「携帯電話広告~特徴とその違い」タイトル

2006年2月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆12時間目
「携帯電話広告~特徴とその違い」

皆さんこんにちは、飯野です。今回は携帯電話広告について、勉強していきたいと思います。この課題についても、PCの業界とは違ったルールが存在しますので注意が必要です。そこで今回は、携帯電話広告を含めネット広告に詳しいサイバーエージェント・住吉基伸氏に説明してもらいます。


携帯サイト広告の全体像

携帯電話サイトには、キャリアのメニューからアクセスできる公式サイトと直接URLを入力するなどしてアクセスする非公式サイトがあるのはご存知だと思いますが、これは携帯サイトの広告においても同様のことが言えます。

公式サイトの広告は各キャリアが定めるガイドラインに従って広告を行う必要があります。例えば、公式サイトから非公式サイトへの直接のリンクは禁止されていたり、ユーザーへのメール配信や広告掲載にも諸々のルールが規定されています。

一方、非公式サイトでの広告は基本的にはサイト運営者の運用ルールに委ねられているため、公式サイトと比較すると自由な広告を行うことができます。

公式サイトの広告で人気・効果ともに高いとされているのは各キャリアで用意されているキャリアメニューの広告枠です。例えば、ドコモの「週刊iガイド」KDDIの「au style」ボーダフォンの「ホットライブ!」などのキャリアが運営している新着オススメ情報コーナー内で掲載される広告などが挙げられます。

これらのメニューは各キャリアとの関係の深いメディアレップにより扱われていて、ドコモ系のディーツーコミュニケーションズ(D2C)KDDI系の medibaボーダフォン系のジャパン・モバイル・コミュニケーションズ(J-MOBILE)がそれぞれ担当しています。キャリアメニュー以外の公式サイトの広告に関しては、各コンテンツプロバイダーが広告代理店経由で販売することが多くなっています。

2004年末時点の調査によるとインターネット広告費は1,814億円となっていて、そのうち携帯の広告費は180億円となっています。

また、端末別でのネットアクセス人数はパソコン(PC)によるネットアクセスが6,416万人、携帯によるネットアクセスは5,715万人となっています。これらの数値を見るとネット広告はPC中心の市場であることが伺えます。

携帯サイト広告の特徴

では、なぜ携帯サイトの広告を行うのでしょうか?まず、最もシンプルな答えとしては携帯で行った方が効果が高いからです。携帯向きのサービスは、訴求するサービスの内容や方法によって効果が様々なので一概には言い難いですが、男性より女性、10代より20代、有料より無料といった特徴が挙げられます。

また、PCとの比較では、たとえ同じユーザーがPCと携帯を両方利用している場合でも、アウトプットする端末の違いによりユーザーの質が全く異なってしまうということも見過ごせません。

多くのPCサイトで、より集客や効果を上げるために携帯サイトも構築するけれども、PCでは上手くいっていたことが携帯になった途端、全く駄目になったという話を耳にすることがあると思います。PC・携帯ともに成功を収めているサービスというのは大抵の場合、携帯向けにPCの内容をかなりの割合でカスタマイズし、効果を挙げています。

PCの場合は、ユーザーが遊んだり楽しんだりしながら訴求するプロモーションが多い一方、携帯の場合はシンプルで分かりやすい訴求の方が効果が高い傾向にあります。大きな画面で時間を気にせず使えるPCと、小さな画面で時間を気にしながら使う携帯とでは、そもそものユーザーの質が変わってくるのです。このため、携帯での訴求はシンプルで分かりやすいものが有効と言えます。これらの特性をしっかりと理解した上で、PC向け・携帯向けそれぞれに訴求できると、両方で効果を発揮することができるのです。

携帯サイトの特徴である「いつでも・どこでも」という気軽さから、即効性の高い効果が得られることも携帯サイトで広告を行う理由として挙げられます。

その逆に、ユーザーにとって不必要な情報のメールなどは不快感を煽るだけで逆効果となってしまうことも少なくありません。携帯サイトの広告ではこれらのバランスにも注意しながら広告を展開していく必要があります。

携帯キャリアにおける関連メディアレップ

その他に、携帯サイトで広告を行う理由はアプローチする人数の拡大です。前述したように携帯でのネットアクセス人数は5,715万人となっていますが、そのうちの約1,500万人ものユーザーが携帯のみでネットにアクセスしているという事実があります。

つまり、日本におけるネット総人口約8,000万人弱の5人に1人が携帯電話のみでネットを利用していることになるのです。PC向けのネット広告ではカバーできないこの数値は、企業としては決して見過ごすことのできないパイと言えます。

余談になってしまうかも知れませんが、PCのユーザーに比べると携帯のユーザーの方が「無料」というキーワードの訴求に敏感に反応するようです。

これは携帯の表示スペースがPCと比較すると小さいことで「無料」というキーワードがクローズアップされやすいことや、PCはもともと無料、携帯サイトは着信メロディのダウンロードや通信料があるように、どことなく有料のイメージがあることによるところなどに起因しているのではないかと思われます。

公式サイト・非公式サイト広告の違い

携帯サイトの分類として大別される公式サイトと非公式サイト。広告においては、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

まず自社サイトがどのようなサイトであるか、プロモーションの目的を的確に把握する必要があります。

例えば、有料の公式サイトの会員数を伸ばしたい場合は非公式サイトへの出稿はあまりおすすめできません。

というのも、非公式サイトのユーザーは携帯サイトにお金を払って利用することに慣れていなく、「携帯サイト=無料」という意識を持っている人が多いため、有料会員登録まで至る潜在的なパイが少ないと言えます。ただし、これが有料会員登録ではなくサイトのアクセス数を伸ばして公式サイトのメニュー順位を向上させるような施策であれば非公式サイトのユーザーは有効と言えます。

このように公式サイトと非公式サイトでは広告媒体という視点から考えるとユーザーの質に大きな違いがあり、自社の商品にマッチした媒体を選択する必要があります。

公式サイト・非公式サイト広告の特徴

公式サイトの特徴は、キャリアのメニューから遷移ができるため、メニュー上位のサイトであればコンスタントに一定数のアクセス数が稼げ、広告出稿サイトヘのアクセスも多くなります。さらに、公式サイトからの誘導ということでユーザーに安心感を与えることができるのも利点として挙げられます。

また、先ほども申し上げた通り、非公式サイトのユーザーに比べると公式サイトのユーザーの方がサービスに対してお金を払うという考えに抵抗が少ないため、有料課金サイトなどでは高い効果を発揮します。

一方、非公式サイトの特徴は広告商品として様々なラインナップがあることです。キャリアのよる制約もないため比較的自由な広告が行え、また公式サイトと違って自由にサイトをオープンできることから3キャリアすべてに対応したサイトが多いことも特徴の1つでしょう。

公式サイトの場合、例えばEZwebにはあるけれどiモードにはないというサイトが多々あります。その点、非公式サイトではそのようなことが少なく手間なく3キャリアのユーザーに効果的に訴求が行えます。

また、非公式サイトでは公式サイトに比べるとユーザーが活性化しやすいことも見逃せません。公式サイトの場合、キャリアのシステムにより会員を紐付けていますが非公式サイトの多くはメールアドレスにより会員を紐付けています。

みなさんの周りでもよくあるように、携帯のメールアドレスは頻繁に変更されてしまいます。メールアドレスで会員情報を紐付けているサイトはユーザーがメールアドレスを変更することでメールが届かなくなり広告の配信が出来なくなってしまいます。このため、広告で収益を上げている非公式サイトでは常に一定の割合で新規のユーザーを獲得しているのでアクティブなユーザーが比較的多く、広告配信による効果も高いと言えます。

サイバーエージェント メディア事業本部 住吉 基伸氏

   ◇   ◆   ◇   

携帯サイトでの広告に関して述べさせて頂きましたが、携帯でのネット広告市場はPCのそれと比較しても急速に拡大しています。その特性を正確に理解することで、より効果の高い広告を行うことが出来ると思います。


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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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