「社内稟議で承認される収支計画の立て方」タイトル

2005年8月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆06時間目
「社内稟議で承認される収支計画の立て方」

皆さん、こんにちは、飯野です。今回は、大きく2点について皆さんと勉強していきます。まずその1、ボーダフォンのECサイトについて、直接ボーダフォンの担当者へお話しを伺ってきましたので、是非参考にしてください。その2、公式サイトになるには、いったいいくらくらいかかるものなのか?モバイル業界での常識的な金額(コスト)をお伝えしていこうと思います。そしてそれをもとに、費用対効果のシミュレーションを例にしてみました。まだ公式化されていない企業様、これは必見です。



<その1:ボーダフォンのECサイトの近況>

(3G増加中)

ボーダフォンのECサイトの中では、特に即時性という携帯電話のメリットを最大限に生かせる「チケット」「オークション」の認知度が高いです。それに「ファッション」「アクセサリー」も最近増加傾向にありますね。ボーダフォンユーザー約1300万人のうち、2G端末が約400万台、3G端末が約100万台となっていますが、驚くことに、ショッピングサイトのアクセス数は、2Gと3Gを比較すると、ほぼ同数であったり、となり、サイトによっては3Gの方が多いという結果がでています。
結果的に定額制が大いに貢献していると言えます。ボーダフォンとしては今後積極的に3G展開を図っていく考えです。
また、ショッピングカテゴリーにおいては、3Gユーザーの中で、サイトTOP画面のアクセス数が毎月20%~30%増加してきています。
今後ますます3Gが売れていくことを考えると、ショッピングサイトにこれから参入されようとしている企業様には朗報ですね。

(フェリカについて)

ボーダフォンも今秋フェリカ対応端末を発売していく予定です。
PCは、ブロードバンド化によって料金を気にしないで閲覧できるしくみが1つの文化ですが、携帯も定額制をだすことによってPCに近いと環境になったと言えると思います。
今後は、リアル店舗と携帯が「フェリカ」を介して結ばれていきます。
携帯がPCとリアル店舗の補完役となるわけです。それには公式化サイトとしての提供をご検討になっていただくほうが商売上有利になります。

(公式化への入り口)

ショッピングサイトに限らず、公式化サイトとしての提供をを考えられている企業様にお伝えしたいこととして、モバイルならではの取り組みをしているところは、是非提案を持ってきてください。
と言いたいですね。モバイルだけのキャンペーンなどがあったり、(帰宅時刻に合わせたタイムセールメール通知など)
モバイルというチャンネルをうまく活用いただけるところで、尚且つボーダフォンだけの企画があれば尚よしですね。(笑)
3Gからは「無料マイメニュー」も始まりました。3ヶ月に1度のサイトメニュー順位入れ替えに大きく左右するサービスとなっています。
現在ボーダフォンショッピングサイトは約150サイトです。そのうち月1万人以上のアクセス数があるサイトは数十です。


<その2:公式サイト費用対効果 例>

ボーダフォン株式会社 プロダクト・サービス開発マネジメント本部 コンテンツサービスマネジメント部 冨永祐一氏

(公式提案方法)

新規で公式サイトの提案をしていただける場合、まずは弊社HPから必要書類をダウンロードしていただき、指定の宛先に書類を郵送ください。メールでの申請になります。その後弊社内にて審査をさせていただき、約1ヵ月後に審査結果をご連絡報告させていただきます。是非たくさんの提案をお待ちしております。(談)

(費用対売上シュミレーション)

ここで、公式にかかる費用に関して、年間どれくらいの売上を最低目標にするべきか?シュミレーションしてみたいと思います。

コンテンツプロバイダーがよく使う表ですので、皆さんも是非これで仮説目標をたてるのに使ってみてください。わかりやすく説明するため、詳細の項目は省いています(添付)。

コンテンツプロバイダーがよく使う表

(1)まずは公式サイトのTOPページアクセス数です。この入り口にいかに多くのお客様に入っていただくかが勝負です。公式になったからには、初月3キャリアで1万人は最低でも欲しいところです。
サイト更新や販促努力で訪問者数は増加していきます。

(2)サイト訪問者のうち実際に購入まで結びつく購買者数は10%くらいと考えてみましょう。これは企業の商品力などに大きく左右されるところです。勝手サイトの購買率をそのまま当て込んで計算されるところもあるようですが、勝手サイトで入ってくるお客様はすでにその企業の商品を購入する確立が高い場合が多いようです。よって、公式でネットサーフィンしている見込み客まで入れた場合は必然的に購買率は落ちますので要注意です。

(3)客単価です。ここでは5000円としています。

(4)「(2)×(3)=売上」になります。

(5)粗利50%と仮定します。

(6)公式スタートするまでに約2000万円かかったと仮定します。(企画承認、開発含む)ここでは、1年間で全額償却すると仮定しています。(1ヵ月166万円の償却)よって2年目以降はこの償却費用がなくなるため、だいぶ利益率も高くなるはずです。

(7)サーバー運用費やコールセンター費用をアバウトに入れています。

(8)販促費用を月額50万円と固定しています。広告バナーを張ったり、キャンペーン、雑誌での広告など含みます。

(9)サイトの更新は随時行っていかなければいけません。ここでは半年後に100万円をかけてサイトリニューアル開発をしたと仮定しています。

(10)費用の合計です。わかりやすくするためにここでは、人件費の固定費は省いています。

(11)単月収支です。「(5)-(10)=単月収支」となります。

(12)累計収支です。3キャリアで公式になった場合、初年度(12ヶ月)で1億円の売上は最低でも欲しいところです。各社月商1000万円を目標とされるところも多いようです。

この表では、売上1億6,900万円、粗利8,450万円、費用3,300万円、管理費等の固定費除く利益5,150万円となっています。

これを元に損益分岐売上がどこになるのか、各自でシュミレーションしてみてください。これにより、担当者としては、社内稟議が承認されるかどうかの大事なアウトプットになるはずです。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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