「公式サイトで勝ち抜くための正しい準備の仕方」タイトル

2005年5月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆03時間目
「公式サイトで勝ち抜くための正しい準備の仕方」

今回は公式サイトに入るまでの業務フローを詳しく解説し、公式サイトで「勝ち抜くための正しい準備の仕方」についてお話します。まずは主要3キャリア別の業務フローを記した(表)をご覧下さい。そして、キャリア担当者の声ということで、ドコモの村上氏にも登場いただきました。



サービスINまでの長い道のり

(表)主要3キャリア別の業務フロー

前号でお話しした公式サイトに入るための最低条件を踏まえて企画立案し、「企画書+画面遷移図」を作ります。それができたらキャリアへ提案します。

すべてのキャリアにはウェブから申請できます(法人格のみ)。キャリアによって多数の申請書類が必要だったりして結構面倒ですので、時間短縮させるためにコンテンツプロバイダーに委託するという早道もあります。

またキャリアによって企画承認されるまでの対応も違いますので、要注意です。ドコモはエントリー後審査され(約40日以内)、承認されると今度は対面での提案説明会となります。(遠方の場合は地方のドコモ支社が対応します)

残念ながら審査不適格となった場合でも、その旨通知されます。

提案説明会後、詳細企画書をブラッシュアップし、「ドコモ審査会議」となります。ドコモ審査会議を通過すると企画承認です。KDDIもまずはウェブでエントリーし、約1ヶ月後にメールにて合否通知が届きます。

いずれのキャリアもホームページでエントリーについて書いてある項目がありますので、確認してみるとよいでしょう。

企画承認されると契約締結で、開発過程に入ります。外部に委託される企業も多く見受けられ、開発者のスキルにもよるので一概に言えませんが、通常のコマースサイトは2~3ヶ月で開発完了です。

開発終了と同時にキャリアの確認テストが行われます。実際に携帯電話上で企画提案した画面遷移図通りに表示されているかどうかをチェックします。ここで表示されなかったり、動かないなどのトラブルが発生すると、スタート延期になりますので万全な準備をして臨んでください。

これと平行して、キャリアへ告知物(プロモーション)を納品します。例えば、キャリアのショップなどにあるカタログなどに露出したり、キャリアホームページなどで宣伝してもらうためです。納品物はキャリアから指示されますが、数百文字の宣伝用テキストやバナー画像などが多いです。

こうしてようやくサイトスタート(我々は通常「サービスIN(S-IN)」と呼びます)です。キャリアによってS-INする日時が決まっていますので、それにあわせてのスタートとなります。

大手企業などはこのスタートに合わせて、TVや雑誌、店頭での告知を行いますので、開発トラブルや他の要因で企画立案時に決めていたスタート日より遅れてしまうと、売上損失を招いてしまいます。

<重要!!ここがポイント>

公式サイトでは、通常このS-IN時が大変重要な意味を持っており、各キャリアもS-INから1~2週間はカテゴリーメニューの一番上に掲載してくれます。この期間で、アクセス数を増やし、サイト登録をしていただくことが重要です。

2週間経過すると、大体メニュー位置はカテゴリーの一番後方に下がってしまうため、そこから1つ1つ競合サイトを超えていくことになります。

このメニュー順位を1つでも上位におくために、最初の1週間のキャリアプロモーションを有効活用することが重要です。リアルのお店でも同じことが言えると思いますが、開店のときにいかにお客様に来店してもらうか、また次回も来てもらえるようにするか、キャンペーンをやったり、割引したりさまざまな企画を立案する必要があります。

携帯では、一度入ってサービスや操作性に不満を覚えたユーザーは二度とそのサイトには入っこないと思ってください。(パケット代がかかってしまうからです。基本的にショッピングサイトは女性ユーザーの方が多く、彼女たちは定額制には入っていないのがほとんどです。)

サイト名は熟考せよ

サイト名も非常に重要です。あの小さい画面に表示させるわけですから、トコトン目立たなくてはいけません。ブランドがすでに確立している企業は、そのものズバリのブランド名でいいでしょう。そうでない企業は、しっかり競合他社のサイト名と比較し、メニュー掲載時に一番目立つような名前を考える必要があります。

サイト名の良し悪しによってアクセス数は、多くもなり少なくもなります。店舗(サイト)内の企画がいかに良くても、まず店舗(サイト)の入り口が見えなければお客様は店に入れません。

各キャリア、サイト名の文字数が限られていることも注意が必要です。ちなみにドコモは全角7文字以内です。大手企業では、サイト名を多数検討し、費用をかけてターゲットユーザーのグループインタビューの結果で決めるところもあるようです。個人的には、そのうち携帯専用のコピーライターがでてくると思っています。(笑)それだけサイト名は重要です。

PC会員の1割獲得目指せ

新規参入企業の場合、企画立案(1ヶ月)、キャリア提案(2ヶ月)、開発(2ヶ月)、申請テスト(1ヶ月)合計6ヶ月で公式サイトスタートが可能です。PC上でのサイトのように、すぐネットショップが開けないことをまずは認識ください。

「これだけやってどのくらいお客様が来るのか?」「どのくらい儲かるのか?」-とよく聞かれます。

業種によってもさまざまですが、イメージとして現在の自社PC会員(ユニークアクセス数)の1割の登録者数、売上月商1000万円あたりが最初の目標設定としておかれたらいいと思います。業種によってはこの10倍規模からのスタートもあり、また逆にもっと低い数値で低迷している公式サイトも実在します。

通販は活性化したいジャンル求む、「コンテンツ力」あるサイト

NTTドコモ 村上勇一郎コンテンツ開拓担当主査

NTTドコモ 村上勇一郎コンテンツ開拓担当主査
(プロダクト&サービス本部コンテンツ&カスタマ部 )

通販は今後、ドコモとしても活性化していきたいジャンルとして捉えています。特に、公式サイトで採用したいサイトは、「コンテンツ力」のあるサイトです。

コンテンツ力は「質(アイディア)×量(商材数など)=コンテンツ力(コンテンツの価値)」と考えています。特に、「質」は「コンテンツ力」を左右するカギであり、ケータイならではの利用シーンや「iモード」ならではのアイデアを盛り込んでもらいたいです。

また、ショッピングサイトにおいては実績も重視させていただきます。通販業はお客様とのトラブルも起きやすい業態なので、いままでの店舗、PC、雑誌などでの販売実績、そして運用実績は特に提示いただきたいです。

「iモード」の世界だけで商売をすることはとても困難と考えていて、逆にリアルとの連動ができる業種はメリットが大きいと思っています。

例えば「フェリカ」や「QRコード」を活用して、雑誌や店舗と連携してケータイに集客しやすいモデルなどを構築できれば、ケータイサイトで展開することの効果はより高まると思います。

どのキャリアから始めればいいか迷われている企業には、「ドコモが一番お得ですよと言いたいです(笑)」。理由は端末の母数が他キャリアより圧倒的に多いし、また年齢分布も均等で、エリアも全国的に分散しているためです。

また、端末台数比率は「1au:1ボーダフォン:3ドコモ)ですが、公式サイトでの通販の売り上げ平均は、端末台数比率以上のところが多いようです。中には「1:1:25」になっている企業もあります。これはNTTドコモが持っているブランド力が影響していると考えていて、ユーザーは「安心・信用」をドコモのイメージに重ね合わせているのではないかと推測します。

昨今のモバイル通販はものすごい勢いで伸びていますが、課題も多くなり、いずれ淘汰のフェーズがくると思っています。そのときにも、しっかりとした安心や信頼があれば、必ずユーザーは継続して利用し続けてくれると信じています。

しかし「iモード」の公式サイトは単純に数の面で言うと、ヤフーの仮想モールと比較してもまだまだといった感があります。ですから、前述の「コンテンツ力」のある通販サイトの提案をどんどん持ってきていただくことは大変ウェルカムなことで、それにより、ドコモの通販ジャンルは活性化するものと考えています。(談)



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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