「120しかない公式サイト恩恵を受けるための条件」タイトル

2005年4月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆02時間目
「120しかない公式サイト恩恵を受けるための条件」

開講主旨(編集局より)

百聞は一見にしかず--。まずは、下図(図表1)を見てください。
これはNTTドコモ「iモード」(FOMA)におけるショッピングカテゴリーの公式サイト一覧ですが、正確に数えてみると、直近では120サイトしかありません。
この数字を見て、公式サイト入りの「チャンス」と思うか、蒼々たる企業名を前に「無理だ…」とあきらめるか--。性急に結論を出す前に、「公式サイトと非公式サイトの違い」について知っておく必要があるでしょう。



需要を示す掲載順位

大手企業を除く読者のほとんどの方は、公式サイトを持っていらっしゃらないと思います。公式サイトは約300社の物販企業しか入っていませんから、必然的にそうなりますよね。(図表1)のようにショッピングサイトを表にしてしまうと、たったこれだけのカテゴリーと、企業数に集約されます。

公式 ショッピングサイト

ライバル企業が(図表1)の中から見つかれば、公式サイトになる可能性は大きいと言えます。

また、ライバル企業もなく、どこのカテゴリーにも該当しそうもない企業も、公式のチャンスがあります。なぜなら、この中に業種カテゴリーがないというだけですでに、差別化ができているからです。しかし、まだ同業が進出していないということは、“携帯市場には向いていない商品”かもしれないため、要検討です。

その他のキャリア(au,ボーダフォン)のサイトをチェックしてみてください。自分と同業種のサイトがドコモ以外にあるかもしれません。もし見つかった場合は、そのメニュー順位も調べてください。上位にあればそのサイトは人気がある証拠です。

公式サイトは各カテゴリーで掲載順位が上にあればあるほど、お客様の人数(利用者数)が多いサイトということになります。メニュー掲載はドコモのルールにより、3ヵ月に一度順位の入れ替えがあります。(これはキャリアによって異なります)

カテゴリー名があり、そのカテゴリーに合ったサイトがそれぞれのコンテンツ名(自社名のところもあります)で運営されています。そしてそのコンテンツを開発またはプロバイダー役としてサポートしている企業(CP=インデックスなど)が存在します。

基本的に公式サイトも上位にいないと売上貢献度は低く、メニュー順位で下位にある企業は赤字またはよくて運用費を賄えるくらいです。公式になればすべて儲かると誤解される方がたまにいらっしゃいますが、それは誤りです。現実は厳しく、そのためにCPのような存在が成り立っているのです。

ねずみと象くらいに違う

では一体、公式と非公式とはどれだけ違うものなのか?

一概にはいえませんが、簡単に言うと、「ねずみと象くらい違う」と思ってください。(笑)。銀座の三越にある「A店」と砂漠の中に出店した「B店」くらい違います。

銀座の三越の中にあるお店は三越が審査をして入居を許された企業たちですから、すべて洗練されています。お客様も安心して入店して、買い物を楽しむことができます。たまには三越自身で広告(プロモーション)を打ってくれたりもします。同じフロアに同じ業種を入れるため、同フロア内はみんなライバル--。

この三越のような一等地が携帯でいうところの公式サイトです。最近ではライバル店も多く入居しているので、日々メニュー順位(販促・リンク)を上げて認知度(来店数)を高める努力がされえています。

一方、砂漠の中のお店(非公式サイト)は、まずそこの場所をお客様に知ってもらうことが重要で、その店で何が売っているのかも、伝える必要があります。当然、一度訪れて再度訪問すると、すでに、つぶれていたり、引越ししているサイトなども多くあります。ルールも存在しないため、あやしい商品も販売され、決済も心配です。

確かに、サイトURLを知らせるため、QRコードなどもでてきましたが、まだまだ実際に使っている方は少ないのが実情です。しかも、非公式サイトでは、この認知をさせる作業に、たくさんのお金や時間が注ぎ込まれることになります。

売り上げ比率が10倍に

公式サイトと非公式サイトのメリットとデメリット

具体的な事例を1つあげましょう。
先日「日比谷花壇」のモバイル担当の方とお話をする機会をいただきました。
彼らは、「花」カテゴリーで常にメニュー順位1位の企業です。

一番の売りは「朝9時までに注文すれば、全国どこでも当日中にお届けする」というサービス。他社にはできないサービスで、ユーザの要望が多かったサービスですが、そんな日比谷花壇さんでさえドコモの公式になる前は、ほとんど売れず、自社のネット売り上げ全体の1%くらいだったそうです。

それが、2003年春にドコモをスタートさせ、2004年春auとボーダフォンもスタートさせて、現在ではPCを含むネット売り上げの10%は携帯からの注文だそうです。この担当者は「公式にならなければ絶対にこの数字はなかった」と言っています。10%と言っても売り上げ母数が大きい企業ですので、大変な額になります。

ただ「だから公式サイトはすごい」というつもりはありません。なぜなら、デメリットもあるからです。これについては公式と非公式のメリットとデメリットを簡単にまとめた(図表2)をご覧下さい。

必要なのは「9つの条件」

では公式ショッピングサイトに入るためには、何が必要なのでしょうか?キャリアによっても多少違いがありますが。大枠で(図表3)にあることが満たされていれば、公式サイト入りのチャンスはあると思ってください。ただこれは、「儲かる」という観点ではなく、あくまでも「公式に入る」ための要素です。

公式化の条件

まず(1)に関して。キャリアの全国メニューは基本的にどこにいてもサービスを享受できなければいけません。もし北海道の人だけが購入できるようなサイトになると、東京の方は見る必要がないサイトということになります。そういうサイトは地方メニュー掲載となります。お客様がどこにいようと、サービスが享受できる必要があります。

(2)は説明するまでもありませんね。法律を守ったまともなサイトである必要があります。

(3)1回だけ訪れて終わるサイトではなく、毎日、毎週または毎月継続して利用できる企画内容であることが求められます。毎月購入するものでない場合でも、サイトで新しい情報を流し、常にお客様をサイトにかかわらせることが重要です。御社の商品や店に同じお客様が毎週通いたくなくなるイメージが出来てれば大丈夫でしょう。

(4)はとても重要です。もしすでに同業他社が公式に入っていれば、その他社にないサービス(企画)を付加したサイトつくりが求められます。
(auに関しては同じ内容でも公式になります)

(5)プロモーションも大変重要です。公式サイトはスタートすることが目的ではなく、継続して儲けていく必要があります。それには、なるべくお客様にサイトの認知をしてもらうことが大切です。最近は公式内で メニュー掲載位置(利用者数)獲得競争がし烈になってきました。日々プロモーションをかけて、顧客をサイト内に誘導することが求められています。

第1回でも申しあげましたが、(6)にある自社メディアや店舗、その他リーチできるチャンネルがある場合には積極的にそれとサイトを連動させてください。これがうまく連動されている企業は相乗効果でお客様を囲い込むことが可能です。ツタヤさんなんかが有名ですね。

(7)は「携帯は24時間365日休まず働く」ことを示しています。携帯電話も各メーカーからたくさんの種類が出されています。PCと違い、携帯はメーカーによって、仕様が異なることがあります。これらすべてに安定して表示されるようにするにはシステムメンンテナンスの手間などがかかりますが、それはサイト運営者の義務となります。当然、お問合せの連絡先なども表記する必要があります。

現在の御社の販売内容(実績)を問われるのが(8)です。何も販売をしたことなく、初めて携帯公式で販売することは困難です。

最後に、(9)「質と量」これは非常に難しい課題です。具体例を挙げると、
・このサイトで多数の商品を販売するか?(総合デパート型)
・または商品カテゴリーは少なくして、その分バラエティーを多くして奥行きをだすか?(単品販売型)
--のいずれにしてもオンリーワンサイトを目指す必要があります。そのためには、最初からサイトのコンセプトを明確にしておくことが非常に重要です。運用し始めてから「コンセプトを変更したい」ということはよくあることですが、既存店の運用と同じで、公式サイトでもそう簡単にコンセプトを変更できるものではありません。

以上がすべて満たされていると判断した企業は、すぐにでもキャリアへ提案書を出したほうがいいでしょう。残念ながら全く当てはまらない企業は、非公式サイトで売り上げを上げる手法を考えていきましょう。厳しいとは言え、非公式サイトでも成功するためのノウハウはあります。これについては、また近いうちにお話させていただきます。

次回は公式サイトに入るための具体策「勝ち抜くための正しい準備の仕方」についてご説明します。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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