「携帯サイト開発のポイント(2)」タイトル

2007年3月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆25時間目
「携帯サイト開発のポイント(2)」

皆さんこんにちは、飯野です。今月は「携帯サイト開発のポイント」第2弾をお送りします。携帯サイトもPCと似たようなものでは?と思っている方、必読です。



自動ログインの落とし穴

携帯電話サイトの開発において、最も重要な課題は個人情報の管理です。特に、会員登録をして会員専用のページやログイン機能を持つサイトは注意してください。
たまに見かけますが、危険なのは、一度ログインしたらパスワード等を再入力しなくても、その端末からアクセスすると自動ログイン状態になるサイト。サイトを開いた状態で携帯を落としてしまったら、拾った人はそのままサイトを使うことができてしまい、非常に危険です。
また、会員を判別する際には、ユーザーごとの固有のIDを利用しますが、その取り扱いにも注意が必要です。例えばKDDIではユーザー固有のIDのことを「サブスクライバID」と呼びますが、これが12~数十桁のランダムな数字で構成されています。怖いのは、一般の方には無理ですが携帯にちょっと詳しい開発者が手を加えると、1文字を変えてアクセスして他のユーザーになりすませる場合があることです。もちろんこのようなことは簡単にはできませんが、携帯に精通している開発者が何通りも数字を変えてアクセスしてみれば、誰かのIDに当たる場合があるのです。
これらの対策として、ログイン継続状態でも、購入画面やアドレス帳画面など、個人情報が表示される画面に入る前に、IDとパスワードの入力を必須にする方法があります。これだと、もしユーザー固有のIDが他人に分かったとしても、パスワードが分からなければ使えないので、なりすましを防ぐことができます。ですからパスワード設定画面には、パスワードには、電話番号や誕生日など分かりやすい数字は絶対に避けるべきとの注意書きを必ず載せましょう。
IDは自動表示させてパスワード入力だけを求める場合は、IDを自動表示するかしないかの選択もユーザーができるようにすると、さらに安心してもらえるでしょう。ログイン後は、操作のないまま一定時間が過ぎたら自動的にログアウトされる機能を付けることも忘れずに。

SSL対応ページでの注意点

携帯がPCと大きく異なる点はクッキーが利用できないことです。一部の端末はクッキーに対応していますが、開発で利用しようとすると問題が出てきます。
まずカートなどの個人情報に関するページにSSLをかける場合、クッキーを引き継ぐことができません。加えて、SSLページに入った後だと情報が暗号化されるので、キャリアのゲートウェイによりUIDを追加できなくなります。対策として、SSLページに入る前にUIDを取得してDBやセッションIDとして保管しておくようにしてください。

ブラウザバックの制御

携帯のブラウザバック(十字キーで戻ること)はキャリアによって制御がかかるため、カートや情報入力ページでブラウザバックを行った際、誤動作が起きないように注意が必要です。
KDDI端末ではブラウザバックの際にキャッシュ(ページ表示用の一時メモリ)を表示させるため一度入力した情報が残りますが、ドコモ端末ではブラウザバックを行うたびにサーバーに読み込みに行きます。この辺りの違いを考慮して開発しないと、一度入力した情報が画面から消えてしまったり、カートの途中でブラウザバックを行ったりすると商品が2個入っていたりといった誤動作が起こる可能性があります。
こういったトラブルを防ぐために、ブラウザバックをしても再度読み込み(httpリクエスト)が発生するように設計し、常に新しい情報を読み込ませるようにするか、逆に情報を残したいのであれば、情報をセッションから取り出して初期表示にするようにシステムを作り込む必要があります。

携帯では使えないタグ

開発者向け公式キャリアサイト

携帯サイトを作る際、PCでは使えても携帯では使わない方が良いタグがいくつかあります。代表的なものがテーブルタグ。中には使用しているサイトもありますが、端末によっては見栄えが悪くなるケースがあるのでお勧めできません。それとMETAタグを使ったリダイレクトなども使えません。
各キャリアの公式ホームページを見ると、開発者向けのサイト(図)があり、そこに各キャリアで使えるタグが掲載されているので参考にしてみてください。ただ、キャリアごとに表示制限も微妙に異なっているので注意が必要です。
タグ以外の注意点としては、パラメータがあります。携帯の場合、URLの後ろに付けるパラメータは目安として254文字以内に収めるのが良いでしょう。PCではもっと多く設定できますが、携帯電話では制限があり、これより長いと途中で切れる場合があるので注意してください。
各キャリアの開発者向けサイトではそれ以外にもアプリや各種開発ツールが紹介されています。また開発者でなくサイト企画者向けにも、公式メニューの掲載基準や申請方法が案内されていますので、公式化を考えている企業の方は一度のぞいてみることをお勧めします。

キャリアブロックに注意

メールマガジンの配信を行う際には、宛先不明のアドレスを無効にする運用を必ず入れてください。宛先不明のメールを大量に送信すると、キャリアのサーバーからブロック(受信拒否)を受けてしまい、受けるとそれ以降の一定時間、そのサーバーからはどんなメールも送ることができなくなってしまいます。キャリアブロックを受ける配信数の基準は公表されていませんが、これまでのケースから考えると、特にKDDIがキャリアブロックを受けやすいようです。

端末容量を考慮したページングを

1ページに何商品表示させるか?画像を何枚入れるか?――。携帯では端末の容量を想定したページング管理を行う必要があります。画像を何個入れるかは端末の容量によって判断します。例えばトップページに画像を入れる場合、20K以下の端末なら0枚、20~30Kなら1枚、30K以上なら2枚というふうにです。
商品一覧で表示させるサムネイル画像は、一般的なショッピングサイトだと1枚3~5K(60×60ピクセル~80×80ピクセル)が目安です。画像以外にもテキストやリンクの量で全体の容量が変わってきますので、画像を見せる場合には1ページに5点、テキストのみだと1ページに10件、というように微調整を行います。
また、パケット定額制に入っていないユーザーのためにユーザビリティーを考えることも大事です。非パケット定額ユーザーが1画面に何個もの画像があるサイトを見ると、それだけで何百円もかかります。ですから、例えば2G端末がアクセスしてきた場合には画像表示の有無を選択できる項目を作るなど配慮すると良いでしょう。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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