「公式メニュー入りの効果的な攻め方とは」タイトル

2005年9月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆07時間目
「公式メニュー入りの効果的な攻め方とは」

皆さん、こんにちは、飯野です。今回は、公式化になった企業の実例をあげてアクセス数UPの秘訣を勉強しましょう。ご存知の方も多いかもしれませんが、先月(7月)のドコモメニュー順位改変のときに、衝撃的な入れ替えがありました。ショッピングカテゴリー内の、くらし/雑貨メニューで常に1位の座をKEEPしていた「ちびギャザ」を抜いた企業がいるのです!その企業は「株式会社サクセス」。サイト名は「PC家電サクセス(写真)」です。



サクセス社は秋葉原にあるPC&家電の販売会社で、設立5年にして年商150億円突破、その内ネットでの販売は123億円。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの大躍進会社です。モバイルサイトは今年6月にOPENしたばかり。しかも勝手サイトも存在せず、いきなり公式に入り、44サイト中2位に急浮上(FOMAでの計測順位)しました。先日その会社に訪問し、モバイルでのメニュー順位UPの秘策を伺ってきました。
(現在はドコモでの公式化のみで、au,ボーダフォンは今後予定とのこと)

サクセス社 モバイルサイト

<公式化までの経緯>

2005年6月5日 この時点で勝手サイト存在せず、PC上での販売が主でした。
6月6日 ドコモ公式スタート
2週間 くらし/雑貨カテゴリーの1番上に「NEW」マークをつけて掲載される(ドコモ掲載ルールに沿う)

<行ったプロモーション>

(1) 自社PC上でのメルマガ会員(36万人)に対し、告知。
毎日配信するメルマガのため、1ヶ月の配信数は単純計算でも1000万通。

(2) 自社PCサイトでの告知  PCでの月間訪問者数約400万人

(3) 6月の1ヶ月間は徹底的な「激安セール」を開催
例)「デジタルカメラ 1台55円!」
  「DVD・HDDレコーダ1台500円!」など
※  通常あり得ない商品価格を出し、このサイトに来ると何か得になることがあるように見せ、口コミ拡大を狙う。

(4) タイムセールを開催
毎日の話題のニュースや流行などを参考にイベントを開催
例)「タイムセールウォーズ モバイルの逆襲」
※スターウォーズの映画封切時期にあわせたキャッチコピーを創作
するなどして、徹底的に今の旬の言葉(ワード)をテキストに入れて、リアリティー(生の臨場感)を出す。
ユーモアや笑いも欠かさない。

(5) 登録者を増やすための徹底的なプレゼント作戦
  例)「メルマガ登録者に抽選でiPod shuffleを毎日3名にプレゼント!」
  (1ヶ月間継続)
※この時期話題の機種を毎日「継続的」にプレゼントすることで口コミ拡大を狙う。

(6) 送料無料サービス
※  PC上では行っていないサービスとして、「送料完全無料」を携帯で行う。(オープン記念キャンペーンとして)
この差別化は携帯ユーザーにダイレクトに響くものなので、非常に有効です。

<プロモーションの内容評価>

皆さん、これを読まれて気づかれましたか?サクセス社はサイトOPEN時有料バナー広告や、雑誌掲載などはまったく行っていないのです。
ドコモがお決まりで用意する、「スタート2週間(初動)のカテゴリー最上位掲載(NEWマーク)」をつけて告知されただけです。(世間一般にはこの告知力が相当効果的ということがあまり認知されていないようで残念です。)

サクセス社はこの「初動期間」を有効活用し、徹底的に自社プロモーションにこだわりました。
まずは「認知力を高めること=集客力を高めること。」これを最優先課題にされました。

初動(ドコモが用意する一番上位掲載期間=2週間)の時期(黙っていても集客される時期)を見逃さなかったのは大変意義があります。
私が今まで見てきた他社の経験で最も陥りやすいのが、サイトOPENをさせることにすべてを費やしてしまい、肝心なアクセス数はその後の結果を見て予算取りをすることです。

これは大変もったいないことです。
サイトOPENも大切ですが、もっと大切なのは、第1回目の掲載順位が何番目になるかということです。
ドコモのコマースサイトは携帯を見ていただければわかるとおり、カテゴリー画面の一番下に「利用者数順に掲載しています・・・・」と書いてあります。

すなわち、その掲載期間のユニークユーザー数の多さによって次回のメニュー改変時に順位が入れ替わるのです。
サクセス社はそのことを肝に銘じ、忠実に守り、実行されたのです。

最近はどのカテゴリーも数十サイト掲載されています。初動の2週間だけ1位で、その後は一番下方に掲載される企業がいかに多いことか。そこから這い上がって上位掲載を狙われるのは、時間もお金も数倍かけることになると思ってください。それだけ、初動期間中ユーザーアクセス率は高いということです。
それと今回の施策のポイントはなんといっても「タイムセール」です。タイムセールがうまくいった理由として考えられることは、携帯ユーザーはそもそも「移り気が激しい人種」だということを認識してワードを考えることです。

そのときそのときのキャッチな言葉が「肝」です!いかにその日の流行の言葉を使えるか、これがすべてと言ってもいいでしょう。
極端に言うならば、ユーザーはどんなシチュエーションであれ、自分が興味のある言葉を見てしまったら反射的に親指が動いてしまうということ。
押したその先に自分が期待していたものがなければ、「戻る」ボタンを押せばいいだけですから。その間なんと2、3秒です。
逆に期待していたものがあったり、喚起させる情報(商品)があったら、購入ボタンへとさらに進んでいくことになります。
リアル店舗も一緒ですね、いくら良い商品を販売していてもお店の中に入ってくれなければ始まりません。どれだけの通行人の目を止めることができるか?
ここが勝負です。

これらを直感的、且つ機動的にできる精鋭スタッフがいるサクセス社はやはり最強です。

<結果>

現在も「PC家電サクセス」は2位をKEEPしています。

6月6日のスタート時から毎週の売上比率を見ると、6月6日の週を100とすると、8月8日の週は600になっています。なんと2ヶ月で6倍の売上を獲得するサイトになっており、今なお増加中です。

来客ユーザー数はすでに50万人を越え、売上もPCサイトと実店舗を含めた全売上のうち約5%にまで上がってきたようです。

もう一度言います、サイトOPEN2ヶ月でこれだけの実績を作られています。

理由は徹底して初動期間を有効に活用し、サイト内の集客を高めてきたことにあるといえます。広告を有料バナーに頼る担当者が多い中、このサクセス社の担当者達の実績は見習うことが多いと思います。

<今後の課題>

サクセス社は当初の予想を上回りユニークユーザー数も多くなり、売上も上がっていますが、ユーザー属性は当初考えていたものとは違っていました。

最初はPCの登録ユーザーが、モバイルに流れてくるだろうと予想されていましたが、実際サイトをOPENしてみると、PCユーザーでない新規客の購入が多かったのです。
それも男女比がだいたい5:5と、予想以上に女性も多かった。
これらは携帯ショッピングユーザーならではの傾向です。

また、サクセス社のTOP画面も見ていただくとわかるとおり、大変分かりやすいメニュー表示になっています。専門用語が並ぶようなことなく、女性が初めて訪れても大変理解しやすかったこともアクセス数をあげた理由の1つといえるでしょう。
これからは、リピート率をあげる施策を考えていかれるそうです。

また、アフェリエイト開拓も積極的に展開されていかれるとのこと。
大手通販企業がひしめくカテゴリーで、かつ同業のヨドバシカメラ、ビックカメラのサイトもある中で、たった2ヶ月間で掲載順位2位に躍進された功績はドコモの担当者も驚きを隠せなかったようです。

これから公式に入ろうとされている企業にとり、今回のサクセス社の取り組みを1つでも実行されることを提案します。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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