「伸びる携帯コマース、現状とポイント(2)」タイトル

2006年12月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆22時間目
「伸びる携帯コマース、現状とポイント(2)」

皆さんこんにちは、飯野です。前回に引き続き、今回もドコモ・ドットコムの村上勇一郎コンサルティング部マネージャーに、携帯コマースで売り上げを伸ばすコツについて、具体的に伺っていきましょう。



検索エンジン導入後の公式サイトのメリットは

KDDIでも検索結果は公式サイトが上に

今では携帯電話で商品を買おうと思ったら、これまでのように公式カテゴリから探さなくても、検索画面に商品名を入れるだけで、その商品を扱う何十ものサイトが表示されます。NTTドコモは複数の検索サービスと提携、auはGoogle、ソフトバンクはYahoo!モバイルと、携帯各社が次々に展開する「検索」サービスによって、公式サイトと一般サイトが同じ画面上で表示される状態になりました。

では、検索エンジンが浸透すればするほど、公式カテゴリのメリットはなくなるのでしょうか?これから公式化を考えている企業や、既に公式サイトを持っている企業の方は非常に気になるところでしょう。

村上氏によると、ドコモが検索サイトを導入した理由は、「公式サイトだけでも情報過多で、ユーザーが目的の情報までたどり着けない」という状況を挙げます。またユーザーの多種多様なニーズに対して、キャリアとして「公式サイト以外の情報も提供する」というのも導入理由の1つだと言います。すなわち、目的の情報にスムーズにたどり着けるようにすることが検索エンジン導入の狙いということです。

ここで重要なのは検索結果で表示される順番ですが、まず公式サイト、次に一般サイトの情報というルールになっているとのこと(右ページ図)。よって、検索を使う場合でも公式サイトが有利と言えるのです。「ドコモとしてはまだまだ公式サイトのメリットを企業様に享受していただけると考えています」(村上氏)。

ユーザーはアイコンを見て直感的にメニューの内容を判断します。それは絵と文字を同時に見たときに一瞬で理解できるデザインになっているからです。作る側は絵のデザインに気を取られがちだと思いますが、なんとなく格好良くアイコンを作っても、文字と合っていなければ意味不明になってしまいます。わかりやすいアイコンには、必ず適切な文字が付けられています。アイコンは、付けるべき場所、絵や文字が表す意味をよく考えて使うことが重要です。

公式サイトは最も効果的な集客ツール

FOMA端末対象のドコモ調査によると、公式サイト対一般サイトのアクセス比率は3対7。これは一見、一般サイトの方が多く使われているように見えますが、村上氏によると、この一般サイトの使われ方は限られていて、コミュニティサイトを常時見ているとか、Yahoo!のオークションを何度も利用するような、一部の偏ったユーザーが多いのも事実といいます。実質の一般的な普通のユーザーを含めた集客力から考えると、公式サイトの方が上だと村上氏は分析しています。

また最近、公式サイトのパワーが落ちてきて、「これからは一般サイトだ!」と言っている企業もあるようですが、実際に、一般サイトで事業を展開してみたけれども思うような結果が出ず、公式サイトの価値が再認識されている現象が起こっているとのこと。何だかんだ言っても、まだまだ公式サイトの集客力は健在だということが言えそうです。

公式化のメリットとして村上氏は「まず公式サイトに掲載することは『無料』だということを理解していただきたい」と強調します。

サイト構築費用を除くと、一般サイトを告知していくには紙媒体を使ったり、アフィリエイトや検索連動型広告を利用するなど、集客には費用がかかります。一方、公式サイトは確かに、立ち上げにはキャリア審査という大きな難関がありますが、その分、公式化した暁として「カテゴリのトップに載る(最初の2週間)」「検索結果の上位に表示される」という最大の広告が無料で行えるのです。

「無料である公式化」。これ以上費用対効果が高い広告ツールはあるでしょうか?現在のドコモユーザーは6,000万人ですが、そのうち、月に1回iモードにアクセスする人は8割、すなわち4,800万人いるという事実があります。公式化するということはつまり、サイトがこの4,800万人の目に止まるということなのです。この事実を再確認する必要がありそうです。

通販企業はすぐにでも携帯サイトを

村上 勇一郎 氏

ドコモ・ドットコム
コンサルティング部 マネージャー
村上 勇一郎 氏

これだけ市場が整備されてきたにもかかわらず、「当社は携帯への投資はまだ早い」などと相変わらず携帯市場を外から見ている企業が多いというのが現状です。これは本当にもったいないこと。大手企業が参入に二の足を踏んでいる間に、新興ベンチャー企業が売り上げを寡占している状態なのです。

村上氏は、将来的には携帯はすべてのメディアのハブ(中継点)になると考えていると言います。テレビやラジオが「お客に情報を提供する」一方通行型メディアなのに対し、携帯は「情報を提供し、お客がアクションを起こす」双方向リアルタイム型メディア。よって、お客の声を聞きながら、優良顧客(VIP)を育てていくことが出来るのです。これはテレビにはできませんね。「現在、テレビやラジオを使って集客をしているような大企業にも、少しでも予算を割いていただき、携帯サイトの効果を実感してもらいたいと思っています」(村上氏)。

ユーザーを意識したサイト構築が重要

では、実際に携帯ビジネスに参入する際に重要なことは何でしょうか。PCとの違いはどこでしょうか。

大前提として、携帯は画面が小さいため、伝達できる情報量には限りがあります。そこで、より詳しい情報を発信できるPCや既存の媒体(カタログなど)とうまく連携させるのが効果的な使い方の1つです。

代表的な方法としては(1)普段PCで買い物をしているユーザーが外に出たときに抵抗なく利用できるよう携帯とPCのサイト構成を連動させる(2)カタログ商品番号を携帯に入力するだけで買えるようにする――などがあります。

現在、PCで在庫管理システムや配送システムを持っていれば携帯サイトを立ち上げられますし、顧客情報やデータベースの管理などの基盤システムに関しては、既存のものと携帯とを共有するだけなのでそれほどコストは掛からないでしょう。

次のステップとして必要なのは、携帯の利用方法を想定したユーザーインターフェイス(購入までの流れ)の構築です。いかに少ないクリック数で商品購入ページに到達できるようにするか。その使い勝手の差が、結果的に売り上げやアクセスの高さの差を生み出すことになります。色々な携帯サイトの購入画面を研究して、よりよい、各社に適したインターフェイスを見つけるといいかもしれません。

ビジネスを開始する企業が増えているモバイルコマース。「とにかくたくさんの企業に携帯ビジネスに参入し、この“携帯ムーブメント”を一日も早く体感していただきたいですね」(村上氏)。


他の記事を見る


矢印 アイコンバックナンバー目次へ


飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



トップへ戻る アイコントップへ戻る

» モバイルコマース トップページ » 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー » 「スマートフォンでのショッピングサイトの見せ方(2)トップページ編」