削除するのではなく同じ量を。大事なのは「携帯で読まれる」ことを意識することです。人から携帯のメールをもらったとき、絵文字や顔文字、長文で熱意のこもった文章がくるとうれしいですよね。商品説明も同じです。友達にメールするときのような文章の方が、お客さまは読んでくれるし買ってくれます。

(4)トップ画面は派手に!画像を最大限入れる
現在のトップ画面では、商品画像が1つしかありません。実物を見ることのできない通販、特に花や食品では商品画像が売り上げに大きく影響します。どれだけおいしそうか、美しいかをアピールするために、トップ画面には画像をふんだんに使ってください。ショッピングサイトをよく使うユーザーの大半がパケット定額制加入者です。ページの表示容量の限界まで、画像をトップ画面に載せてインパクトを与えてください。サイトに入って離脱するユーザーの大半がトップ画面を見て離脱します。それだけ第一印象で決めてしまうユーザーが多いのです。

(5)ランキングは必須!
ランキングを入れましょう。売れ筋ランキングでも店長おすすめランキングでも何でもいいです。ユーザーの購入の指標となるランキングは、ショッピングサイトには必要。上位の商品の画像をトップ画面に出すのもよし。商品のクリック率が必ず上がります。

(6)レコメンドを入れる
商品にレコメンドを。商品説明のページに「この商品を買った人はこちらの商品も買っています」「同じシリーズの商品」など、サイト側でお客の興味を広げるようにします。

(7)「お客さまの声」を入れる
ギフト商品のサイトなので、「これをあげたら本当に喜ばれるのか?」「どんな人に喜ばれているのか?」などがお客さまは大変気になると思います。そこで、お客さまの感想や受け取った人の感想を投稿できる機能があると、さらにサイトが活性化します。実際に商品を買った人の感想はお店の説明よりも説得力があるので、安心して購入でき、購入率が間違いなく上がります。

(8)誰でも簡単に登録できるメルマガを
トップ画面にメルマガ登録機能がありません。会員にならなくても、誰でも簡単に空メール1つで登録できるメルマガを作ってください。母の日の前、父の日の前、新商品を出したとき、ランキングを更新したとき……などなど、集客のチャンスはたくさんあります。メールは是非、デコメールをおすすめ。デコメールとテキストメールでは、売り上げが1桁違ってきます。

サイト全体を見るとショッピングサイトとしての基本的な購入導線は非常にしっかりしていると感じました。あとは、携帯ならではの見せ方、工夫次第で売り上げが伸びるはず。是非がんばっていただきたいと思います。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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