「飯野クリニック」<ケース(3)>:ジェイウェルドットコムタイトル

2007年9月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆31時間目
「飯野クリニック」<ケース(3)>:ジェイウェルドットコム

皆さんこんにちは、飯野です。今号「飯野クリニック」第3回は、全90ブランド、1万5,000点の商品を扱うアクセサリー、ジュエリーの通販サイト「ジェイウェルドットコム」を取り上げます。PCサイトは順調ですが、まだ手付かずの携帯電話サイトに「今期こそは力を入れたい」と田代喜望社長は語ります。



企業・サイトの特徴
広告メインからサイト重視にシフトし、年商5億円

ジェイウェルドットコムは、ネットのみでアクセサリー、ジュエリーを販売する会社として2000年に設立し、PCサイトをオープンしました。当時はちょうどネット広告が活発になってきた時期で、早い者勝ち的な風潮がありました。ジェイウェルもその波に乗り、初年度に数千万円の広告費を使ったそうです。しかし、アクセサリーをネットで購入する文化はまだ無く、サイト品質も試行錯誤の状況だったせいもあり、売上高はわずか月数万円。ここで01年からは「物売り」に方向転換し、徹底してサイトのクオリティにこだわるようになります。その結果、順調に売上高を伸ばして現在では年商5億円、会員数5万人を獲得し、PCサイトへの来訪者は毎日2万人までに成長しました。ECサイトとして気をつけていることは、「ブランド価値にこだわること」「仕入先にこだわること」「間違った情報を伝えないこと」。これらの運営姿勢が、結果的に広告に頼ることなく集客できたということです。ユーザーの傾向で興味深かったのが、アイテム数の女物と男物の割合が2:1であるのに対し、実際の購入者は男性が多いこと。男性が女性へのプレゼントとして購入するパターンが多いそうです。PCサイトはそんなユーザーの傾向に合わせて、メンズ、レディース、ペア用など工夫された構成になっています。一方、携帯サイトはKDDIで公式サイトを運営していますが未開拓の状態なので、これから力を入れていきたいとのことです。現在は楽天からPCと携帯で出店していて、この売り上げ比は7:3。ここから予測すると、ドコモで携帯公式サイトを開設した場合、2億円は携帯で獲得できることになります。

サイト診断
ユーザーの立場に立ってサイトを使ってみる!

ジェイウェルドットコムTOPページ

(1)携帯サイトの必須要素をしっかり作る
サイトを見るとまだ商品を「置いている」感じで、「売っている」状態になっていません。まずは携帯ショッピングサイトの骨子となる「What′sNew」「ランキング」「レコメンド」「検索」をしっかり作りましょう。1万5,000点の商品を生かすも殺すもサイト構成次第。“サイト構成=商品陳列”なのです。

(2)ユーザー層に合ったデザイン
第一印象を決めるトップページのデザインは特に重要です。ジェイウェルの場合、まず扱うのがアクセサリー、ジュエリーというデザイン商品であること、ユーザーは20代前後が中心となることから、トップページは派手に、華やかにした方がよいでしょう。売り上げを伸ばしているファッション系、アクセサリー系のサイトは皆、トップページが派手ですよね。

(3)誰にでも分かりやすいヘルプメニューを
現在の携帯サイトはPCの補助的な役割として作られているためか、ヘルプメニューがなく、送料や支払い、お届けに関する説明がありません。購入方法が分からないという理由でユーザーの獲得を逃している可能性があるので、携帯ショッピング初心者を想定した、簡潔で分かりやすい説明をつけてください。

(4)1万5,000点の商品数を活かす検索メニューを
商品数は多いのに検索方法が少ないため、商品が探しにくくなっています。レディース、メンズ、ペアなどカテゴリ別の他にも、ブランド別、価格別、目的別(バースデー、結婚指輪など)など様々な視点で検索できるようにしてみてください。

(5)中身の見えるサイトに
カテゴリ別表示をする際、「ピアス(100)」「ネックレス(95)」など商品数を表示すればユーザーも商品数が把握でき、さらに探しやすくなります。検索結果に「全○件」の表示を忘れずに。

(6)画像表示のON/OFFを選べるように
商品一覧を表示する際、デフォルトで画像を表示してもOKですが、表示のON/OFFは切り替えられるように。ユーザーには、画像を見てじっくり選びたい人と、素早くテキストだけを見て商品を探したい人がいます。

(7)商品説明と画像はたくさん入れる
商品説明を必ず入れましょう。携帯はPCよりも画像が見づらいので、それを補うテキストでの徹底的な訴求が必要です。商品画像も何パターンか用意し、アクセサリーなら商品そのものの写真以外に着用写真やより細部の写真があるとベスト。使用感をユーザーがイメージできる紹介をすることで、購入率がぐっと上がります。

(8)買い物カゴはすぐに見られるように
現状では、「買い物カゴを見る」機能がありません。1つの商品をカゴに入れて前のページに戻り、別の商品をカゴに入れると、最初の商品がなくなっています。サイトを作る際にはユーザーの立場に立ち、「カゴから削除」「購入する」「数を変更する」などあらゆるシーンを想定して機能を作ることが大切です。

(9)ドメイン指定受信設定まで案内してあげる
「購入する」ボタンの後に「※jwell.comを受信拒否しないようにご注意ください」とのコメントが出てきますが、「ご注意ください」だけではちょっと不親切。ドメイン受信設定画面へのリンクをつけ、ユーザーが迷わず設定できるようにしてください。

(10)合計金額は送料込みの表示を
購入画面で、金額の合計に送料が入っていません。これでは購入後にクレームがくる恐れがあるので、必ず表示するようにしましょう。

(11)住所入力の煩わしさを減らす工夫を
現在の購入画面では、2回目以降の購入でも住所の入力が必要となっています。一度入力したら次からは入力なしで簡単に購入できるよう会員登録制にし、1回目の購入後に会員登録を促すとよいでしょう。

(12)メルマガはデコメールで
デコメールのメルマガを配信してください。テキストだけのメールと比べて、反応が全然違います。商材がアクセサリー、ジュエリーということはまさに見た目が命!画像を入れられるデコメールは非常に効果的です。

(13)雑誌掲載アイテムコーナーを作る
最後に、「雑誌掲載アイテム」のコーナーを作ることをおすすめします。それも目立つところに!さらに雑誌の発売日にメルマガを出すなどすればユーザーの反応が上がります。携帯片手に雑誌を読むユーザーが多いので、このチャンスを活かさない手はないですね。

とても堅実な経営をしている印象を受けました。携帯サイトはまだまだ改善の余地がありますが、これらを改善して公式になれば間違いなく売り上げが上がるはず。「PCサイトは順調だけれど携帯は手付かず」という企業様は、読者の中にもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?公式サイトに入るなら、携帯コマースが伸びている今がチャンス!最近は個性的なサイトがたくさん出てきています。皆さんも今ある自社サイトをもう一度見直していただきたいと思います。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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