「外部連携による集客(4)」タイトル

2006年11月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆21時間目
「伸びる携帯コマース、現状とポイント(1)」

皆さんこんにちは、飯野です。今回は携帯コマースの現状と今後について、ドコモ・ドットコムの村上勇一郎コンサルティング部マネージャーにお話しいただきました。携帯で売り上げを伸ばすヒントが見えてきます。



伸びているサイトとは。店舗連動も有効に

携帯サイトのコンサルティングを手がけるドコモ・ドットコムに携帯コマースの現状を聞いてみると、確実に成長している様子が分かりました。昨年からiモードショッピングサイトのサイト数と各サイトの売り上げが非常に伸びてきていて、月商1億円以上にまで育ってきている企業も多数あるとのこと。中には昨年対比で売り上げが3倍以上にアップしている企業も出てきたといいます。

iモード登場時の携帯コンテンツの黎明期から様々な企業を見てきた村上氏から見ても、昨今の携帯コマース企業の成長ぶりには目を見張るものがあるようです。では、そこまで伸びてきた理由は何なのでしょうか。

村上氏は、ユーザーが携帯電話の買い物に対して抵抗感が薄れてきたことを挙げます。料金の定額制が普及してきたのも、その理由の1つと言います。

これらの背景にはネット環境の変化があります。今年7月の総務省データ「情報通信白書」によると、ネットへのアクセス方法が、「PCのみ」の人(1,585万人)より、「携帯電話・PHS及び携帯情報端末のみ」の人(1,921万人)の方が多いという驚くべき実態があるのです。

つまり「買いたい物が決まっているのに、自宅に帰って、PCをわざわざ立ち上げて見ないという人が多くなってきている」ということのようです。

PCユーザーよりも携帯ユーザーの方が多いということは、皆さんも周りを見ていて納得されるのではないでしょうか。電車で携帯を見ているOLさんや学生の中には「PCを持っていない」「インターネットは携帯で」という人がたくさんいるのです。

では、これらのユーザーを獲得し、売り上げを伸ばしているサイトの特徴は何か。共通項はあるのでしょうか。

iモードサイトの傾向では、携帯で購入するメリットがあるものや、持ち運びが不便なものなどを扱っている企業の伸びが顕著といいます。店舗で商品を確認後、携帯で同じ商品を購入し、自宅まで無料配送してもらう――といった例なども増えてきているようです。「多く購入される商品は、誰にでも分かる商品名やどこで買っても同じ金額、同じ品質のもの、ブランド類など。これらはユーザーが何ら不安感なく買うことができるので、携帯向きの商材と言えます」(村上氏)。

ベッドが欲しいと思ったら、実際の店舗に足を運んで商品を選び、帰り道に携帯で買う。CDや本は店舗で視聴・立ち読みし、気に入ったらタイトルを覚えておいてあとから携帯で検索する――。そんな風に携帯を使う人が増えているのではないでしょうか。

購入の決め手は「くちコミ」

また最近の傾向として、くちコミ情報(コミュニティ機能)の台頭が挙げられます。PCでも携帯でもインターネットで買い物をするということは、ユーザーにとってはそれなりに不安感があるもの。メーカーや販売者の押し売り文句を信用できないということです。そこで一役買っているのが、くちコミをはじめとするコミュニティ機能なのです。

村上 勇一郎 氏

iモードサイトでもこの傾向が顕著に現れているようです。村上氏によると、コマースサイト内のコミュニティ機能などでは、メールで200文字くらいを平気で打って投稿してくる人が増えているということ。「われわれの世代から考えると、携帯で200文字打つというのはそれなりに大変なことですが、最近のユーザーは何の障害もなく行っています。それだけメール文化(親ゆび文化)が普及してきていると言えます」(村上氏)。

実際にコミュニティ機能を導入しているサイトになると、過半数のユーザーが購入前にユーザー投稿やくちコミ情報を見ているとのこと。好例がアマゾンのサイトで、ユーザーは購入者の声、お客サイドの評価を参考にして自然と購入の意思決定をするわけなのです。

携帯から投稿されるくちコミは、まるで友達にメールをするように、PCよりもくだけた“話し言葉”で打つユーザーが多いのではないでしょうか。それが読み手にダイレクトに伝わり、メーカーの宣伝文句よりも強力なレコメンドとなるのです。

また、携帯コマースのターゲットボリュームゾーンは、ドコモ調査によると、一般に言われている10代後半~20代前半の若い層ではなく、実際は購買力のある25歳から35歳の女性が一番多いとのこと。購入時間は21時~24時までが一番アクセスされているそうです。この点からも、買い物をするのにわざわざPCを立ち上げないことが分かります。寝る前にちょっとベッドに寝転んで携帯を見る、という使い方の人が多いようです。

「検索」が携帯コマースに与える影響

携帯各社が競って新サービスを導入し、携帯コマース業界でも常に話題に上る「検索」。まずはこの重要性について、そしてPCにおける検索との違いについても聞いてみました。

携帯は、情報量が一定以上になると、目的の情報を得るまでに何ステップも踏まないといけなくなります

携帯においては、情報量が一定以上になると、目的の情報を得るまでに何ステップ(何クリック)も踏まないといけなくなります。この際、「ディレクトリ型の検索だけだと目的の情報にたどり着かないことが起こってしまうため、検索エンジンのニーズは非常に高いと思います」(村上氏)。検索エンジンを導入し、目的とする情報をダイレクトに入力すれば、すぐに商品購入ページに行けるようになるわけです。

村上氏の考えでは、「PCの閲覧ページ数が平均6~8ページと言われているのに対し、携帯では2~3ページがいいところ」。また、携帯ユーザーの行動からしても目的買いが多く、すでに購入するものが決まっている場合が多いといいます。このため、検索エンジンを導入することによって、そういった目的買いユーザーに対して利便性が高まり、より利用されるようになるというわけです。

「検索エンジンの高度化」と「ユーザーの携帯検索の慣れ」、つまり“携帯”環境とユーザー、両面の変化から、携帯検索はPCが辿ったときと同じような文化に育っていくと村上氏は今後の展開を占います。

PCに比べ、携帯の検索機能はまだまだ成長段階と言えます。しかしながら検索機能の成長次第では、今後の携帯コマースのカギを握るかもしれません。携帯コマースに携わるわれわれにとっても、大きな研究課題となりそうです。

◆    ◆    ◆

まだまだ奥が深い「検索」。次回は「検索の導入で公式カテゴリのメリットはなくなるのか?」という疑問に、村上氏にお答え頂きます。


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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