「ネット販売“第2の波”に乗れる人、乗れない人」タイトル

2005年3月 通販新聞社 月刊「ネット販売」連載記事バックナンバー

携帯電話を「通販ツール」に進化させるプロフェッショナル育成講座 タイトル ビジネス感度を高めで受講のこと

連載◆01時間目
「ネット販売“第2の波”に乗れる人、乗れない人」

開講主旨(編集局より)

ネット販売が“第2の波”を迎えている。そのプラットフォームは、携帯電話だ。通信環境の向上により、「モバイルコマース」は今、“第1び波”となったPCベースのネット販売以上の成長を続けている。この波に乗るための条件は何か--。今回からモバイルに特化した通販コンサルタントの飯野勝弘氏により、携帯電話を重要な「通販ツール」に進化させるためのプロフェッショナル育成講座を連載する。



立ち上がったばかりの業界

はじめまして。ご挨拶が遅れました、私、有限会社モバイルコマースの飯野勝弘と申します。今回から「モバイルコマース」について、皆さんと一緒に勉強をしていこうと思っています。

モバイルコマース業界はまだ始まったばかりです。PCベースのネットショッピングと違い、実測経験も乏しく、各企業もまだ本腰をいれるには早いと思っているところがほとんどのようです。ネットショッピングの文献は多数ありますが、モバイルに特化した本がないのも、こういう現状だからでしょう。

そこで、私のこれまでのモバイルコマースに特化したコンサルタントとしての経験を生かして、実用講座を開講させていただきます。本連載は特に、携帯での物販をまだ行っていない企業に向けた初歩的な知識やノウハウを中心に執筆していきます。
また、具体的なモバイルコマースの販促事例なども取り扱うことで、中上級者の方々にも読み応えのあるものにしていければとも考えています。

では、はじめましょう。

成功のカギ握る「公式サイト」

携帯電話を活用して通販の売り上げを伸ばそうとされている皆さん。そのための条件をご存知ですか?

それは大きく分けて5つあります。
(1)リアル店舗を多数保有している
(2)カタログやチラシを配布している
(3)PCベースのネット販売が好調
(4)TVや雑誌などに露出している
最初の4つは、それなりの資産やコストが必要条件となります。これから携帯電話を活用して通販に参入する方々にとっては、敷居が高いんですよね。

そんな上記4つどれにも当てはまらない方々には、
(5)キャリアの「公式サイト」に入る
-という選択肢があります。
「公式サイト」は、主要携帯電話のキャリアが独自の審査に基づき、サイト上や各種キャリアの販促物で紹介しているサイトのことを指します。NTTドコモでは「メニューサイト」と呼んでいて、「Yahoo!」のような「ポータル(玄関)サイト」として機能しています。
現在のモバイルコマース業界を見る限り、この公式サイトに入ることが、“成功への近道”であると言えます。(1)~(4)のいずれかに該当する企業の方々にもとっても、このことは重要なことになります。

公式サイトとモバイルコマースの関係について深くご理解いただくために、まずはモバイルコマースの現状についてご説明させていただきます。

たった300社の現状

ところで皆さん、携帯のショッピングサイトって、一体どのくらい存在しているのかご存知でしょうか?

現在、公式と「非公式」のサイトを合わせると十数万サイトあると言われています。もう少し具体的に見ていくと、非公式サイトで約10万以上、3キャリア公式サイト全カテゴリー合計で約6000存在します。(ちなみに、公式サイトの楽天はそれだけで1万人以上のショップが存在しています)

その中で各キャリアの公式ショッピングサイト数は、「ドコモ:116サイト」「KDDI(au):212サイト(その他「auでオカイモノ」カテゴリーに300サイト)」「ボーダフォン:137サイト」(いずれも2004年12月30日時点)。このうち複数キャリアで運営している企業が多数ありますから、企業数とししては約300社くらいだと思われます。

全携帯ショッピングサイト数に対して、公式サイトはとんでもなく少ない数字だと思いませんか?

前年比2.5倍の成長率

メニューリストから捜す人

公式サイトの中には、年間売り上げが100万円~100億円の企業まで存在します。それらを合計すると、約2000億円の年間成長率です。今どき、世の中に2.5倍の成長をしている業種はそんなに見当たらないのではないでしょうか?

今から5年前を振り返ってみて下さい。2000年当時、主婦が気軽にPCで買い物をする光景なんてほとんど見受けられませんでしたよね。また、高速のインフラも整っていなかったことからネットを利用する回線スピードも遅く、そもそも一家に1台のPCも普及していませんでした。

しかし、その後のインターネットおよびPCの文化の発展は目覚しいものがあり、ネットショッピングに関してもだいぶ認知されてきました。それに合わせ、購入できる商品やサービスがとても多くなってきました。

あれから5年。携帯業界でも再度、この現象が起きようとしています。それも、とてつもなく早く、大きい市場です。PCのそれより規模もスピードも桁違いです。

「3G」「定額制」で環境は整った

現在、全国にインターネット接続機能を搭載した携帯電話は約7300台あります。そのうち、3G(第3世代携帯電話)の利用者は30%、通信料金の定額制利用者は30%、通信料金の定額制利用者は3%。2006年3月には、それぞれ50%、20%へと普及する見通しです。

「着メロ」やメール文化の浸透で、携帯の操作に違和感のあるユーザーは限られた年齢層になってきました。かつ、PC自体の機能や通信環境の発展により、ブロードバンドコンテンツやネットショッピングの利用も世の中にかなり浸透してきているのが現状です。

そん中で、携帯ショッピングの利用増加に関する最大のネックは、通信スピードと通信料(パケット代)でした。あの小さな画面で、商品を見たり、買ったりするには、いくつもの画面を見る必要があります。そこに遅い回線スピードでかつ通信料もかかってしまっては、やはりユーザーからすればストレスだらけ。ショッピングをするという感情はなかなか生まれてこなかったでしょう。

そこでようやく、各キャリアは「3G 」と「定額制」を打ち出してきました。これにより、まだPCほどではありませんが、ユーザーは携帯からでも通信料を気にせずに、サクサク快適にネットショッピングを利用する環境が整いました。

約3割がすでに使っています

楽天以上のベンチャーも出現?

今まで、携帯電話ほどユーザーにリーチできるツールはありませんでした。今後は、この携帯電話上でさまざまな企業が商売を始めるでしょう。私の想像では、この3~5年くらいで、楽天の10倍規模のモバイルベンチャー企業が出てくると思います。

今年は特に、キャリアの通信料定額制を利用するユーザーが加速度的に多くなり、コマースを利用するユーザーも一気に多くなります。ショッピングサイト運営企業にとっては良いこと尽くめ、まさに追い風に乗った感じです。

後は、いかに多くの人たちに自社の携帯ショッピングサイトを認知させるかがポイントになります。多くの人たちに認知させるやり方はたくさんありますが、そこで一番効果があるのは、何と言っても「公式サイト」です。

公式サイト入りのルール

各キャリアはプラットフォームのオープン化や決済主題の提供で幅広くコンテンツ普及を図っていますが、まだ世の中「公式サイト」です。(笑)

それはなぜか?認知度が、非公式サイトと比べて格段に公式サイトの方が上だからです。

非公式サイトで「公式」と同等の認知を図ることも不可能ではありません。ただ、上記(1)~(4)の資産を持っている場合か、お金(広告)をかけてアドレスを告知していくかの選択しかありません。くちコミで広がるケースはレアなケースです。

その点、公式サイトは、キャリア独自のポータルサイトとして幅広く認知されており、キャリアによっては代金回収代行もしてくれるため、ユーザーにとっては安心して利用できる環境です。

それにもかかわらず、前述したように公式サイトを活用している企業が少ないのにはわけがあります。それは、公式は誰もが入れるわけではなく、キャリアの条件に当てはまった企業だけが入ることを許される“狭き門”となっているからです。

ただ、最近はそれも徐々に緩やかになってきました。特に、auに関しては独自でショッピングポータルを運用していることもあり、参入障壁は随分低くなってきています。しかしそれでも、この“公式サイト入りのルール”を知っている場合と知らない場合とでは、モバイル戦略に大きく差が出てくることは間違いありません。


次回は「公式・非公式サイトの違い」「公式サイトになるためには」、などを中心にお話していきます。



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飯野勝弘プロフィール

飯野勝弘プロフィール

日本IBM㈱にて法人営業後、大手通販会社の通販部門責任者を経て、 ㈱MTI(ジャスダック上場企業)執行役員モバイルコンテンツ事業部長として、公式コンテンツ300サイト以上の立ち上げを経験。現在㈱モバイルコマース代表取締役として、全国の通販企業の携帯サイトコンサルティング業務を行う。
主業務に携帯サイトの設計企画、3キャリアへの公式承認代行(完全成功報酬制)、サイト開発、運営、売上UPコンサルティング、セミナー等 幅広く活動中。毎月4キャリア(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・ウイルコム)へ通販企業様の公式サイト提案を行っている。数社のIT企業役員も兼務。


連絡先:東京都世田谷区用賀2-38-14 青木ビル 4階
電話03-3700-5259



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