「企画立案方法」、「効果的な画面遷移を書く方法」タイトル

2005年10月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆08時間目
「企画立案方法」、「効果的な画面遷移を書く方法」

皆さん、こんにちは、飯野です。今回は、読者の方からのリクエストも交え、「自社携帯サイトを作るにあたっての企画立案方法」、「効果的な画面遷移を書く方法」をアドバイスしていきます。前号では、公式サイトスタートからいきなりロケット弾のよにユーザー数を稼がれたサクセス社(ドコモサイト名:PCサクセス)を取り上げました。このような企業は稀としても、皆さんの会社が公式に登場し、競合サイトとアクセス数を競えるようになっていただけるよう、なるべく分かりやすくご説明させていただきます。これから書く項目にしたがって企画を立案されるとよいと思います。最初は苦しいかもしれませんが、慣れてくると結果的に業務効率よく、かつ内容の濃いサイトができるはずです。勝手サイトでショッピングサイトを作られる企業にとっても参考にしていただけると思います。



(1)競合サイトをピックアップする

まず自社のサイトの業種(カテゴリー)を決めてください。自分のサイトがショッピングカテゴリーのどこに該当するのか、見当をつけてください。実機端末で各キャリア公式サイトの競合といわれている企業がどのカテゴリーに入っているかを調べれば分かるはずです。
もし、どのカテゴリーにも属さない新業種だった場合でも無理やり似ている企業のカテゴリーを探し出してください。(笑)
まずはドコモでの調査、そしてドコモで該当しそうもなければ、KDDIを見てください。なぜならKDDIは3キャリアの中でもダントツにショッピングサイト数が多いので、類似企業が公式ですでにサービスをしている可能性が高いからです。
そしてその競合サイトのTOP画面をそっくり紙面(パワーポイント)に写してください。TOP画面の一言一句すべて写すこと(サンプル図ご参照)。PC シミュレーターでTOP画面をそっくりコピーしてきてもOKです。コピーできないサイトは自分の目で調べて、作るしかありません。この際、類似企業10社(10サイト)のピックアップは最低必要です。
私の会社でもコンサルティングさせていただく場合は必ずこの作業から始めます。この作業は、慣れない方は丸1日使いますが、慣れている方は数時間で済みます。

競合サイトのTOP画面をそっくり紙面(パワーポイント)に写してください

(2)ピックアップした10サイトをすべて使ってみる

その類似サイトに1ユーザーとして個人(会社)登録し、実際に使ってみてください。決して、適当な住所や名前を入れないで、正直にユーザーの立場で行ってください。
行うに際しては、必ず以下のことをやってください。
*TOPページの全メニューボタンを押して一番深い階層まで入ること。
*メールアドレスを登録し、メルマガも実際にもらうこと。
*キャンペーンにも応募すること。
*問い合わせ窓口にメールで問い合わせしてみること。*場合によっては商品を購入してみること。そして返品もしてみること。 ★最後に重要なのが、TOP画面から、何クリックで、希望商品を購入できたか?クリック数を計ること。
「TOP画面を表示する=1クリック」としてカウントしていってください。それも紙面に記載しておくこと。
大きく分けて、検索して購入する場合と、商品カテゴリーから選択していき購入するパターンがありますので、その両方を計ってみることを勧めます。
これは当たり前に聞こえるかもしれませんが、実際にはあまりやられていないのが現状です。それはなぜか?・・・大変面倒くさいからです。(笑)PCシミュレーターを使い、調査する方も多いですが、あまりお勧めしません。
ここで体験する必要があるのは、あくまでも実機端末での調査なのです。なぜここまでするのか?・・・目的は、【1】お客様のストレスを体で覚えるため。(不便な箇所、不便なメニュー企画を列記する)(2)そのサイトの便利な機能を知るため。(使いやすい箇所、便利なメニュー企画やサービスを列記する)――の2つです。
この(1)(2)を行いながら、サイトごとに紙に記載していってください。片手に携帯、片手に鉛筆という感じで、どんどん書いていくことが重要です。とにかく10サイトの各(1)(2)を書き並べることです。
同業種が10サイトもない場合でも、無理やり類似する企業のサイトを調査してください。この仕事は1人きりで、丸々2日あれば終わるはずです。(1サイトにつき1時間~2時間)
ご注意:定額制に入っていないと、パケット代がケタはずれに高くつきます。できるだけ会社で購入した端末を使われることをオススメします。そして、ドコモならFOMA、auならWINの3G端末を使って行ってください。決して昔の端末を使ったりしないように。

(3)1つ1つの特徴を整理する

10サイト調査が終わると、その紙にはサイトごとにたくさんの「いいところ」「悪いところ」が書かれているはずです。各TOPページのイメージ図も10サイト分が紙になっていると思います。

(4)自社のPCサイトで年間アクセスの高いメニューを列記する

お客様はどのメニュー(ボタン)を一番使っていますか?PCサイトがない企業は自社の勝手サイトを調べてください。自社の強みをしっかり認識しておきましょう。「PCサイトも勝手サイトも無い」という企業は、現在自社で一番支持されている商品やサービスなどを列記してください。10個くらいはすぐでてくるはずですね。

(5)自社サイトTOP画面案を作る

(1)~(4)までで、最低限の素材は揃いました。ここから初めて、公式サイトのTOP画面を作っていきます。
まず、類似サイトの「いいところ」はできるだけ盛り込みましょう。逆に使いづらかったメニューは絶対に入れてはいけません。もちろん、自社のPCサイトでアクセスが高いメニューは入れる必要があります。(基本的にアクセスの高い箇所はメイン業務になっているはずです。)
こうしてパズルのようにTOP画面のメニューを上から並べていきます。
重要なのは、類似サイトよりも1つ抜きん出たメニューを入れることです。
これが企画の肝となります。もう一度言います。
「他社にない、自社でしかできない企画(サービス)を1つ入れる」「他社が1年は真似のできない企画(サービス)を1つ入れる」「圧倒的な数量、質、価格等の商材を用意する」「他社にない圧倒的な使いやすさ(購入しやすさ)を売りにする」など。
このどれか1つでも見つけられた企業は、結果的にドコモなどから公式承認が得られます。
逆にこれがないと、いつまでたってもキャリアの公式承認は取れません(KDDIはその限りではありません)。この作業は他メンバーとも案だし(ブレスト)を行う必要があります。メインターゲット年齢に近いメンバーが一番案だしして欲しいところです(我々は最低1人30個くらいのメニュー案を考えます。中にはとんでもない企画もでてきますが)。
他社にない企画やサービスは大抵が「経営判断」になる場合が多いため、その企業のTOPの判断も重要になってきます。
この作業はとても重要です。じっくり検討してください。たとえサービス開始が1カ月遅くなったとしてもここはじっと「自社の強み」を作る期間と思ってください。1カ月延期分の売上ロスなどは企画の良し悪しで十分ペイすることが可能です。まったく支障がないことを理解してください。
TOP画面を構成するうえで重要なことは、「携帯の画面は一番上が一番見られる」ということです。当たり前なのですが、このことを結構忘れている企業も多いのです。スクロールしていけばいくほど閲覧するユーザー数は減っていくと考えてください。TOP画面構成は、数パターン用意しておくことをオススメします。
最終決定は他メンバー(部署)も入れ、類似サイト10個と比較して総合的に判断します。

(6)第二階層以降を作る

TOP画面が決まったあとは、第二階層以下を作っていきます。
ここで一番重要なのは、何クリックで希望商品を購入することができるかです。(2)で類似の10サイトは何クリックで希望商品を購入していますか?それらのサイトより、必ずクリック数を少なくしてください。
ここも頭を使うところです。なぜ少なくするかは、もうお分かりですね。
携帯ユーザーはクリックする回数が多ければ多いほど、購入レスポンスが減っていきます。コンバージョンレートは深い階層になればなるほど悪くなります。PCサイトのように他サイトを見て、別ウインドウで価格を比較して・・・・などのような行動はとりません。
よって企画担当者は、他社よりも最短で目的の商品を表示させ、最短で決済をさせ、最短で商品を届ける。このことにすべてをかけることです!
次号は、どのようなメニュー(企画)を入れると携帯ユーザーは反応するか?少し具体例も交え、アドバイスしていきます。



他の記事を見る


矢印 アイコンバックナンバー目次へ


飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



トップへ戻る アイコントップへ戻る

» モバイルコマース トップページ » 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー » 「応募率の上がるキャンペーンサイトの作り方」